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部落ディアスポラとは

「ディアスポラ(Diaspora)」とは、分散した人々を表します。「部落」とは、日本において過去に差別をされてきた歴史のある地域のことを指します。部落+ディアスポラとは、「部落にルーツを持っているけれど、部落で生活したことのない離散状態にある人たち」を定義する言葉です。

かつて、差別されていた地域とそこに住む人は一致していました。しかし、自分の意志で住む場所を決めることが多い現代では、親世代や祖父母は部落で生まれていても自分は違うといった人が実際には多く存在します。もしかすると、部落ルーツを持つ人の数は、大都市圏など地域によっては、部落内よりも部落外の方が多いのかもしれません。

そんな状況下で、部落差別解消を目的とした人権啓発は、誰に向けて情報発信されるべきなのかが課題となってきています。部落内で育った人たちは、そのコミュニティでの勉強会などを通して差別に立ち向かう心や姿勢を身につけてきたかもしれません。一方で、部落外で生まれ育った部落にルーツを持つ人たちはどうでしょうか。自分とは何者なのかをよく理解するきっかけもなく、マイノリティ性を抱え込んでいるのではないでしょうか。また、「部落」と聞いたときにどのように受け取るのでしょう。部落に住んだ経験はないけれど無関係でもないことから、「自分は当事者と言えるのか」という疑問に少なからずぶつかるのではないでしょうか。

部落ルーツを持ちながら部落外で生きる、そんな「半当事者」たちが、何を考え、どう今を生きているのかを共有することで、新しいアイデンティティとネットワーク形成を試みたくて「部落ディアスポラ研究会」を立ち上げました。

多数派として生きてきた中でも、自らにマイノリティ性を感じることで、悩みや苦しみを抱えた経験があるかもしれません。部落外で生まれ育ったことで人権教育や解放運動と接点を持たずに生活してきた人も少なくないと思います。そんな境遇の人たちが、疑問、悩みなどを共有し、互いを分かり合うためのつながりづくりができれば幸いです。

現在、一緒に活動してくださるメンバーを募集中です。ご興味のある方は、 burakudiaspora@gmail.com までご連絡ください。

(※誹謗中傷、攻撃的な内容の書き込みはお断りいたします。)

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