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42.医療的な薬と、ことばの薬。どちらも大切。

発熱していた。学校の授業はだんだんついていけるようになってるし、アンジーの毎日はフル稼働で充実している。
なのに、この日はどうやっても頭が痛く、全身の悪寒が止まらなかった。

私は3日前から体調不良になっていた。
普段は薬も飲まない派だったけど、学校は行きたかったのでイギリスの薬局BOOTSで熱さましを買って学校に行っていた。薬が効いている間は、体が動いた。イギリスは薬がめちゃくちゃ安値で買える。けど、なんかパッケージをみていかにも効きそうなLEMSIPを一箱買った。一粒が特大サイズで赤と緑のクリスマスカラーなカプセルを飲む。一錠で約6時間は平常心を保てた。

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けど体調不良3日目で、ついに限界がきた。
薬を飲もうとしても、水さえ飲む気がしない。朝、意地になって学校にいく身支度まで出来たのに、いざ出発の時間になると立てなくなってしまった。
家のベッドに横たわって、天井がぐるぐる回るのをみていた。

乗らなきゃ間に合わないバスは行ってしまった。


ハウスマザーは私はとっくに学校に行っていて、私の部屋は無人だと思っている。

私も動けなかったので「学校休んでます・ここにいるよ」アピールすることもできず部屋でじっとぐるぐる回る天井をみていた。

いつの間にか寝落ちして、お昼過ぎに目が覚めた。頭がガンガンして寒気がする。と、その時、日本の友達からLINEのボイスメッセージが来た。
暖かい言葉で埋められて、美しい詩が添えられてきたメッセージ。大泣きしてしまった。

仁義

たった一度の人生を
世間の顔色うかがって やりたいこともやらないで 死んでいく事の口惜しさ
どうせもらった命なら
ひと花咲かせて散っていく 桜の花の潔さ

一度散っても翌年に
みごとに咲いて満開の 花の命の素晴らしさ
ひと花どころか百花も 咲いて咲いてさきまくる
上で見ている神様よ

私のみごとな生きざまを すみからすみまで ごらんあれ

以上

作・斎藤一人


今これを読んでいる、あなたにもぜひ声に出して読んでみて欲しい。

言葉が音になったとたん、音の振動が空気を変える。そして、その振動は心を揺さぶる振動になる。

聞いた途端に涙が溢れた。
久しぶりに聞く日本語、大好きな日本語。

あたたかくて、愛に溢れてた。


9月、私は日本に帰国するから、帰国したらこうやって応援してくれた人のもとへ直接会いに行こう。と心に決めた。

翌日、私は体調がすっかりよくなっていた。


プロポーズまであと483日


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