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【後半】成田先生のオンライン講座【発達障害への対応】続き

1月に受講した成田奈緒子先生の「発達障害への対応」講座が素晴らしかったので、前回と今回に分けてざっくりとですが紹介しています。
(詳細は、神奈川LD協会の講座を受講することをお勧めします!)

前半は、幼少期は「生活」が脳と身体を育てるということについて、脳の発達の仕組みを交えて紹介しました。
後半は、脳の土台を作るために重要な「睡眠」や、「ペアレンティング」について、書いてみます。

==================================【後半】睡眠が、子どもの育ちのアンバランスさや、子育ての負担を解消する。

〇睡眠と脳の関係
 発達障害など、脳の機能が生まれつきうまくいかない子どもは、脳の「寝る」機能がうまく働かないケース(寝にくい、もしくは寝すぎなど問題がある)が多い。
 発達障害の研究においても、睡眠との関係が近年注目されるようになった。例えば、来院する子どもの発達歴の中で「寝かせづらさ」「夜泣き」について良く聞く。また、一見長く寝ていても深く眠れていないなど「睡眠の質」が悪いケースも多い(質の悪い睡眠の場合は、医学的な治療を行うと効果的とのこと)。

〇脳と心と身体のバランスが崩れると、、
 発達障害に限らず、睡眠の確立がされていないために、日常生活の行動に支障が出る(発達障害傾向に育つ)ことがある。逆を言えば、発達障害であっても、睡眠を確立できれば症状は改善できる!ということになりますね。

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〇睡眠確立のポイント
・早寝からでなく、早起きから始める。
・朝に楽しいことをもってくる。
・朝日を浴びて動く。
・朝風呂もおすすめ。
・朝食にタンパク質をとって胃腸を動かす。

〇「睡眠の確立でこんなに変わる!」事例
<保育園全体での取り組み「一週間早起きチャレンジ」紹介>
【保育園と家庭の協働】
 全員6:30起床を目指して、家庭・保育園双方で取り組んだ。またチャレンジ前に、睡眠確立のコツを保育所と家庭で共有して臨んだ。

【睡眠確立のコツ】
 ・朝起きて楽しみになるような、好きな物を用意しておく。
 ・怒らずに起こす。
 ・なかなか起きない時は抱っこして窓側に連れて行く(太陽の光を浴びさせる)。
 ・泣いてもぐずっても、淡々と起こす(親の負けない心)。
 ・保育園では昼寝を1時間で起こす。 など。

【チャレンジの感想(保護者)】
 ・深夜まで寝てくれなかったのが、就寝時間が早くなった。
 ・寝るのを嫌がらなくなり、寝かしつけの時間が短くなった。 
 ・朝食の量が増えた。
 ・情緒が安定し、機嫌がよくなった。 
 ・こだわりが減って、気持ちの切り替えが早くなった  
 ・大人の声かけが耳に入るようになった。
 ・以前はこだわりが強く大人の指示が耳に入らなかったので、発達障害傾向があると見られていたが、気持ち良く過ごせるようになって、問題行動が減ってきた。
など、発達障害があるなしに関わらず、子どもの行動の変化や、子育ての負担軽減につながったとのこと。

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◎ペアレンティング

「ペアレンティング」について、聞きなれないかもしれませんが、養育者や保育者が子どもの発達過程に与える影響や、養育環境のことを言う言葉だそう。子どもが良く育つにはどんな環境や関わりが必要か?ということですね。

〇一見「育てにくい」と言われる子ほど、良く伸びる!
 ネガティブ因子が多い子ほど、養育環境の影響を受けやすい。少ないネガティブ因子でも、偏ったペアレンティングではあれば、より悪い状況になる。これは、発達障害になりやすい遺伝子であっても、よいペアレンティングがあれば将来像は大きく変わるということであり、様々な論文で一緒の結果が出ている。

〇理想的なペアレンティング(保護者と支援者)
①ぶれない生活習慣
 生まれて早い時期の睡眠の確立によって、脳の土台を作る。生活習慣を確立できると、子育ての負担も減る。
②子どもも含めた協力体制・役割分担
 生活の中で大人が子どもの世話を全てするのではなく、徐々に役割を与えていく。子どもをお客様にしない。
③ストレスの適切な対処法を共有する
 大人が自分のストレスを自覚し、生活の中で「楽しむ」「さぼる」姿も見せていくと、子どももストレス耐性がつき、心が折れにくくなる。
④大人と子どもが互いに楽しむ、ポジティブな関係性づくり
 大人が笑えば、子どもも笑う!大人が穏やかでいることが大事。
 保育士や教員は、親のストレスを減らせる(笑える)ように支援する。
⑤大人はぶれない軸を持つ。
 家庭と支援者の間で、生活習慣の確立について一本化しする。学習は生活習慣の確立ができていれば、自発的に学習するようになる。

〇攻撃性が高い子ども=不安が高い子ども
 その子どもの攻撃性が目立つ時、悪い行動を抑え込む(叱るなど)だけではダメ。何を不安に思っているのか?を子どもの様子から読み解いて寄り添う。また、子どもに不安がある時は、保護者も不安がある場合が多いため、保護者支援を行うことが大事。話を聞くだけでもよく、保護者の不安の根源が子どもでなく別のことにあることに気づくことも多い。
☆不安と攻撃性は表裏一体である。子どもと保護者を信じて支援する。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

・成田先生のご本はたくさんありますが、「子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング」は、特におうちの方が家庭でできる実践がたくさん載っていて、わかりやすいです。
・成田先生の講座について、もっと詳しく学びたい方は、ぜひ神奈川LD協会の講座の受講をお勧めします!

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