![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36635917/rectangle_large_type_2_bc034b969004092d1dae6b20eee4c21f.jpg?width=1200)
スーパーや小売店、飲食店の売上32%増-ミドル・スローな音楽が効果的だゾ!という研究
さて問題です。ショッピング中に人の購買意欲を高める音楽(BGM)は、アップテンポな方がいいでしょうか?それともスローなテンポの方がいいでしょうか?
って、タイトルに答えが書いてあんじゃん。質問する意味あるの?って言われそうですね、、、
ちなみに僕は「アップテンポな方でしょ。だってテンション上がるから」って判断しました。僕の知人たち合計8人に軽く質問してみたところ、同様の判断からみんな示し合わせたかのように、アップテンポな方と答えたのですが、
これについての科学的な研究結果からいうと結論は逆。
Ronald E. Milliman (1982),"Using Background Music to Affect the Behavior of Supermarket Shoppers,"The Journal of Marketing, Vol.46, No.3, pp.86-91
上記のレポートによると、スーパーマーケットで実施した実験で、テンポのゆったりしたBGMを流した場合の方が、テンポの速いBGMを流した場合よりも、客の店舗内での移動速度が17%遅くなり、売上が38%上昇するという結果となった。
ではそれはなぜかというタネあかし。
アップテンポの音楽をBGMに流すと、確かに人間の行動意欲は高まる。がゆえに歩く速度が自然と高くなる。そうするとすでに購入を決めている商品だけを購入して、会計してしまうケースが増える。
しかしスローテンポな音楽だと、それを聴いた人の歩行速度も自然とゆっくりとなり「他に必要なモノってあったっけ?」とか、いろいろと思案を巡らせる余地が出てくるため、結果として購入商品が多くなり、お店にとっては売り上げが上がる。
ということでした。
ちなみに、これをレストランで実施した実験では、テンポのゆったりしたBGMを流した場合が同様に、上記の効果によってお客さんの食事をとる速度が自然とゆっくりしたものとなった。
そして、摂取する食事の量それ自体は変わらないものの、アルコール及びドリンク類をオーダーする頻度が増えるため、結果として売上が上がるという結果が出ています。
Ronald E. Milliman (1986),"The Influence of Background Music on the Behavior of Restaurant Patrons,"Journal of Consumer Research, Vol.13, No.2,pp.286-289
なので、小売店やスーパーマーケット、レストランなどの飲食店は、(顧客の回転率が高くなるようなビジネスモデルを基礎から構築していない限りは)極力、ミドル・スローな音楽をBGMとして流していた方が効果的だゾ。ということでした。
これ以外にも音や音楽の持つ力、それに関する研究諸々、またそれらがどんなふうにビジネスなどに活用されているのか。って話をダイジェスト的にまとめてくれている 書籍が、ミテイラー千穂さんの『サウンドパワー』です。
気になった方は是非チェックしてみてください。
(2020年10月現在)Amazon Kildleのunlimitedに登録している方なら、無料でも内容を読めます。
文化総合研究基盤 内 音楽関連の専門研究セクション
『音楽総合研究所』のYouTubeチャンネル
「チャンネル登録」をよろしくお願いします。
また、文化総合研究基盤は、サポーターを随時募集しています。お手数ではありますが、是非、下に表示されている
『気に入ったらサポート』もしくは『サポートする』をクリックして頂き、ご登録をを是非是非お願いします!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?