石原特殊鎖製作所 23
学校の中でさえ行き場がないことを知っていたのにもかかわらず、そして、学校の外に出ればさらに行き場を失うことを容易に予想できたにもかかわらず、僕は1人の生徒の死を防ぐことが出来なかった。
僕はただ、彼が部屋に入っても良いか、という問いに、もちろん、と応え、彼が持ってきたお弁当を食べ終えるまで一緒にいただけだった。
なんという愚かなことだろう。
もし、また同じ時に戻ったとしても僕は彼に同じことをするだろう。
そして、彼は自ら死を選ぶだろう。
そして、その彼の死を知り、僕はひどく