便所童子

【現代日本昔ばなし 12】便所童子

 むかしむかし、あるところに、こうきょう しせつの しせつちょうが いました。

しせつちょうの かんりする しせつは、ちいきでも ひょうばんが わるい しせつでした。

なぜなら、このちいきは、まなーの わるい ろうじんや ふりょうが、はびこっていたからです。

 しせつちょうは、しせつの ひょうばんを よくしたいと、たくさんいる「しんじゅくの はは」とよばれる うらないし みたいな ひとの うちのひとりに、そうだんに いきました。

すると、その「しんじゅくのはは」とよばれている おんなは

「しせつの ひょうばんを あげるには、まず、といれを きれいに することだ」

と、だれでも しっている ような ことを いってきました。

しせつちょうは、すうせんえんも おかねを だして そうだんしたので、いちおう しんじて、しせつの といれを きれいに することに しました。

 しかし、どれだけ といれを きれいに しても、すぐに よごされて しまいます。

どうやったら、こんなに べんきから はずして ようを たせるのか、また、なんで こんな すぴーどで といれっと ぺーぱーが なくなってしまうのか、しせつちょうは ふしぎで しょうがありません。

しせつちょうは、おもいました。

「これは、れいてきな なにかが ついているに ちがいない。」

すぐに、「てれびで みたこと あるから だいじょうぶ」という あんいな かんがえで、あやしげな れいばいしに おねがいしました。

すると、れいばいしは

「これは、べんじょわらしの しわざじゃ。べんじょわらしは しせつに こううんを もたらす。そのまま、すきに させなさい。さらに、こううんを よぶには この つぼを 50まんえんで かいなさい。いまなら 10ぱーせんと おふに しておくぞい。」

といいました。しせつちょうが、つぼを かうか まよっていると

「もし、ともだちも このつぼを かってくれたら、あなたにも 10ぱーせんと ぺいばっくするぞい。」

という、ありがたい おことばを いただいたので、かうことに しました。

 さっそく、しせつちょうは、ありがたい つぼを、といれに せっちしました。

つぎのひには、わられて いました。

「これは、ありがたい。べんじょわらしが、つぼに きづいたのだ。ああ、めでたい めでたい。」

 しせつちょうは、そのひ いらい、しせつを おとずれる ひとびとに つぼを すすめ つづけました。

「あのしせつちょうは やばい。」

うわさは すぐに ひろがり、だれも しせつを おとずれなく なりました。

すると、どうでしょう。しせつが どんどん きれいに なっていくでは ありませんか。

「べんじょわらしさま ありがたい。」

 しせつちょうは、おかねも ともだちも なくしましたが、しあわせに くらしましたとさ。

めでたし めでたし。

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