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書店パトロール49 そうか、YASUNARIは魔界に行きたかったんだね。

日常系、という言葉は常日頃から耳にするし目にする。然し、騎士の日常とはどういうことだ。

つまりは、騎士、というのは、私にはすごい憧れのある存在であり、この本もパラパラ読んでみるが面白い。なんてったって騎士。騎士、といえば、やはり、私にはリドリー・スコットの映画が思い出されるし、『キングダム・オブ・ヘブン』は常に心の1本なのである。

この年、2005年に公開された今作では、錚々たるアクターたちの中に、ひよっこ感満載のオーランド・ブルーム(以下オーリー)が混ざっており、この前年、『トロイ』においては、決闘でメタクソにやられるヘナチョコ王子を演じていて、その更に前年には『パイレーツ・オブ・カリビアン』があり、更にその前々年、『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラスを演じていて、まぁ、コスチューム史劇で八面六臂の大活躍、その中でも、やはりバリアン卿が最高だ。

いや、バリアンが最高なわけではなく、ゴッドフリーやティベリウス、ホスピタラーに、それから、ボードワン4世やルノー・ド・シャティヨンなどの周りが濃すぎるため、これは最早名優の名キャラクターの満漢全席である。

まぁ、とにかく、リドリー・スコット、SFのことは何も言うまい、傑作しかないのだから。けれども、やはり、『グラディエーター』や、『ロビン・フッド』、『エクソダス/神と王』あたりの史劇がたまらんのよね〜。最近だと、『最後の決闘裁判』、これも中世欧州、然し、なんとも言えないのが、今年の年末公開の『グラディエーター2』だ。ああ、『グラディエーター』。こんなに面白い映画はあるかね?と言えるほどに完成されていて、ラッセル・クロウはシェイプされていて最高だ。次のグラディエーターはポール・メスカルだからね。最近『異人たち』でもいい仕事をしていた男がまさかのロバート・マッコールさんと共演の『遣唐使』、じゃなかった、『剣闘士2』!

この虎、いる?
『最後の決闘裁判』のこの写真、リドリー普通に画面に溶け込みすぎじゃろ。

『キングダム・オブ・ヘブン』で思い出したが、私は、古屋兎丸の『インノサン少年十字軍』が大好きでね。まぁ、少年十字軍の話、彼等の悲惨な運命、というのに惹かれるのであり、これは、まぁ、『ハーメルンの笛吹き男』への好奇心にも繋がるものがある。


で、この『騎士の日常生活』を出している原書房が出しているもう1冊の日常系が棚にささっていた。

これは2年前の本らしい。エジプト、と、いえば、オシリスの天空竜であり、ラーの翼神竜であり、オベリスクの巨神兵、であるわけだが、まぁ、私はオベリスクが好きだったりする。

とにかく、こういう資料系、日常系は読んでおきたいものだ。勉強になるのだから。
勉強になりそうな本として、図解たっぷりでわかりやすいこれもいいなぁと思った。

まさかのアーサー王の解剖の医学書……!?と思ったら、当然そんなことはなく、まぁ、アーサー王物語を解剖するわけだ。私もアーサー王はそんなに識らん。ので、世の中には識らないことばかりだと、諦観を新たにして本棚に戻す。

さて、次は文学コーナーに行く。そこには、『絶景本棚3』が。ああ、人の本棚大好き。だって、人によっては、飾ってある本全部識らないもんね、どんだけこの世に本があるんだって感じで。やはり、この、どの本で本棚を構築するか、並びをどうするか、レイアウトは、フィギュアとかも置いちゃう?とか、そういうのを含めて、まぁ、脳内とセンスを同時表出させちゃうのが本棚というわけで、その人の性格を識るのには、その人の好きな3本の映画、3冊の本、嫌いな3冊の本、3本の映画、これがわかれば全て理解できるのであって、本棚、と、いうものは、最早、完全に、開陳SALEそのまんまなのだ。

さて、そんなことを言いながら、ここに本棚に並べたい本が1冊。値段は一葉様1枚、そこにお上への税金が加わり、しめて5,500円なり。

これはねぇ、分厚い本ですよ。スイス幻想民話集。たくさんのお話、入ってるのよ。これがね、まぁね、高いよ、そりゃあ高いけどね。でもね、こういうお話を翻訳してね、美しい本にしてね、5,500円出せば読める。これはオトクだと思うんですよね。こういう、ちゃんと編纂された本、これはね、やはり格調高いですよ。こういう格調をね、本にこそ求めたいね。
無論買いませんよ。お金がありませんからね。最近、大物も買いましたしね。

そうしていると(どうしているとだ)、今後は眼前に生臭坊主が現れた!

一休を描いた小説である。一休、といえば、まぁ、川端康成の小説にはお馴染みの、『仏界入り易し魔界入り難し』だが、まぁ、川端康成の小説は、後期、特に魔界の小説と言われる一群には、このワードが欠かせないわけだ。
川端は、穴があったら入りたい!魔界があったら入りたい!という、そういう精神構造であり、あの、26歳で自身を暗黒天使ダークエンジェルと名乗り、7人の多重人格設定を盛り込んだリアル仙水さんのような男なのである。

この言葉は、川端康成の小説では『舞姫』で初登場。親父がその言葉を揮毫された掛け軸を部屋に飾っていて、それを娘が見ていると、ぬっと親父が登場して説明をし出す、そんなこと普通あるかい。『舞姫』にはやたらニジンスキーの話が出てきたりして、ああいう、狂気への傾倒が見て取れる。YASUNARI年表を見れば、それもまぁわかる気がする。

『舞姫』、『東京の人』(作者は実は川端ではないが)、『みづうみ』、『千羽鶴・波千鳥』、『美しさと哀しみと』『眠れる美女』、『虹いくたび』、『山の音』、そして、『たんぽぽ』は、まぁ、魔界の小説である。
この罪の彼岸、罪の果の美にこそ取り憑かれていて、完全な変態なのだが、どういうわけか、日本の美の代表選手となってしまってチャンチャン。

まぁ、そんな一休。魚も女もなんでもござれ。でも、こういう、魔界を経てひじりに到達することは世界中の色々なところで語られているわけだし、何より、『火の鳥/鳳凰編』という傑作がそれを丹念に描いている。

と、その近くにルー・リードの詩集が。

今年のGW頃に復刊されたらしい。うーん、綺麗な装丁。いい匂い!インクと紙の配合が絶妙だな、これはいいな。と、テイスティング中に、まさかの『DEEN』の30周年記念オフィシャルブックが!

私はDEENが好きで、この本は、DEENのこれまでの楽曲をメンバーが振り返るもので、私の大好きな曲、『サンシャイン・オン・サマータイム』、『いつか僕の腕の中で』も、ちゃんと振り返られている!令和のこの時代に!


嬉しいなぁ、まぁそりゃ、そうか。


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