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移住日記を毎日書いていたらドイツから連絡がきた。その後⑨

3月はとてもいそがしく、なかなか書きたい記事が書けなかったので遅ればせながら綴っていく。

3月の第二週、ベルリン自由大学の研究生であるチェチリアさん(日本語堪能)の豊前市滞在終了間際、とても多忙ななか、最後に神社とランチをご一緒することとなった。

近場でまだ行っていないところといえば「大富神社」。

大富神社は豊前市の中でも大きな神社であり、感応楽で有名だ。

大富神社では春の「神幸祭(じんこうさい)」、夏の「名越祭(なこしさい)」、秋の「御供揃(ごくぞれえ)祭」と三つの大祭があり、
中でも最も規模の大きいものが春の神幸祭です。
この神幸祭(八屋祇園)の時に隔年で奉納されるのが「感応楽」です。
楽を打って天地と感応するとされるため「天地感応楽」や豊前国を代表する楽として「国楽」とも呼ばれています。

豊前市公式ホームページから引用

感応楽は昨年『風流踊(ふりゅうおどり)』としてユネスコ無形文化遺産にも登録された。

チェチリアさんが豊前市にやってきた初日、ちょうど催されていたイベントで感応楽を見せることもできた。▼

豊前市の古社「大富神社」へ

この日はチェチリアさんの子供も一緒。
「初めて会った時より大きくなりましたね」「でしょう!」と話しながら散策。

子供は池が好きで魚が好き。
チェチリアさんは石の祠が気になるよう。

「素敵!これは何ですか?」
「鞠(まり)ですね」
「どうやって作るんですか?」
「えっ…知らないですね。たしかにどうやって作るんだろう?」

鞠の作り方なんて考えたことがなかったなー。

「このお花も綺麗ですね、何でしょう?」
「…たぶん梅ですねぇ。うちの庭に咲いているのと同じ形のような…」

なんとも心もとないガイドである。

「天狗?!」

「これは豊前の神楽の鬼の面で、猿田彦大神だと大富神社公式インスタグラムで説明されていました」

猿田彦大神は日本神話に登場する神。
道ひらきの神と言われ、境界の守り神でもあるらしい。
ここでは聖域を守っているそうだ。

本殿の屋根の近くには亀。
玄武だろうか。

神社内には小さな社もある。
養蚕業の神様と伝えたら「面白い!色々な神様がいますね。この木は機織りの?!」とチェチリアさんは驚いていた。

保食神を御祭神とし、蚕の神様としてお祀りされたお社です。
かつての日本の主要産業であった養蚕業をお守りしてきた神様で、大富神社と同じく富の神様です。

大富神社公式ホームページから引用

神社の奥へ進むと石畳からガラッと雰囲気が変わる。
この先には「勅使井」といって天皇から宇佐神宮へ遣わされた「勅使」に水を提供したという井戸が今なお残り、使われているという。

「すごいですね!今でも。豊前には色々ある!」

「素敵な雰囲気…伊勢神宮に行った時にもこんな場所がありました」

猿田彦大神の石碑まで案内。
「ここから結界?」
何も説明書きがなかったけど、大事な場所なのだろうか。

ラストラーメンは豊前の町中華の名店「酒楽亭」

神社を散策した後は、ラーメン好きなチェチリアさんを豊前市の町中華の名店「酒楽亭」にお連れした。

大好きな中華そば

「とても美味しい!ラーメンもチャーハンも」と喜んでくれた。

「中華そば」と「チャーハン」はこのお店の人気メニューで、私も豊前に来てから何度も来ている。

チェチリアさんはてっきり豚骨ラーメン好きかと思っていたら「ラーメンは何でも好きです!」

お子さんも「パスター!」ともっと食べたかった様子。

気に入ってくれてよかった。

おわりに

これが最後にご一緒できたショートトリップだ。

史跡+ランチ(麺類)が定番コース。

史跡や神社仏閣はこの辺りには沢山あったので、まだまだお連れできなかったところがある。

私もチェチリアさんも「よそもの」で、豊前の人から度々「よく来たね!ここには何もないでしょ」と言われてきた。

そのたび私と彼女は「こんなに『ある』」と言っていた。

もっと一緒に行きたかったほど。


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