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コロナとインフルとRSVの混合ワクチンを毎年接種!?

元ワクチン接種推進担当大臣が街頭演説で「早ければ来年の秋に、インフルエンザとコロナの混合ワクチンが世の中に出てくる」と言ったそうです。まだ臨床試験中なのに、もう承認されることが決まっているかのような発言。モデルナ社のCEOは、コロナとインフルエンザとRSVとの混合ワクチンを開発して、毎年接種する流れを作ろうとしているようです。

街頭演説での発言

以下、nifty@ニュースで見つけた記事ですが、元記事は日刊スポーツです。

河野太郎氏、新型コロナ対策のワクチンについて「この秋初めて変異株対応のワクチンが出てくる」
2022年06月21日 18時50分 日刊スポーツ

参院選(22日公示、7月10日投開票)を前に、自民党の河野太郎広報本部長が21日、東京・新橋のSL広場前で街頭演説を行った。

前ワクチン担当相の河野氏は新型コロナ対策について言及。「最近よく『あと何回ワクチンを打ったらいいんだ』と聞かれるようになりました」と切り出した。高齢者や基礎疾患がある方が4回目のワクチン接種の対象となっているが、河野氏は「最初から4回目までは、同じワクチンを打って頂いております。重症化予防の効果は続きますが、感染予防の効果は割と早い内にへたってしまいます」と説明した。その上で「この秋に初めて変異株対応のワクチンが世の中に出て参ります。今流行している変異株に対する効果は、これまでのワクチンよりも強くなるはずです」と語った。

今後の対応については「もう1度国民の皆さんに打って頂くのか、あるいはリスクの高い人に5回目も打って頂くのか、専門家に決めてもらうことになります」と話した。その上で「早ければ来年の秋に、インフルエンザとコロナの混合ワクチンが世の中に出てくるはずです。1シーズンに1回打てば、それでシーズンを乗り切れるようになるはず。それを目指して開発を進めている」と述べた。

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12168-1703965/

「感染予防の効果は割と早い内にへたってしまいます」とか、「この秋に初めて変異株対応のワクチンが世の中に出て参ります」とか、さらっと書いてありますが、さらっと書いていいことではないと思います。

この秋に初めて変異株対応のワクチンがでてくるということは、今のは対応していないということです。しかも、感染予防効果は早い内にへたるようなものを、しつこくCMなどで勧めるのはなぜなのでしょうか。

そもそも、感染予防効果は評価されていないと、接種のパンフレットにも書かれていますが、それはテレビなどでは取り上げられていません。

コミナティを接種する方とそのご家族へ

さらに気になったのが「早ければ来年の秋に、インフルエンザとコロナの混合ワクチンが世の中に出てくるはずです。1シーズンに1回打てば、それでシーズンを乗り切れるようになるはず」という部分です。

この街頭演説の動画を探したのですが、見つかりませんでした。記事は日刊スポーツ以外に取り上げているのは、東スポぐらいしか見当たりません。

どうやらモデルナ社が混合ワクチンの開発を進めているようなので、事実確認をするためにモデルナ社のサイトを調べました。

「Moderna Announces Positive Interim Phase 1 Data for mRNA Flu Vaccine and Provides Program Update(December, 10, 2021)」というタイトルのリリースに、下記の記述がありました。一部を引用します。

Moderna’s Pan-Respiratory Annual Booster Vaccine

One pillar of Moderna’s product strategy is to develop a pan-respiratory annual booster vaccine,which the Company plans to continuously customize.
The Company believes that it could be first to market with a COVID + Flu + RSV booster vaccine. Moderna’s RSV vaccine candidate (mRNA-1345) demonstrated positive Phase 1 results and the Company’s Phase 2/3 study is ongoing. A pan-respiratory annual single booster vaccine to cover multiple viruses could create value for the healthcare system through compliance, convenience to the customer (one vs. three injections), and reduction in vaccine administration cost.

https://investors.modernatx.com/news/news-details/2021/Moderna-Announces-Positive-Interim-Phase-1-Data-for-mRNA-Flu-Vaccine-and-Provides-Program-Update/default.aspx

モデルナ社は、呼吸器系年1回接種のブースターワクチンの開発を戦略の柱の1つとして上げており、「COVID+インフルエンザ+RSVブースターワクチンを最初に市場に出す」と言っています。

「Pharmaceutical Technology 」という医薬品に関するニュースサイトには、「Moderna eyes combined Covid-19, flu booster by 2023」(January 18, 2022)というタイトルの記事がありました。

モデルナ社のCEO、Stéphane Bancel氏が新しいワクチン開発について語っています。

The single shot offering protection against Covid-19, flu, and the common respiratory virus RSV could be ready ahead of 2023’s winter infectious season, he announced.

https://www.pharmaceutical-technology.com/news/moderna-eyes-covid-19-flu-booster-2023/

Covid-19、インフルエンザ、呼吸器系ウイルスRSVの混合予防注射は、2023年冬の感染症シーズンに向けて準備を進めていると発表。

“Our goal is to be able to have a single annual booster so that we don’t have compliance issues where people don’t want to get two-to-three shots a winter,” Bancel said, speaking at a World Economic Forum panel session on Monday (17 January).

https://www.pharmaceutical-technology.com/news/moderna-eyes-covid-19-flu-booster-2023/

さらに、「私たちの目標は、年に一回のブースターを可能にすること」だとも言っています。つまり、毎年接種させることを目指しているのです。

The US-based company first shared plans to develop a single jab combining its Covid-19 booster with a flu shot back in September, during a presentation to investors.

https://www.pharmaceutical-technology.com/news/moderna-eyes-covid-19-flu-booster-2023/

昨年9月に投資家向け説明会で、Covid-19ブースターをインフルエンザ予防接種と組み合わせた混合ワクチンを開発する計画を初めて明らかにした、とのこと。

新型コロナワクチン接種後にあれだけの健康被害が出ているのにそれについて検証せずに、さっさと新しいワクチンの開発を始めていたとは、無責任にもほどがあります。

これらの情報から、元ワクチン担当大臣が言っていたのは、おそらくモデルナ社のワクチンのことだと思われます。

ノババックス社も、混合ワクチンの実用化を目指してるようですが、こちらは遺伝子組み換えたんぱくのワクチンで、効果を高める免疫増強剤(アジュバント)も使うとみられるとのこと。ですが、CEOが「第3相試験については、2023年のインフルシーズンに合わせて実施できるのが理想的」と語っているので、モデルナより後になりそうです。というかモデルナが早すぎで、もしモデルナの混合ワクチンが2023年の秋~冬に販売されたら、それはまた異常な早さでの承認になるでしょう。


新たなワクチンが続々誕生

下記のリリース(February, 22, 2022)によると、モデルナ社はRSVクチン(mRNA-1345)、季節性インフルエンザワクチン候補(mRNA-1010)の開発も進めています。

もう、どのワクチンもmRNAになってきています。そして、コロナのどさくさに紛れて、臨床試験の期間が短くなってきています。何度も書いていますが、これまでは新しいワクチンの開発には最低でも7年ぐらいかけていたのです。それなのに冒頭の記事で元ワクチン担当大臣は、「早ければ来年の秋に、インフルエンザとコロナの混合ワクチンが世の中に出てくるはずです」と言っています。まだ臨床試験中なのに、もう承認されることが決まっているかのようです。ヒトに接種する前の非臨床試験だって、本当はもっと時間をかける必要があるはずなのに。

また特例承認されるのでしょうか。特例承認するために、緊急事態宣言でも出すのでしょうか。この2年ほとんど話題にならなかったインフルエンザが急に流行ってきたのも、偶然なのでしょうか。

安全性を無視して、次々と新たなワクチンが市場に出ようとしているこの状況は異常です。

モデルナ社の混合ワクチンは、コロナとインフルとRSVとなっていますが、RSVは肺や呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスで、これまで、ワクチンや特定の治療法のない感染性疾患のひとつだったようです。

ところが、モデルナ社が開発を進めているほか、グラクソ・スミスクライン社が2022年下期にワクチンの承認申請を予定しているそうです。急に続々誕生するなんて、これも偶然なのでしょうか。


そして、モデルナ社の新型コロナワクチンは不人気で、たくさん廃棄されています。2022年6月4日時点で、有効期限切れによる廃棄量は合計で73万9085回分(下記参照)。

タダでもらったものではありませんよ! お金はどこから出ているのですか? 私たちの税金ですよね? こんなにお金を無駄にしているのに、元ワクチン担当大臣はモデルナとすでに約束しているかのような発言をしています。

元ワクチン担当大臣は、2021年6月24日のブログでコロナワクチンで「ADEが起きる」というのをデマの1つとして挙げていましたが、今年3月にファイザー社が提出した医薬品リスク管理計画には、重要な潜在的リスクとしてADEが書かれています(下記参照)。潜在的リスクとして書かれているということは、デマとはいえないはずです。そういったことを検証せずに、まだ承認されてもいない新しいワクチンの話をするのは、モデルナ社と同様に無責任だと思います。