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朗読ノオト~朗読のコツを考える~

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私が朗読の時に気を付けてることを、まとめていきます。
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#話し方

【講座メモ】芥川龍之介『トロッコ』四回目

【講座メモ】芥川龍之介『トロッコ』四回目

池袋コミュニティ・カレッジで講師を担当しております講座「西村俊彦の朗読トレーニング」講座メモ
芥川龍之介の『トロッコ』を読む・四回目。

この回では土工に「帰りな」と言われてからラストまでを見ていきました。これでいよいよ『トロッコ』も読み切り。
残りの二回は全編を声に出して読んでいく、発表会的な回になります。

講座を担当して一年半ほどになりますが、一つの作品を四回に分割して細かく見る→全体で二回

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【講座メモ】芥川龍之介『トロッコ』一回目

【講座メモ】芥川龍之介『トロッコ』一回目

池袋コミュニティ・カレッジで開催中の「西村俊彦の朗読トレーニング」【詳細はこちら】

4月4日から新しいシーズンが始まりました。
今回は芥川龍之介の『トロッコ』をテキストに、全6回でお届けします。

初回は

・言葉のかかり方
・期待をこめる
・言葉の質感
・気持ちの流れ
・大きな声を出す

といった所に注目しました。

・言葉のかかり方

「工事をーーといったところが、唯トロッコで土を運搬するー

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【講座メモ】体/会話/ニュアンス

【講座メモ】体/会話/ニュアンス

池袋コミュニティ・カレッジで講師をしております
西村俊彦の朗読トレーニング【詳細はこちら】

宮沢賢治の『注文の多い料理店』
をテキストにした二回目。

今回は作中の台詞を、手を動かしながら口に出してみる、という事から始めました。

体の質感をつかむ

「どうも変なうちだ」と疑う
「これはロシア式だ」と知ったかぶる
「どうかそこはご承知ください」と頼む
「これは全体どういうんだ」と憤る
「これはど

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【講座メモ】ジャンル&ターゲット

【講座メモ】ジャンル&ターゲット

1月10日より始まりました
池袋コミュニティ・カレッジ「西村俊彦の朗読トレーニング」【詳細はコチラ】

今回は宮沢賢治の『注文の多い料理店』をテキストに、全6回で色々やっていきます。

初回はまずは全体把握ということで、全文を分担して読んでみました。
・地の文
・一人の紳士
・もう一人の紳士
・注文書き
と役割を分けてみましたが、これだけでも大分立体的になるなぁと思いました。

一度読んだイメージ

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【講座メモ】作者登場/感情/価値判断

【講座メモ】作者登場/感情/価値判断

池袋コミュニティ・カレッジで開催中の
「西村俊彦の朗読トレーニング」

中島敦の『名人伝』をテキストに全6回でお届けするシーズン、5回目の講座メモです。

・身体の動きで感覚を掴む

「そうじゃないんです」
と発しながら言い訳をすると、身体はどんな感じになるでしょうか。多くの方が少し前に乗り出し気味になるのでは?
相手に何かを働きかけたい時の身体の動きとして使えそうです。あるいは積極的な気分を言葉

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【講座メモ】身体から物語に入る

【講座メモ】身体から物語に入る

中島敦の『名人伝』をテキストにお送りするシーズン4回目。
期待に身を乗り出す→肩透かしをくらう

この回では身体から物語に入る事をしつこくやりました。

・身体から物語に入る

物語中に色々な人物が体験する感情・状況を、身体を動かして味わってみます。
・物憂げに突っ伏して
・首を傾げて「不思議だなぁ」
・身を乗り出して「すごいことです!」
などなど、体を動かしながら短い言葉を発してみると、感情が動

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【講座メモ】体のあり方・声の大小・キャラクターの感情量

【講座メモ】体のあり方・声の大小・キャラクターの感情量

池袋コミュニティ・カレッジにて開催しております講座
「西村俊彦の朗読トレーニング」

中島敦の『名人伝』をテキストにしたシーズンの3回目は、
・体のあり方
・声の大小
・キャラクターの感情量などについて考えました。

・体のあり方

講座のはじめに、立つ/座るのエクササイズ。
勇敢に、怯えて、堂々と、など形容詞を添えて動きを行うことで動きには自然と質感が生まれます。
そこに声をつけていくと、自然と

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朗読トレーニング講座メモ・2022年5月17日

朗読トレーニング講座メモ・2022年5月17日

夏目漱石の『夢十夜』4回目のこの回では、とうとう第二夜に突入。
全6回で第一夜・第二夜を読み切って、6回目は好きな方をプチ発表会、という形で進めております。

毎回の講座の流れとしては

・身
軽くのびなどストレッチをして体をほぐす

・息
呼吸のトレーニングを少し

・声
少し声をして喉の試運転
今回はハミングに、
小さく/明るく/暗く/鋭く/丸く
などのニュアンスをつけて

・読
作品を読んで

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朗読トレーニング・講座メモ・2022年5月3日

朗読トレーニング・講座メモ・2022年5月3日

西村俊彦の朗読トレーニング・3回目。

「死んだら、埋めて下さい」
という夏目漱石『夢十夜』に登場する台詞を、
本文の流れとは離れて、色々なニュアンスで言って見るトレーニングを行いました。

・おどす
・怒る
・命令する

などの単純な目的設定から始め、
誰が誰に頼むのか、という視点も加え

・恋人が愛する人を
・医者が患者を

など、シチュエーションを変化させて考えてみると、実に多様な表現の引き

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朗読トレーニング・講座メモ・2022年4月5日

朗読トレーニング・講座メモ・2022年4月5日

毎月第一・第三火曜日13時より
池袋コミュニティ・カレッジにて朗読の先生をしています。

今期は夏目漱石の『夢十夜』第一・第二夜をテキストに、皆さんと朗読のコツを発見していこうと思います。

初回は
「物語をどう届けるか」
「自分にとって何の物語か」
という事を掘り下げるために、第一夜のイメージを出し合い、自分の語り方のジャンルを探りました。

同じ物語でも、これだけ多様なキーワードが飛び出す。

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【朗読・話し方Q&A】雰囲気を出すには…?



Q.
朗読で、雰囲気を出すのが苦手です。
何かアドバイスがあれば…

A.
ご質問ありがとうございます。

雰囲気、なかなか難しいですね。
出そう!と思ってぱっと出てくるものでもないと思うので、
「これをやれば雰囲気が出る!」
という即解決策はあまりないようにも思います。
なので、雰囲気を作る助けになりそうな事をいくつか。

雰囲気として、一番分かりやすい物は、
僕は「怪談」ではないかと思いま

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【朗読・話し方Q&A】地の文を読むコツ

朗読・話し方Q&Aです。

Q.

私は舞台役者として活動しているのですが
朗読検定準二級を受けた感想として、舞台上での台詞とは違い
役でしゃべるのではなく話を語るというのが難しかったです。

朗読において何かコツなどがあったら教えて頂きたいです。

A.

私も舞台役者から朗読に入った口なので、
この質問はよく分かるなぁ、という感じです。
朗読では、舞台以上に、「誰が、誰に向けて喋っているか」と

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【朗読・話し方Q&A】子供っぽい声に聞こえてしまう…

【朗読・話し方Q&A】子供っぽい声に聞こえてしまう…

朗読や話し方に関するQ&Aです。

Q.きれいな、優しい、安心、落ち着きを感じてもらえ、
聞いてる人が妄想してもらえるような声で読みたい。

と思いますが子供っぽい?

と自分の声読み方に聞こえるのですがどうしたらよいですか?
よろしくお願いいたします。

A.子供っぽい感じに聞こえるのをどうにかしたい、という事でよろしいでしょうか?
実際にお聞きした訳ではないので、見当違いのアドバイスになって

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【Q&A】声が硬いと言われる

【Q&A】声が硬いと言われる

朗読の先生してる中で、色々な質問をいただく事があります。
それになんとか答えようと色々考えて文章にしていると、
自分でも無意識でやっていた事などが明らかになってきて面白いので、
せっかくまとめた文章、何かの役に立つかしら、と、Q&Aということで載せておこうと思います。

今回はこちら。

Q.私はよく声が硬いと言われます。
あとは滑舌が悪いのかロングトーンで五十音を練習していると
「あー」が「らぁ

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