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2021年8月の記事一覧

花びらむしれ

向かいの人の植物の
開いた花のどぎつい色はよく見えるけれど

自分がきつく抱いている
影の落ちた花の色はよく見えない

花が咲いているという事実は変わらないのに
自分のそれは美しく
相手のそれはひどく醜い
そう信じて疑わずに

花びらむしれと叫びながら
自らの花唇は決してむしらない

むしることなんて
想像さえ

こだま

私の言葉はあなたのこだま
私の声をこだまに変えて
あなたはにこにこ笑ってる
よかったぁって気持ちいいって
表情崩してとろんてしてる

あなたは響きを選んで捨てて
残したものだけこだまに変える
自分の言葉で上書きをして
臭う表現吐いてはきゃっきゃ

残されちゃった私の言葉は
どれもぜぇんぶ死骸になった
あなたにこだまに変えられ死んだ

深い本当綺麗に哲学
こだまの色彩どれもがさつで
数秒後には落ちて

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