見出し画像

やっぱり書き留めておこう、#あのキスの最終回!

桃李祭りでしたよ、今期は。

同じクールで、NHK土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』とテレ朝金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』と。片方はどちらかと言えば陽キャラ、もう片方は陰キャラ。どっちもポンコツな松坂桃李を堪能しきって、後者の最終回を観終えた週末は爽やかな気分でした。

最初はゲラゲラ笑いながら観ていた『あのときキスしておけば』。まさか最終回に登場人物たちと一緒に涙するとは思っていなかったんです。

(以下、ドラマの内容を含みます)

***

なぜ巴がこの世に戻って来たか?

それは、天界のよみがえり抽選会(しかもガラポン)で「1等/人に憑依」を当てたから。蟹釜先生、ヒキ強そうだもんね(笑)。「徳を貯める」か「お金を貯める」と、また抽選会に参加できるんだとか。

ファンタジーにもほどがある!

そう思っただろうか。

私はそうは思わなかった。大事な人のそばにいるために、何かに生まれ変わっていく。重荷なら、忘れて生きてほしいとも思う。でも、体はなくなっても居なくなったわけじゃないんだ。敢えてこんなアプローチにすることで、人の死の受け止め方、残った側の生きていく術を少しだけ軽やかにしたかったのではないか。

***

今度巴が戻って来たら結婚式をしようと気合いを入れるモモチ。そんな彼に対し、ヤバミザワ(高見沢)はじめ編集部の面々やスーパーゆめはなの人たち、田中家総出で準備に取り掛かる。巴の母・妙は2人の結婚を快諾。妙を実にキュートに演じた岸本加世子さん。天然なところがありながら、大きな愛でわが子を包み込む最高で最強の母だった。この人から巴が生まれたのがよく分かる。妙と巴の最後の場面ではもう号泣ですよ。その後のヤバミザワとの別れも。三浦翔平さん、今後の活躍が楽しみになってきた。と思ったら来期もドラマ出演があるみたい。

***

結婚式の準備が着々と進むなか、モモチは巴のLINEに何度もメッセージを送るも既読にならず。これ以上みんなに迷惑をかけられないと、ついには結婚式の中止を申し出る。でも本心では、いつかまた会えると信じている。カラ元気な彼のために、編集部やスーパーの面々が用意したのはサプライズ結婚式。巴がいないのに、どうやって?

当日、そこには正装のオジ巴が待っていた。みんなでフラを踊り、記念写真。幸せを噛み締めるモモチと巴。でも2人きりになると、彼はオジ巴の中身が巴ではないことに気づいていたと告げる。あの非社交的なマサオが巴になりきってた……(涙)。何日も特訓したであろうマサオ。マサオの演じるオジ巴(ややこしいな!)は、確かに少し無理に笑っているように見えて「もしかしてマサオ? いやオジ巴? どっち?」と思わせる。どちらなのか疑ってしまう微妙な加減の井浦さんは見事だった。

馬鹿げた芝居と思わずに、全員が協力して盛り上げた結婚式。やさしさの詰まった式を用意してくれたことに、モモチは感謝を口にする。

また号泣ですよ、ここで。みんなやさしい。モモチのためだからやさしくなれる。ポンコツだった彼はいつの間にか、みんなの中でそういう存在になっていた。

一瞬だけ巴が戻ってきたときには、なんだか私まで晴れやかな気持ちになった。伝えられずにいたことが伝えられた二人。ファンタジーですよ。ああ、ファンタジー。ラストの再会もファンタジー!  でも、人を思うのってそれでいいのかなと。何年経っても、彼女の魂は傍らにあるのだと思ってていいじゃないか。


ゲラゲラ笑いながら涙を拭きながら、そんなことを考えた。自分の中では、春ドラマでいちばんグッときた最終回だった。

***

俳優の皆さん、制作の方々、今期もバラエティに富んだドラマをありがとうございます。そして読んでくださる皆さん、コメントをくださる皆さん、一緒にドラマライフを楽しんでくれてありがとうございます。今後も引き続き、ドラマライフに猫さまライフ、ぶんぶんどーリアルライフにお付き合いください。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

テレビドラマ感想文

記事を読んでくださり、ありがとうございます。世の中のすき間で生きているので、励みになります! サポートは、ドラマ&映画の感想を書くために使わせていただきます。