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江口のりこのパワー全開/ドラマ『SUPER RICH』

遅ればせながら、江口のりこさん主演ドラマ『SUPER RICH』の初回を観た。ドラマ名だけ口にするとLUXのシャンプーみたいということはさておき、江口のりこ堪能ドラマであることは間違いないので書きとめておきたい。

(以下、ドラマの内容を含みます)

江口さんが演じるのは、電子書籍を手掛けるベンチャー企業「スリースターブックス」の代表取締役CEOの氷河衛(ひょうがまもる)。裕福な家に生まれ、お金に不自由なく生きてきた女性。しかし幼い頃に両親を亡くし、その悲しみや寂しさから心を閉ざし、愛情に飢えた人生を歩んでいる。大学時代、そんな彼女に声を掛けてきたのが戸次重幸さん演じる一ノ瀬亮。衛にとって、2人で立ち上げた会社を大きくすることが愛であり、生き方そのものになっている。

とにかく、仕事をする衛がかっこいいのだが、怪しい投資話を持ってきたりする一ノ瀬には甘い。2人で頑張ってきた歴史があるから信頼している、というよりは情で許しているだけのように見える。調子のいい一ノ瀬以外、キレ者で優れたスタッフばかりなのが気がかり。そう思っていたら案の定、大問題が発生する。

独特なのが、衛の台詞のほぼ全てが関西弁であること。方言には、人肌のような優しさや温もりがある。クールな衛は、仕事以外人づき合いがほとんどない。そんな彼女にも脆さや情が感じられるのは、両親を亡くしたトラウマと孤独という人物設定に加え、関西弁の台詞が活きているからだと思う。

一ノ瀬同様に会社立ち上げ当初からの仲間で、衛を心配する今吉零子役には中村ゆりさん。最近、こんな役をどこかで観た気が……。日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』に出てきたコ・アースの秘書・五木だ。中村さんは夏にテレ東さんのドラマに出演していたし、ゲスト出演も含めるとここ数年出ずっぱりではないだろうか。彼女がYURIMARI(ジュディマリじゃないよ)だったことは、もう世間では忘れられているかもしれない。ちなみにこのドラマで衛の秘書を演じるのは、町田啓太さん。

会社が募集したインターンの試験を、ある理由で受験できなかった春野優(赤楚衛二さん)は貧乏な専門学校生。ドラマは、優との出会いが衛を変え、また衛との出会いで優が成長する物語。まったく違う環境で生きてきた2人が、さまざまな困難を乗り越えていく(らしい)。

今のところ、なかなか本心を言えない衛が唯一なんでも言えちゃう相手は、社内の電子書籍編集部編集長・碇健二。古田新太さんである。江口さんに古田さんと、個性派が並ぶ。そこへ衛が憧れる元上司・島谷聡美に松嶋菜々子さんときた。この松嶋さんのオーラが凄い。大手IT企業の取締役という役柄だけあって、華やか。出番は少ないのに、残り香まで錯覚しそうなほどインパクトがある。

ところで、衛の台詞に「絶対失敗しないから!」があったのは、ちょっとした遊び心か対抗心か。他にも、彼女が診察を受けるシーンではクリニックの名前が「Xクリニック」だったり、女医の名前が小門真知子だったり。大門じゃなくて、小門。未知子じゃなくて、真知子。

女医役は遊井亮子さん! 『白線流し』から何十年経ったのか。2時間ドラマに欠かせない役者さんだが、近年は『アウト×デラックス』で一躍知られることに。プライベートではアウトな人らしい(苦笑)。

ちょっと横道にそれちゃった。はい、戻ろう。

最初に「とにかく、仕事をする衛がかっこいい」とお伝えしたが、ドラマ冒頭から登場する彼女はボサボサ頭で眉なしすっぴん。眉、薄い! ない! でもいい!  頂点に立つ衛も、どん底の衛も、どちらも江口のりこ。遺憾なく江口のりこを発揮していた。

ストーリーは置いといて(えっ、そこを置いたらドラマを観る意味がなくなるって?  笑)、江口のりこファン必見のドラマ。本人は何ら変わらないのだろうが、なんだか『時効警察』の頃が懐かしくなってきちゃった。それぐらい大活躍の昨今。まだまだ躍進は続きそう。

19日の『徹子の部屋』は江口さん登場回なので、お好きな方はこちらもチェック。

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