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迫真の「報告」

報告とは、関係者などに状況や結果を知らせること。簡潔にまとめられることが多いですが、時には、状況が詳細につづられた迫真の報告もあります。報告者は、どんな思いでそれを書き上げたのでしょうか。                                                


報告書から読み取れる様々な思い

「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」(2021年5月26日)には、85例が報告されています。

厚生労働省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) > 第60回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料(5月26日)> 資料1-3 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要

事務的な報告書ではありますが、一覧(別紙1)の後に続く「別紙2」には、遺族や報告者の思いが垣間見えます。

事例24 44歳女性 「コミナティ筋注」接種
基礎疾患等:無
死 因 等:くも膜下出血
令和3年4月 21 日に本剤を接種。予診においては、特に持病や治療を受けている等のエピソードはなし。接種当日は勤務なし。翌 22 日遅出勤務(午前9時 30 分~午後 18 時 30 分)。4月 23 日は夜勤勤務(23 日午後 16 時 01 分出勤~24 日午前8時 31 分退勤)。家族によれば、25 日午前0時頃に接種医療機関とは別の勤務先の倉庫で倒れているところを発見され、直ちに接種医療機関とは別の医療機関に搬送されたが、くも膜下出血で危篤状態となり、気管挿管された。同日死亡した、とのことであった。

ワクチン接種との因果関係(報告者の評価):評価不能
報告者意見:(略)通常勤務も問題なしではあったが、最近まで母親が入院していた事と、アルバイトをしていた事実を考慮すると、体にそれなりの負担があったのではないかと推測する。くも膜下出血との因果関係は不明だが、日本で起きている数例の死亡事例のように接種後3日~4日に脳出血を起こしている事例から見ると、ワクチン接種が体の負担をさらに助長した可能性は否定できないと考察する。

報告者の評価としては、ワクチン接種との因果関係は「評価不能」としていますが、その一言では表せない何かを感じていたのだと思います。だから、報告者の「評価」ではなく「意見」として、このように書かずにはいられなかったのではないでしょうか。

衝撃的な報告

新たに追加されていた報告の中に、因果関係は「評価不能」ではあるものの、衝撃的な事例がありました。経過が詳細に記されているので、報告者としてもよほど衝撃的だったのではないかと思われます。

事例46 25歳男性 「コミナティ筋注」接種
基礎疾患等 :無
死 因 等:精神異常、自殺
病院内で、医薬品(KCL)を無断で持ちだしている行為を発見され暴れ、取り押さえられる事件があった。精神科診察により、妄想状態、精神障害と診断され、精神科病院へ家族が乗用車で搬送中に、家族の制止を振り切り飛び降り死亡するに至った。これまで精神疾患の既往はなく、通常に勤務。この行為の4日前(金曜日)に新型コロナワクチン(ファイザー)接種を受けている。土、日の行動は不詳であるが、38 度の発熱はあったらしい。前日 26 日(月)は37.1 度の発熱あり、休息指示を受けた。事象発生日当日(火)も 37.9 度の発熱あり。ワクチン接種が誘因となった疑いを否定できず報告するもの。

ここまでが概要です。この後さらに、当日の経過が詳細につづられています。とても長く、関係者以外にはわかりにくい部分があるので、以下、一部を抜き出し編集しました。気になった方は、厚労省のサイトから原文を読んでみてください。

追記:2021年7月17日
厚労省のサイトで公開されている報告が、書き換えられていることがわかりました。症例46は、なぜか詳細が削除されています。

4月 27 日(火)
朝出勤している報告を上司が受ける。36.2°C。
体調を考慮し、シフトを変え普段の担当とは異なる業務へ変更していた。
上司:大丈夫か?(病み上がりのため体調確認)
被接種者から返答あり。 愛想はないがいつもの淡々としている印象で、具合が悪そうではなかった。顔色が悪いこともない。

出勤時は、気になることはなかったようです。その後、薬局の職員とのやりとりでは、会話が成り立っていませんでした。そして、医薬品を持ち出して、不審者と間違われるトラブルが起きます。

10:00
被接種者の上司へ連絡が入る。「不審者を捕まえた。そちらの部署の職員と言っているので確認してください。」と現場へ要請。 バックヤードで大勢に囲まれて、手を拘束されていた。顔を確認するが、表情なく、ボーッとして、ブツブツ言っており聞き取れない。1回見ても本人とはわからないくらい表情が違っていた

その後、精神科医師の診察を受けます。このとき体温は、37.9℃。迎えに来たご家族は、「ワクチン接種後、様子がおかしくなった」と話していました。精神科病院への入院をすすめられ、ご家族と車で移動します。

母:土日からおかしな症状になった。友人と食後電話が来て、めまい、手のしびれが出て、アパートに帰るはずが実家に帰ってきた

そして、車で移動中に悲劇が起きます。

16:15
本人、両親とともに歩いて駐車場へ移動。救外師長より、父親が運転されること、母親が息子と一緒に乗ることを確認される。そばについていてください、と母親に声をかけた。

17:00 過ぎ
事務長へ母親から電話が入る。高速道路で車から飛び降り、後続車に引かれ、救急車で病院に向かっている、と。父親現場検証中。

21:30 死亡されたとのこと。

医療従事者として普通に働いていた人が、ワクチン接種後にこのような状態になったという、とても衝撃的な報告でした。

ワクチン接種との因果関係は「評価不能」となっていますが、「誘因となった可能性はある」と報告者は考えています。

ワクチン接種との因果関係(報告者の評価): 評価不能
報告者意見:ワクチン接種が誘因となった可能性あり
他要因の可能性の有無:有(幼小児時に発熱で異常行動が一回あった。)


類似の報告

類似の報告がないか、調べてみました。以下、医療機関からの報告より。

幻覚 医療機関報告

精神要害 医療機関報告

厚生労働省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) > 第60回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料(2021年5月26日)>資料1-1-1 予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について 

「MSDマニュアル家庭版」には、「解離症(解離性障害)の人は数分間、数時間、ときにもっと長期間にわたって、自分が行った活動を完全に忘れることがあります」と書かれています。そして、「解離症は通常、圧倒的なストレスやトラウマが引き金となって発症します」とのこと。

ワクチン接種が、「圧倒的なストレス」になっている可能性はないのでしょうか? Vol.4で紹介した事例で、「頭の血管がドクンドクンといって破裂するかと思った」という報告を思い出します。体の中で、これほど強烈なことが起きるなんて、多くの人は経験したことがないと思います。

報告者からの注意喚起

事例40 53歳女性 「コミナティ筋注」接種 2回目
基礎疾患等:上部食道癌既往、詳細不明、定期フォロー中
死 因 等:自殺(縊死)

令和3年3月 24 日、当院にて1回目の接種。接種後特に症状なし。4月 14 日、2回目の接種。接種後 30 分間は安静にて経過観察を経てその日の日勤業務遂行。勤務中の体調不良の訴えはなかった。翌4月 15 日は公休日であった。4月 16 日早朝、自宅で死亡が確認された(縊死)。

ワクチン接種との因果関係(報告者の評価): 評価不能
報告者意見:新型コロナワクチン接種と自死との因果関係は不明であるが、例えばタミフルによる小児の異常行動等に類する脳・精神への影響があり得るかもしれないと考えたので、注意喚起の意味で報告した。科学的な根拠は全くない。

科学的な根拠はないけれど、注意喚起の意味で報告したとあります。Vol.9でも書きましたが、「空振り」になる可能性があるとしても、今、注意喚起しておかなければ、手遅れになるかもしれないのです。このような報告者は、貴重だと思います。