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Abdで対話する「こころの世界」②〜家族・哲学・自己〜

アクティブブックダイアログで読み解く「こころの世界」、第二回も多元的に「こころの世界」について考えました。今回は家族、哲学、自己をテーマに、第一回を振り返りながら対話しました。


脳科学を発展することで、私(自己意識-こころ)を知ることができるという神経中心主義を批判するガブリエルの本(「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学/マルクス・ガブリエル)を読んだ参加者が脳科学学会員だった(!?)という驚きの展開で、人の脳とこころの関係について対話することから始まりました。脳の変化は遺伝か環境要因かという議論の中で、家族のあり方がこころに及ぼす影響(家族関係を考える/河合隼雄)について話したり、きょうだい関係が及ぼす自意識への影響(自意識を創り出す思考/ロバートフリッツ)について話したりしました。

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私たちの遺伝要因は私たち自身の成長にどの程度関わっているのだろう。そしてそれに支配されている以上、私たちにはどれくらいの自由があるのか。そんな問題意識からスタートした今回の対話は、遺伝以外に私たちに影響を与えるものは何かというテーマにシフトしていきました。その中で私たちの人生で大きな役割を果たすであろう「自己肯定感」。これは「社会的ワクチン」であり、親との関係で作られる「愛着」が大きなかかわりを持っています。わたしたちがさまざまな課題に取り組むことができるのも、この「愛着」がもたらす「安全基地」があるからこそです。一方である種の自己肯定感は自分が成功することとは関係ないというのです。自己肯定感にはどうやら2つの側面があることも対話からあきらかになってきました。こういったことを意識して生活したり子育てをすることは意義があることのように感じられました。

(2020年4月21日)




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