見出し画像

年末特別企画⑥:2023年 BEST映画トップ3『TAR/ター』『別れる決心』『市子』

2023年、劇場で見たのは43本。

その中でも複数回、劇場に足を運んだ心から好きな3作品を取り上げる。


『TAR/ター』

ケイト・ブランシェット、独壇場

監 督:トッド・フィールド
主 演:ケイト・ブランシェット

アカデミー賞発表の時からずっと見たいと思っていた1本。

冒頭のインタビューシーンの長さの果てに、どこに連れて行かれるのか興奮と期待が止まらずにスクリーンを注視していた。

音楽映画であり、ホラーであり、アバンギャルドであり、勿論今日的なハラスメントのイシューを孕んだ複雑な作品である。

主人公のリディア・ターこと、ケイト・ブランシェットが圧倒的だ。

ケイト・ブランシェット主演作で言うと、リチャード・リンクレーター(大好き)監督作『バーナデット ママは行方不明』も2023年に日本公開されたが、こちらが全然印象に残らない程に、『TAR/ター』のブランシェットは凄かった。

センシティブかつ内容も若干難しいところもあるが、是非とも見て欲しい1作。

アマプラで見れます。


『別れる決心』

監 督:パク・チャヌク
主 演:パク・ヘイル、タン・ウェイ

パク・チャヌクの新作を映画館で見られる至福の喜びよ。

画面に映るもの全てが官能的で美しい。

正直、一見では呑み込めなかったストーリーも2度3度と見ていけば理解できる。中身が分かっていれば、後はスクリーンに映るものに恍惚とするだけ。


主演女優タン・ウェイ、 ベスト・ファム・ファタール


監督の前作『お嬢さん』が好き過ぎるので、パク・チャヌクのベストとは言い難いが、十二分に堪能させていただいた。


『市子』


監 督:戸田彬弘
主 演:杉咲花
 
2023年の日本映画最高はこれ。

非常に考えさせられる内容であり日本の法制度や慣習に対する怒りを抑えられずにいられないが、鑑賞後に残るのは圧倒的な杉咲花。

あまりにも素晴らしい、杉咲花


杉咲花が、こんなにも素晴らしく凄い女優などと知らなかった。
正直、ちょっと舐めていた。

これはもう是非、見て欲しい映画で、ストーリーもミステリー調なので中身は伏す。

中盤の後半、主人公の杉咲花が決定的なあることをするシーンがある。

この時の杉咲花の黒目の奥底に沈んでいくような、果ての無い地獄に足を踏み入れるような表情が忘れられない。
普通に生きたいだけなのに、それが許されない。
そんな彼女が幸せに感じたからこそ、逃げ出さなければいけなかった現実。

2023年の暮れに観た、心に刻まれる作品。


日本映画の次点は、『わたしの見ている世界が全て』

私は兄弟が多いので、兄弟映画としても好きになってしまう


その他、好きな映画

『イニシェリン島の精霊』

『コカイン・ベア』

『ザ・キラー』


2023年も楽しかったです。
2024年も楽しみ!(『終わらない週末』『Saltburn』最高!!!)

(President TRM)



この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?