移住日記を毎日書いていたらドイツから連絡がきた。その後⑩
3月はとてもいそがしく、なかなか書きたい記事が書けなかったので遅ればせながら綴っている。
ドイツのベルリン自由大学から文化人類学の研究の一環として、豊前市に地方移住の研究に滞在している研究生チェチリアさん。
彼女との最後のランチとお出かけが終わり、豊前市から長崎県の波佐見町に出発するという日を迎えた。
豊前市役所に立ち寄って、関わりがあった職員の方に別れのご挨拶をして記念撮影。
今まで撮っていた写真が彼女の研究にいつか役に立てば嬉しいが、役に立たなくても彼女やその家族が振り返る写真になればいい。
当事者は目の前のことをこなすだけで精一杯のはずだから。
例えばイベント主催者たちは、イベントが終わってから「自分たちの写真撮ってなかった…」と気付くことが多いものだ。
大都市のような観光化が進んでいない日本の地方都市で、外国人が小さな子どもを連れて、ほぼ自力で滞在先を探して過ごすこと。
日本語が堪能であっても、慣れない土地の知らない人たちとゼロから人間関係を作っていくこと。
コロナの影響もあり、住環境も古民家が多く寒い季節であったし、条件的にもとても大変だったことだろう。
「大変でしたけど、素晴らしい体験ができました!」と言っていたチェチリアさん。
地方移住2年生の自分よりも、たくさんの豊前の人たちと仲良くなっていた。
それはチェチリアさんの能力であり、人柄の結果だ。
波佐見町でもどうか、よい出会いに恵まれますように。
チェチリアさん家族を豊前市役所の前で撮影したら、とうとうお別れの時。
「あれ、その傘って」
車を見ると、求菩提資料館で買い物のオマケにもらっていた、紙とつまようじで作られた傘の小物が飾られていた。
「そうです、あの傘!」
作った人にもしも会えたら伝えておこう。
もしかしたらお雛様と同じく海を越えるかもしれないと。
チェチリアさんは波佐見町に滞在した後、ヨーロッパに帰る前にまた豊前市に立ち寄るらしい。
それまで数ヶ月はあるから次に会う時までに少しは英語でも勉強してみようかな、なんて気持ちが湧き出していた。
ありがとう、チェチリアさん、Rくん、Fさん。
また会いましょう。
彼女が教えてくれたのは”Let's see you soon!”だったろうか。
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