「年1回しかない」からこそ振り返る〜年末調整振り返り会議・潜入取材〜
通常業務ではない仕事を久しぶりにやるとき、こう思ったことのある方は多いのではないでしょうか。
日々繰り返し行う業務であれば、思い出すことも簡単ですし、頻度が高いからこそ「改善しよう」という気も起こります。しかし、
不定期でやってくる中途入社や産休・育休の手続き
毎年必ずやるけど年に1回しかない年末調整
いつ起こるか分からない異動や退職による業務引継ぎ
などのように“たまにしか起こらない”ものは「そのときだけ何とかがんばって処理する」ということになりがちです。その結果、
「苦労したことだけは覚えているけど、記録が何も残っていないから、結局次も同じような苦労をする」
ということになります。いろんな会社・いろんな現場で起こっているであろう、この課題を克服する方法はないものか —— そう考えていた担当者のもとに、ある情報が入ってきました。
クラウド人事労務ソフト「SmartHR」の開発・販売を行っている株式会社SmartHRで、「年に1回しかない年末調整の振り返り会議が行われる」というのです。
いったい、どんな方法で振り返りを行っているのか。来年に生かすために、どんな準備をしているのか。特別な許可を得て、実際の振り返り会議の現場へ潜入取材を敢行。今回はそのレポートをお届けします。
経験者が集まり、資料も残しているのに「分からない」
SmartHRの労務ユニットには年末調整を何度も経験したメンバーが集まっており、Googleドライブには前年の業務で使った資料もちゃんと残していました。
しかし、資料はあったとしてもその中から「どこが苦労したポイントだったのか」「何に注意をすれば良かったのか」をひもとかなければ改善につなげることはできません。
プロジェクト開始前にチームで資料の読み返しを実施していたものの、年末調整が始まってからも
というやり取りが頻繁にあったそうです。そこで今年は、年末調整の計算やチェック作業が終わり、まだ記憶が新しいうちに「年調振り返り会議」が開催されることとなったのです。
2022年の年末調整では、BYARDを使い業務の進捗やタスクの管理が行われました。そして会議では、BYARDの画面をメンバーと一緒に見ながら振り返りが行われました。
振り返りの方法
振り返りは、以下の3ステップで実施されました。
ステップ1:業務をしながら、つまずいた点・気付いた点をメモしておく
ステップ2:年末調整が終わったらデータを集計する
ステップ3:来年の業務プロセスに反映する
それぞれ詳しく見てみましょう。
ステップ1:業務をしながら記録を残す
精度の高い振り返りを行うため、実際に業務を行いながら気付いた点の「記録」を残す工夫がなされていました。
○○をやってみたらうまくいった
△△はうまくいかず苦労した
□□は来年はこうすればいいのではないか
このようなメモを、業務を行いながら随時残していったのです
Point!
BYARDを使うと、ストリーム(=業務プロセス)の上でそのまま業務の進捗やToDoが管理でき、さらに、それらとひも付く形でメモを残すことができます。そのため、①業務全体の流れのどの部分で、②具体的にどの作業に対する気付きなのかを、ひと目で確認することができます。
ステップ2:年末調整が終わったらデータを集計する
客観的な視点を加えるために、各メンバーの定性的な気付きだけでなく、定量的な数字による振り返りも行われました。「差し戻し件数は何件で、全体の何パーセントだったのか」「差し戻し理由の内訳は何が何件あったのか」といった数値を集計した資料が、会議で共有されていました。
興味深いのは、年末調整が終わったゴール地点の数値だけではなく、スタートからゴールに至るまでの推移も測定されていたことです。
こちらの「進捗グラフ」では、年末調整書類がいつ・何件提出されたかの推移が記録されており、どのタイミングで・どんなアクションをしたら・どれだけ効果があったのかが分かります。
年末調整のような「一定の期間をかけて進行するプロジェクト」においては、施策を打つタイミングを計るための重要なデータです。
ステップ3:来年の業務プロセスに反映する
振り返りによって明らかになった改善ポイントは、その場ですぐに、次回の年末調整の計画へと反映されていきました。
△△は○○に変えてみよう
□□は判断に迷ったポイントだったので、これを確認しよう
今回は××をやったけど、次回はなくしてもいいかもしれない
今回の年末調整(Do)を振り返り(Check)するだけでなく、具体的な対策(Aciton)を決め、その場で次回の計画(Plan)へと落とし込む —— まさに、PDCAサイクルのお手本です。
Point!
BYARDなら、既存のストリーム(=業務プロセス)からテンプレートを作ることができ、それを利用して次のストリームを作成することが可能です。前回の気付きが反映され、ブラッシュアップされた状態から、次回の業務を開始することができるのです。
振り返りの具体例
会議の中で特に印象的だった振り返りの具体例をご紹介します。
工数が掛かりそうな部分を予想する
今回やってみて工数が掛かっていた部分は同様の状況が発生する可能性が高いので、次回注意すべきポイントであると、メンバー同士が事前に目線合わせをしておく。
無くせるものは無くす
当初の予定では「3次チェック」までやる予定だったが、実際にやってみて「不要」と判断した。それをふまえ、次回のストリームからも削除。
「できなかった」ことも重要な記録
計画していたが、今回は十分な手が回らなかった部分。こういったことも記録に残っていることで、改善のための重要なデータとなる。
振り返る。だから強くなる
日常的に繰り返し行っているルーティン業務は体に染みついているので、極端に言えば、何も見なくても業務を行うことができます。
しかし、年末調整のように「たまにしか発生しない」業務の場合、間が空いてしまうからこそ記憶があいまいになりますし、当時の資料やメール・チャットの履歴を探すのにも手間がかかります。
BYARDを使えば、ストリーム(=実際の業務の流れ)のうえで進捗管理を行うことができ、業務とひもづけて記録を残せます。そして、気付きを生かしてストリームをブラッシュアップすることで、次回の業務を効率化するという改善するサイクルを自然に回すことができます。
「BYARDは振り返りに最適なツールだった」
SmartHRのご担当者の方からは、こんな嬉しいお言葉もいただきました。
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社会人大学院が、MBA課程に通うさまざまな年齢・性別・職位のビジネスパーソン 32 名に行った調査によると、成果を出している人たちの共通点として、取り組んだことを客観的に振り返る時間を持っているのだそうです。(出典:志を育てる|東洋経済新報社|2011 年)
大きな仕事が終わると、疲れ果てて気が抜けてしまい、つい振り返りをおろそかにしてしまいがちですが、そこでもう一踏ん張りして振り返りまでやり切ることが、強いチームを作る秘訣なのかもしれません。
BYARDを使って、振り返りに最適な業務管理をしてみませんか?
BYARDでは、ツールを導入いただいた後はカスタマーサクセス・チームがサポートに入り、お客様ごとに業務の整理や棚卸し、ストリームの構築や実業務への定着まで、しっかりと伴走させていただきます。振り返りへの活用だけでなく、
というお悩みをお持ちの方は、ぜひ以下のページよりご相談ください。
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