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『呪詛』を観た。

話題の映画『呪詛』を鑑賞。POVを多用した映画である。ポイントオブビュー、である。ポイントオブビュー、2回言いたくなる言葉である。
つまりは、POV、ポイントオブビューなんですね、とPOVと言ってから、再度ポイントオブビュー、と言いたくなる。

ろくでもない手印。

ホラー映画である。台湾映画であり、怖い映画である。ネタバレもする。

私は基本的に怖い映画は好きである。然し、幽霊のたぐいは信じていない。何故ならば、幽霊よりも人間が一番恐ろしいからである!(普通)。
まぁ、例えば熊の幽霊なんて怖くないじゃないかと思う。人間の霊魂だから怖いのであって、つまりは生きていても死んでいても、おぞましいのは人間である。

今作は、現在と六年前が交互に描かれる。現在は、主人公が保護施設(みたいな感じ?)から娘を引き取り、一緒に暮らし始める。過去では、主人公がとある宗教的なカルトな村に潜入し、禁断の洞窟に侵入する(みたいな感じ)のだが、その過去に犯した愚行が現在の母娘におぞましい呪いをかけていて…的な話だ。

とにかく、蟲の類が嫌いな人は鑑賞をやめておいた方がいいだろう。作中にはゲジゲジとか大量の芋虫、それからゴキブリも出るし、芋虫は服について、それを払うと潰れて緑の汁が出るのである(あれはプロップかCGだろうか?)。
とにかく湿気臭くて、気持ち悪い映像が多い。怖い、というよりも気持ち悪いのである。

今作には、大黒仏母という信仰対象がいて、それはまぁ、調べたら色々ネットに諸説あるので調べて頂きたいのだが、この仏母の顔を観ると呪いを一身に受けるのである。通常は布を被されていて、その奥には…的な感じで、最後まで引っ張る引っ張る。引張すぎだろう!まぁ、ネタバレになるが、普通にうちはマダラみたいな感じである(ちょっと違うかな?)
この造形が結構いいので、ああ、ええやんええやんと思った。
然し、この映画はとある手印と呪文が初っ端から登場して、カメラ越しに主人公がこれは祈りですから、一緒に唱えて私を助けてください、的なことを言ってくる。然し、これがまぁ最後には反転する。

ぶっちゃけ『リング』と同じやん、と思いつつ…。

この映画に、除念師的なおばちゃんとじーさんが登場するが、そのうちのおばちゃんが映画一番のびっくり脅かしをやらかしてくるのだが、無論、私も驚いた。そして、数回ほど、スロー再生で何度もそのシーンを観たのだが、何度観ても驚く。思うに、これは怖いというよりも、音やスピードでびっくりする、車が突っ込んできたらどうしてもびびっちゃう……的な、条件反射でしかないのではないだろうか。

そういうびっくり系は苦手である。怖いというよりも、いきなり背中を押される感じで、そりゃ驚くよ、としか言いようがないからである。
怖いと言えば、あの、『ブレアウィッチプロジェクト』とか怖かったなぁと思う。作中で、姿を現さないで、現象の変化だけで他者の存在を明示する、それが一番怖いのである。
結局、一番怖いのは人間であって、この主人公もとんでもないことを最後に白状する。なんやねん、お前が一番のワルやないけぇ、と言いたいことしきりである。
まぁ、愛の物語である。この映画は、愛の物語なのである。はた迷惑な母娘の、愛の物語だったのである。

ちなみに、同日に『グリーンランド』も観た。これは、ジェラルド・バトラーが闘わない映画で、隕石が地球に落ちて世界が崩壊するという、夢物語である。

この家族が周りの人に迷惑をかける映画


この映画でのジェラルド・バトラーは浮気して別居していたが、最終的には世界の危機に乗じて家族の危機も脱することに成功する、そういう映画で、この一家もまたはた迷惑な家族だった。
ジェラルド・バトラーは途中、やむを得ない殺人を犯すが、然し、それもいつの間にか忘れ去られて、地球に隕石は落ちたけれども、選ばれた一家は大丈夫だったよ!という糞映画だった。


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