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異国の地で死を迎えた人を遺族の元へ届ける/配信ドラマ『エンジェルフライト-国際霊柩送還士-』

先日、フォローしている石元みとんさんのnoteで知った、「国際霊柩送還士」が主人公のドラマ。佐々涼子さんのノンフィクション小説を原作とし、3月17日からアマゾンプライムで配信されているそうだ。アマプラに加入しているのに、最近チェックしていなかった……。脚本は、古沢良太さんと香坂隆史さんの2人だという。

国際霊柩送還士とは、異国で亡くなった方をご遺族の元に送り届ける専門の人たち。こんなスペシャリストがいるのを知らなかった。

舞台は国際霊柩送還を行う会社「エンジェルハース」。主人公は米倉涼子さん演じる社長の伊沢那美で、物語は新入社員・高木凜子(松本穂香さん)の目線で進んでいく。

会長には遠藤憲一さん、社員には城田優さん、矢本悠馬さん、野呂佳代さん、徳井優さんと、エンゼルハースには個性豊かな人たちが揃う。

(以下、第1話、2話の内容を含みます)

第1話は、絶縁状態になっていた一人息子が、マニラでギャングのケンカに巻き込まれて亡くなるところからはじまる。「こんな父親、いるよね」「そりゃ、息子はこうなるよね」と思いながら視聴していたら、終盤になるにつれてさまざまなことが判明し、胸がつまる思いだった。

母と息子のやり取り、父が幼い息子に話し聞かせた昔話が回収されるシーン。ボタンの掛け違いはなかったのに、親子の愛がすれ違い、些細な誤解から大きな隔たりができてしまった。那美らによって、生前と変わらない状態で帰ってきた息子と対面し、マニラでの彼の暮らしぶりを知った両親。

「最期にきちんとお別れしなければ、きっと後悔する」

苦悩する両親を、那美が説得する言葉だ。社員の扱いは少々雑だが、仕事への向き合い方は真摯である。そして仲間には全幅の信頼を寄せている。エンジェルハースの面々は、故人の尊厳を守り、思いを掬い上げ、遺族との最期の対面をフォローする。

第2話は、テロに巻き込まれて亡くなった日本人と家族の物語。人が亡くなるのは、病気や事故ばかりではない。こうした事件によるものも。ご遺体の状態によっては、どんなに手を施しても家族との面会が憚れることもある。新入社員の凛子は、やり場のない怒りと悲しみに暮れる彼らの感情を、どのように受け止めればよいか悩む。故人と遺族に敬意をもって接する那美を目の当たりにし、凛子も成長していく。

ただ、那美がときに必要以上に熱くなるのはなぜなのか。

1話序盤から違和感を薄々感じながら観ていたら、挟み込まれた突然のシーンに「ぬおおおぉぉーーー!!」とひとり雄叫びを上げそうになった。あの……観た人なら、なぜ私が「ぬおおおぉぉーーー!」となったか、理解してくれると思う。

彼女自身が過去と向き合いながら、いや、どちらかというと向き合えないから仕事に没頭しているのかもしれない。また凜子には、母親と何やら軋轢がある様子。

現在第3話まで視聴した。第3話は、古沢さんらしい鮮やかな展開だった。今期の新ドラマが続々と始まる合間をぬって、全6話を完走したい。

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