恋愛体質

【現代日本昔ばなし14】恋愛体質の女

 むかしむかし、あるところに、れんあい たいしつの おんなが いました。
れんあい たいしつの おんなは、ふだんから、
「わたしって、れんあい たいしつの ひと じゃん?れんあい しないと いきて いけない じゃん?」
と いっていました。
もちろん、れんあい なんて しなくても、とうぜん いきて いけます。

しかし、れんあいたいしつの おんなは、れんあいたいしつだと おもいこんでいるので、そんなことは しりません。

 あるとき、れんあいたいしつの おんなが、おとこを あさろうと、くらぶに いくと、
「れんあいたいしつの かたは、ごえんりょ ください。」
という、かみが はられて いました。

「ああ、わたしは、ここに もう はいれない。なぜなら、わたしは れんあいたいしつ なんだから。くらぶ なしで、どうやって れんあい しろと いうの。しんだほうが まし だわ。」

 れんあいたいしつの おんなが とほうに くれていると、そこに ひとりの おとこが あらわれました。

「おじょうさん、どうしたんだい。」

おとこは、たずねました。

「ほっといて。わたしは れんあいたしつ なのに、 もう、れんあいが できないの。」

れんあいたしつの おんなは、なげきました。

「くらぶ なんか いかなくても、れんあい なんて、いくらでも できるさ。」

おとこは、いいました。

「そんな、まほう みたいなこと、あるのかしら。」

れんあいたしつの おんなは、ききかえしました。

「これを、つかいなさい。」

おとこが、とりだしたのは、1だいの すまーとふぉん でした。

れんあいたしつの おんなが、それを つかうと、どうでしょう、しんじられないほど たくさんの きゅいあいの めーるが、くるでは ありませんか。

「すごいわ。これで、れんあいが できるわ。」

おんなは、よろこびました。

おとこは、いいました。

「そうだとも。すきなだけ れんあいを するがいい。でも、いいかい、1つだけ るーるを まもらなければ ならないよ。きみが やっていいのは、めーるの やりとりだけだ。けっして、あっては いけないよ。」

おとこは、つづけます。

「あいてに、おもわせぶりの めーるを うって、ぽいんとを つかわせるんだ。ながびかせて たくさん つかわせるんだ。そうすれば、きみにも たいきんが ながれてくるからね。」

「わかったわ。」

れんあいたいしつの おんなは、じっさいに あったら どうなるか、とても きになりました。

そこで、その しつもんを しようと しました。

が、そのとき、おとこの くびの したあたりから、それはそれは りっぱな ほりものが はいっているのに きづきました。

「やっぱり、しにたくは ないわ。」

びびって しまった おんなは、なにも いわず、であいけい さいとの さくら として、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。

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