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【前半】成田奈緒子先生のオンライン講座(発達障害への対応)

 先日、神奈川LD協会のオンライン研修で、成田奈緒子先生の講座を受講しました。とてもみっちり!濃い講座でした。

 成田奈緒子先生は、小児科専門医・公認心理士であり、大学でも特別支援教育を担当されています。
 医師として活躍される一方、
・医者の立場で発達障害の子どもを見る限界がある。
・様々な専門家によって、人生の長い時間、子どもたちや家族を見ることができる場づくりが必要。
という想いから、2014年に「子育て科学アクシス」を立ち上げ、子育て支援をしています。

 講座の間も、「医師だけでは子どもたちを療育することができない」と繰り返していた成田さん。
なぜ、乳幼児はなぜ「寝る・食べる・遊ぶ」が大事なのか、特に睡眠によって子どもがどう変わるのか、ペアレンティングの核は何かについて、事例を交えて2時間たっぷりお話ししてくれました。

 盛りだくさんの内容のうち、少しだけ紹介します。前半は主に脳の発達について、後半は睡眠やペアレンティングについてまとめます。
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【前半】幼少期は「生活」が脳と身体を育てる。(お勉強や習い事より先に必要なこととは)

〇脳の発達
 人が生まれてから脳が発達するのは、最初の18年。その間の「生活」が子どもを育てる。「生活」は、学習を目的としてはいないが、「生活」の中で脳が育つことで最終的には学習に繋がる。この脳を育てる期間に、「寝る・食べる・遊ぶ」の「生活」を通して、適切な刺激を与えることが、子どもの発達全般にとても大事である。
 教員や保育士、支援者は多様な家庭の状況を理解し、保護者が「生活」を作れるようサポートすることが大事である。

〇脳の発達順序
 発達とは、脳が順番にバランスよく(身体と脳の機能上も)育つこと、と言える。その順番は、
①からだの脳=生きるための脳 寝て・起きて身体を動かす。0-5歳
②おりこうさんの脳=人間らしさの脳 言語や微細運動・勉強・スポーツ 1-18歳
③心の脳=社会の脳 社会での成功・幸せ 10-18歳

 脳の育ちを家づくりに例えると、土台づくりが大事であることがわかる。土台となる「からだの脳」は、保護者の「生活」(生活・育児)によって、作られる。生活習慣を通して繰り返し子どもの脳を刺激すると、「おりこうさんの脳(勉強やスポーツの脳)」に繋がる。

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 「心の脳(人間らしい脳)」をつくるためには。
 生まれたときは機能の欠落があっても、脳に可塑性があるため、刺激の与え方によっては、良い感じに育てることも(そうでない感じに育てることも)可能。この部分を療育と呼ぶ。前頭葉へのつながりを作ることが大事(ここでは説明を省略)。

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〇特別支援教育的視点
 今世の中で、発達障害が増えてきている。医師の役目は診断と治療だが、医師と家庭だけではその後の対応が難しい。発達障害などの機能的疾患は、異常が見てわかるものでなく、気づくのが遅れやすい。子どもを毎日見ている人(親・保健師・保育士・教員など)が、その子の機能上での「おかしさ」に気づいて、日常的に支援していくことが大事である。
 子どもに関わる専門家は、いろいろな視点から子どもたちを知ろうとすることが大事。多様な状況に置かれている保護者・子どもを理解しようとしたり、保護者の子ども観を客観的にとらえる視点が必要。

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後半は、脳の土台「からだの脳」を作るために重要な「睡眠」について、共有します。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

(成田先生のご本はたくさんありますが、最近トップ写真の2冊を買い、さっと流し読みしました。「ペアレンティング・トレーニング」は、特におうちの方が家庭でできる実践がたくさん載っていて、わかりやすいです。)


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