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今期冬ドラマで主演している俳優たち。


昭和の親父役は阿部サダヲ

先週の金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』も、最後までゲラゲラ笑いながら観た。とにかくネタが多すぎて。私には、「イーーーってなって」と説明する井上がツボだった。プロデューサーも「秋田では流れてません」「演歌とけん玉大好きですから」なんて、小ネタで笑わせてくるし。

そんな絶賛爆笑中でも、父親を思いやる純子のやさしさにほろりとさせられ、昭和で息子とその父親が友達になり複雑な気持ちのサカエに同情。バラエティ番組のMCズッキーは山城新伍さんとケーシー高峰さんのどっちがモデルだろうかとか、小川と渚のビリビリクラッシュは、2人が近づいてはいけないタイムパラドックス的要素があるのだろうかとか、感情が忙しかった。

が、なんといってもこの回は八嶋劇場。「前からずっとテレビに出てるような気がする人・八嶋智人」を演じる八嶋さん(笑)。ドラマの半分ぐらいが八嶋さんのシーンじゃなかった? 出演するのは分かっていたが、ここまで八嶋回になるなんて。最後には実際にやっている舞台の告知までしてしまった。ぬかりない、八嶋智人。そして「ハラハラハラ」ばっかり言って頭がパンクするプロデューサー、山本耕史さんの使い方が贅沢過ぎる。世の中、あんなにハラハラ言われたら相手に声をかけられない。

番組でリンクする昭和と令和。「自分の娘にされたら嫌なこと」と、小川父娘目線で分かりやすくハラスメントを説明するのも、さらりとしていてよかった。

次回を楽しみにして、あと数日がんばる。

冴えない病理医を演じる反町隆史

さて本題。長いので、お時間あるときにでもどうぞ。

今期のドラマの主人公は、小川のような50歳前後の男性が多く、演じる役者も40代、50代。例えば先日記事にした『グレイトギフト』で反町隆史さんが演じるのは、うだつの上がらない病理医・藤巻。佐々木蔵之介さんやツダケンさんと、周りは滑舌良好渋オジ系である。しかしこのドラマ、どうしようもなく藤巻が利用されてポンコツなので、ほんとに救いがなくなってきた。いっそのこと、右京さんを呼んできたらどうだろうか。

大病院の闇を暴く刑事役・桐谷健太

2つめは同じく病院を舞台にしているが、視点が異なるフジのドラマ『院内警察』。主人公の院内刑事・武良井は、警視庁捜査一課で活躍するエリート刑事だったが、あるできごとをきっかけに警察を辞して大病院の院内交番で働くようになる。武良井を演じるのは桐谷健太さん。いつもは熱血陽キャラ役が多い気がするが、今回はいたってクール。そんな武良井が追い詰めていく外科医・榊原役は、瀬戸康史さん。一切笑わない、ダークな瀬戸さんも珍しい。

検察審査員として奮闘するのは玉木宏

3つめはテレ東さんのドラマで、玉木宏さん主演の『ジャンヌの裁き』。玉木さんが演じる越前は少女漫画家だが、ある日検察審査員に選ばれて奮闘することになる。目の保養に(ごめんなさい)と観はじめたドラマだけど、敵対する地検特捜部長の桧山の気持ち悪さに毎回「ひーーーっ!」となっている。ちなみにこの役はココリコ田中直樹さんで、本当に腹が立つ真っ黒な権力者。なかなかのインパクトである。

クールな運び屋を演じる田辺誠一

4つめも同じくテレ東さんのドラマで、田辺誠一さん主演の『ハコビヤ』。田辺さんが演じるのは、洋食屋と運び屋の2つの顔をもつ主人公・白鳥。白鳥は物を運ぶだけでなく、依頼人の思いも運ぶ。毎回依頼人それぞれの物語があり、意外、と言ったら失礼かもしれないが、胸を打つ展開が多い。彼の相棒は、アルバイトとして入ってきた天野(影山優佳さん)。彼女にも何か秘密がある様子で、勘のいい白鳥はおそらくそれに気づいている。

価値観をアップデートする親父には原田泰造

5つめは、土曜にフジ系列で放送されているドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。古い価値観のまま生きてきた主人公・沖田が、息子の引きこもりを機に価値観や常識をアップデートしていく物語。失敗を繰り返しながら奮闘する沖田を、ネプチューン原田泰造さんが演じている。妻・美香役は富田靖子さん、息子の友達の母親役は松下由樹さん。「これって、アイコ十六歳!」と思ったあなたは、私と同じ昭和生まれですね。そう、このお二人、なんとデビュー作以来40年ぶりの共演らしい。今まで共演していなかったのが不思議で仕方ない。

父娘ドラマでは西島秀俊と木梨憲武

そして父娘のダブル主演と言えば、TBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート』と、関テレのドラマ『春になったら』。前者は、天才指揮者とその娘を西島秀俊さんと芦田愛菜さんが演じ、壊れた親子関係を修復して音楽への情熱を取り戻す(のかな?)物語。家でのマエストロ渾身のガッツポーズが、可愛くて愛しい(笑)。響の遅すぎる反抗期はいつ終わるのか? 後者は、奈緒さんと木梨憲武さんが出演。こちらは結婚を決めた娘と、余命宣告を受けた父親の物語である。

どの主演も、一線で活躍し続ける人たちばかり。そして、いい歳の取り方をしているという印象が強い。ドラマも中盤、早いものは終盤に突入した。まだまだ楽しんでいきたい。

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ところで、2月からはじまったNHKの『お別れホスピタル』について。1話目からずっしりと重く、2話目もズーン。身近な人を看取ること、自分の死が近づくこと、それぞれの死生観、さまざまなことが頭を駆け巡り、ことばにならない。金曜の夜にゲラゲラ笑って、土曜の夜にズーンとくるのがしんどくて、こちらは録画して別日に視聴することにした。


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