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来日したオリンピック選手も英語が苦手だった。

今年、オリンピックのボランティアを経験したのだが、その中でオリンピック選手に挨拶や声掛けをする機会が何度かあった。私が関わったのは英語圏ではない国の選手たちだった。彼らに英語で「How are you?」と話しかけて何度スルーされたことか。そう、海外からやって来たオリンピック選手たちも別に皆が皆英語ができるわけでもなければ、英語が得意なわけでもなかったのだ。

オリンピック選手団には必ず「リエゾン」というスタッフが帯同している。リエゾンはその国の監督やコーチと我々大会ボランティアやスタッフとの間を取り持つ役割を担っているので、リエゾンはその選手団の国の言語か英語、そして日本語を話せなければならない。コーチや選手の要望を聞き、大会スタッフに伝えたり、コミュニケーションを手伝ってくれるのだ。そして、ある日私達が選手たちにまた英語で挨拶や声掛けをしていると、リエゾンが言った。

「選手たちはほぼ英語は出来ませんので、英語で話しかけても答えが返ってこないかもしれません。英語ができないのは、日本人が英語ができないのと同じ理由です。ただ、英語が話せないのです。」

そりゃそうだ、と私は素直に思った。彼らだって英語は勉強しなければ話せるようにはならない。私達日本人と同じだ。むやみに英語で話しかけるより、日本語で話しかけた方がまだ良かったのかもしれない。

しかし、そんな中にもやはり英語ができる選手はちらほらいたし、英語が話せない選手達だったが、彼らにとって異国の監督やコーチによる英語での指導や指示をしっかり理解しているように見受けられた。もし英語ができない日本人選手達が英語で監督から指示されたら、理解できるだろうか?と考えてしまった。うーーーーん、外国人選手達がどれほど英語を理解しているのか、とても興味深く思った。

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英語は世界の共通言語、的なことを言われているがまだまだ英語は日本人には遠い存在な気がしてならない。私は密かに思っていた。「東京オリンピックが開催され、海外から日本に来た大勢の人達はどれだけ日本人が英語を話せないかを知り驚くのではないだろうか?ここは、TOKYOなのに!」と。

この先、当分オリンピックは日本で開催されることはないだろう。けれど次に開催される事がになり、そしてその時にはもう英会話を軽やかにこなす日本になったとしたら私は感動に打ち震えるだろう。その頃私は生きていないだろうけれど、英語を愛する私はそんな時代の日本を見てみたいと思っている。

優しい日本人が話す日本人らしい英会話が生まれ、世界の人達はその美しい言葉遣いに感動する。日本人のおもてなしと、日本人が話す優しい英語。そんな妄想をボランティア活動中に私はしていた。

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