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名刺代わりの小説10選

私の本棚、というのがよくネットに上がっている。
他にも、名刺代わりの小説10選、なんていうのも上がっていて、10冊というのがミソである。10冊もあれば、シャウアプフの『麟粉乃愛泉スピリチュアルメッセージ』よろしく、作家、タイトル、作風、テーマ性、外から受ける印象など、様々なデータをそこから読み取ることが可能である。


それが自己紹介用なのか、それとも他者に向けてのアピールなのかで、選ぶ本も変ってくるだろう。


私的名刺代わりの小説10選は(順不同)、

①谷崎潤一郎 『夢の浮橋』
②川端康成 『雪国』
③川端康成 『東京の人』
④ヘルマン・ヘッセ 『少年の日の思い出』
⑤堀辰雄 『美しい村』
⑥津原泰水 『バレエ・メカニック』
⑦車谷長吉 『三笠山』
⑧大江健三郎 『個人的な体験』
⑨樋口一葉 『たけくらべ』
⑩山崎俊夫 『童貞』

でお願いしたい。
ちなみ、特別好きな作家は外している。

基本的には、私は太宰治、夏目漱石、ドストエフスキーは苦手なので、こっち系が好きな人とは読書の趣味が合わないだろう。
そして、以前も何度も書いたのだが、村上春樹は一作たりとも読んでいないため、判断のしようがない。
けれども、自分の好きな本の傾向を識るにつけて、私に村上春樹は永久に理解できないだろうと、読んでもいないのに確信を深めていくばかりである(完全な偏見)。

耽美系でも、泉鏡花や永井荷風は苦手、どちらかというと谷崎や川端、三島界隈が好きである。
でも、私は世界中に何百万人と存在した作家の、その1%も読んでいないので、偉そうなことは言えない。まぁ、今読んでいる作家はその中でも精鋭たちなのだろうが、こぼれた天才も数多いただろう。
そういう人を紹介する方に、私は敬意を払いたい。

山崎俊夫と言えば、『童貞』の初版本の装丁はウルトラに素晴らしく、数年前にネットでも話題になっていた。この本は100年くらい前の本だが、『鬼滅の刃』感(市松模様ね)があるではないか。まぁ、大正時代の本である。
インターネットからお借りしてきた画像だが、大変にアイディア勝利の造本である。『童貞』という文字で市松模様を作るのである。


この本は20万円〜50万円くらいする。廉価に読むのならば、全集を買うのがオススメである。
基本的にはノンケではない人の本である。BLである。
川端康成の『少年』が最近再刊されて、帯にデカデカとBLと書いてあったが、あんなものはBLでもなんでもなく、宗教小説である。
川端康成は女性大好き、それがいいのである。

全集の装丁はアラステア。アラステアはいい画家である。



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