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Googleフォト、写真のなかに写らないあの時間は記憶になってゆく。
スマホとか持ってしまうと、写すという
ことの負荷がほとんどないので
ひたすら撮ってしまうようなところが
あるけれど。
これはほんとうに、素人なんだろうなって
思う。
反射神経的に撮ってしまう。
記録と記憶をアプリに頼ってしまう。
そうやってわたしにも莫大なフォトライブラリが増えてしまって。
整理するつもりで、削除する画像をみつけようと。
なにげなく検索ボックスでそれをやってみることにした。
断捨離フォト編ぐらいのつもりで。
確かにその時は、思っていたのだ。
例えばごはん。
誰かと一緒に行ったごはんは、あまり消せない。
とくに女友達とご飯食べた時などは、その時の会話とかも、ごはんやパンやシチューやオムレツのなかの向こう側にそれが潜んでいたりする。
この時バーテンダーさんにメニュー聞いたんだよねとか。
ふわふわしてますか?
大きさどれぐらいですか?
これぐらいですってイケメンさんが、これぐらいって必死に手をひろげて教えてくれて。
正直わからなかったのだけど。
その仕草が可愛くて、オーダーしてしまった。
可愛い男子には最近めっぽう弱い。
食べられなかったらどうする?
チャレンジする?
その時は半分こにすればいいか?
とか。
本屋さんでかわいいスタンプみつけたんだよ。とか。
あの本読んだけどいまいちわからなかった
とか。
あの時のあの言葉ね、なんでかなって。
とか心のなかのこともそこに取り出して話したりする。
彼女と言った丸の内の本屋さんのビルの中の
カフェのことを思い出す。
だから食事の写真を仮に消してしまうと。
どこかその時の会話までも、なかったことにしてしまうみたいになる。
それはぽっかりしてしまって嫌なので、消さずに置いてある。
ちなみに男の人と行った時などは、彼らはスマホをテーブルの上に出しておくことはしない。
食べたものを撮る男性はわたしのまわりでは
あまりいなかった。
じゃあ、何を消そうかなって思って。
検索ボックスに入れる言葉を探していた。
わかっていたけど、「自然」とか入れてしまうと風景の写真がたんまりヒットする。
これもこれはこれで、消せないよねって思う。
ひとりじゃない時もあるから。
その写真の写らない場所に誰かがいるから。
その人も一緒に消すのはよくないとか思って
しまって、躊躇する。
嫌いな人と行った場所なら消すんだろうけど。
それで、わたしは言葉がみつからないまま。
ほんとうは、Liveに行った時の「藤井風」を
探したくて、藤井とは入れずになぜか
「風」と検索ボックスを埋めていた。
「風」で藤井風が出てくると思っていたわけでもないのだけど。
しばらくしてから、そこにヒットしていたのは。
彼じゃなくて空の写真だった。
「風」と入れてみたら、海や空の画像が
もれなくそこにあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1716816031682-ZluYcoFdyj.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716816076255-bVNjpwIp0T.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716817108662-kPJAQ7iyuR.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716817025706-QOiYHzLGdn.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716816145317-JrGvIbhkIJ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716816164137-6tYqyxyvtB.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716816177557-ovNM8ZNPoO.jpg?width=800)
これらの写真をみながら。
「風」だよ。
わたしは「風」と入れたんだよって。
ばぐってたんやなって思いかけて。
ちょっと首筋のあたりがぞわぞわした。
「風」って入れてこれは、なん?
みえないのにって思ったせつな。
わかった。
海の中には見えない風がそこにあるから
さざ波が立つのだし。
空の雲たちも「風」があるからうごめく。
だから「風」なのかって。
そして思わずツイートしていた。
Googleフォトで「風」と検索すると、雲の写真がヒットするところなんか、好きです。
— ゼロの紙/絵本『どこかでだれかが』発売中 (@zeronokamides) May 24, 2024
答えは風が知っている。#空 pic.twitter.com/S9kuE6E5cq
その時、素敵なお写真を撮られている
フォロワーさんが、
雲と、水と、木で風が「見え」ますものね。
と書いてくださって。
そうなんですよ、と鳥肌が立っていた。
Google先生のことちょっとなんていうか
めちゃくちゃ即物的だと思ってたし。
こんなふうに思いがけなく抒情的な
答えをもらうと、違うアングルでその
魅力を知ってしまったみたいで、
予定調和がくるってしまって困るのだ。
そしてすきだなーGoogleフォトって思っていた。
何気ない話だけど。
わたしの気持ちは風に吹かれて心地いいと
感じたあの感覚をまとっているようだった。
デジタルの中の温かさに触れて、すこしだけ
スマホで撮る写真のことを大切に感じたいと
思っていた。
いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊