部落ディアスポラ研究会

部落にルーツを持つけれど、部落外で生まれ育った人たちのネットワークとコミュニティづくり…

部落ディアスポラ研究会

部落にルーツを持つけれど、部落外で生まれ育った人たちのネットワークとコミュニティづくりを目的に活動しています。 noteでは日記形式で日々の気づきを投稿します。 このほか、HP(http://dot-to-dot.org)も運営しています。

最近の記事

語らいの場がほしい

「部落ディアスポラ研究会」を立ち上げて1年になるけれど、実はほとんど連絡がない。知り合いの研究者には、「誰が運営者か分からないからじゃない?」と突っ込まれた。 全くそのとおりと思う。 部落について語り合う安全な場所って、案外ない気がしている。 関東では今のところ、聞いたことがない(知らないだけかもしれない)。 安全性が担保された自由に語り合える場所がつくれたら・・・と思うのだけれど、どんな形態ならそれが可能だろうか。 コロナの状況があったので、オンラインで「語り合いの会」で

    • 「生き直す」ということ

      もう亡くなってしまったが、すごく近しい人で、身体に障害がある女性がいた。 彼女は、夫を亡くした後に事故で障害を負ったというが、自分に障害があることを受け入れず、持っていた障害者手帳を決して見せることはなかった。 人との接触も、できるだけ避けて生活していた。 亡くなるとき、身体の障害のある部分を折りたたんで、隠すように亡くなった。 死ぬほどしんどい思いをしたに違いないと、彼女の顔を時々思い出す。 他人の身体的特徴について、私たちは、ああだこうだと言ってしまう。 あの人は顔が整

      • 西日本レーダーと部落ディアスポラ

        なぜ部落ディアスポラとして名乗るのか、その意味についてお話ししたい。 「部落にルーツを持つという括りで十分なのでは」と、多くの方は思われるかもしれない。 でも、土地に由来するはずの部落アイデンティティが、その土地を離れた後でも心を捉えることを証明するために、部落ディアスポラという考え方はあってもいいのではないかと考えている。 部落ディアスポラを名乗ることで、今までの運動の流れを止めることや、新しい政治主体として立ち上がろうなんていう意図はない。 むしろ、部落にルーツを持つ

        • 「何分の1」分のアンデンティティ?

          時々考えることがある。 何分の1までが血縁があると「部落出身」と呼べるのか。 考えの整理のために、少し書いてみたい。 まず、一つ目にこんな定義を考えてみる。 「One drop rule:アメリカの奴隷制度時代に始まった考え方の通称で,少しでも黒人の血が混じっていれば黒人と見なす」(出典元:imidas) これを参考にすると、片方の親が「部落出身」はもちろん、祖父母、曾祖父母のどちらかでも見なされることになる。 初めてこの定義を見たとき、それなりにショッキングに思えた。

        語らいの場がほしい

          部落「問題」って名前について

          サイトを立ち上げてから随分久しぶりの投稿です。 最近思うことを書きます。 部落をテーマにした本や資料は、ほとんどが「部落問題」「同和問題」といったかたちで、「問題」として語られることが多いですよね。 なんだか、この名前をやめたらどうかと思うんです。 確かに、ずっと社会問題ではありました。でも、「●●問題を考えましょう」って言われると、なんか身構えませんか?これは部落に限ったことではないと思います。人権問題、難民問題、女性問題・・・最後のは、もはやスキャンダルです。

          部落「問題」って名前について

          部落ディアスポラとは

          「ディアスポラ(Diaspora)」とは、分散した人々を表します。「部落」とは、日本において過去に差別をされてきた歴史のある地域のことを指します。部落+ディアスポラとは、「部落にルーツを持っているけれど、部落で生活したことのない離散状態にある人たち」を定義する言葉です。 かつて、差別されていた地域とそこに住む人は一致していました。しかし、自分の意志で住む場所を決めることが多い現代では、親世代や祖父母は部落で生まれていても自分は違うといった人が実際には多く存在します。もしかす

          部落ディアスポラとは