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ゲームクリエイター列伝

というコミックがあって、確か週刊少年マガジンで連載されていたのである。
私はこの漫画が好きで、何度も読み返していた。いや、単純にお小遣いが少ないので何度も読み返していたのかもしれない。想い出を補正していたかもしれないね。そして、私は1巻しか所有していなかった。

まぁ、この漫画は1話完結の読み切り形式で、それぞれ金字塔を打ち立てた作品が出来上がるまでの紆余曲折の舞台裏を描いた漫画である。

『バーチャファイター』の鈴木裕
『バイオハザード』の三上真司
『ダービースタリオン』の薗部博之

が描かれる。
然し、画力がそこまで高くないので、ほとんど全員同じ顔であり、ヒロイン的な女性は皆無であるので、そういうのを期待すると駄目である。あくまでも、あの伝説的なゲームはこういう風に生まれたんだ!という敬意を持って読む漫画なのだ。
然し、オチは毎回同じである。悩みながらゲーム制作が続き、いよいよ発売!ドキドキしながら結果を待つと、おいおい、なんか怪しい雰囲気だぞ…大丈夫なのか…?からの、大反響ですよ!的なパターンで締める、まぁ水戸黄門というか、きっちり気分良く終えてくれる次第。

と思ったら、つい最近も新しいバージョンでネット連載していたのに気づいた。

然し、やはり『バイオハザード』の三上真司である。あの、『バイオハザード』を作り、『バイオハザード4』を作り上げた三上真司である。
やはり、天才というか、小島秀夫とか松野泰己とかもそうだけど、エポックメイキングを成し遂げる、ゲームデザインの構築というか脱構築が出来る非凡さこそが、最強のクリエイターなのだろう。

私は『FF』を愛する者だが、やはり『FF』も毎回システムが変わると言いながらも、Ⅶ〜Ⅸあたりは順当に洗練を重ねていくだけであり、完全にフォーマット化していた。Ⅸに至っては、ロード時間が長すぎて、とんでもないテンポの悪さになってしまっていた。
そこで、Ⅹは土田俊郎氏がバトルデザインを担当していて、「いや〜。『フロントミッション3rd』が終わってから呼ばれちゃいましたよ。」的なことを言っていて、ATBからCTBに変ったが、このバトルシステムは非常に良かった。
Ⅸにおいて、パーティメンバーが3名から4名に変わることで、戦略の幅が広がるんですよ、と坂口氏がわかるんだがわからないんだかなことを言っていたが、Ⅹのシステムは非常にスピード感があり、面白かったのを覚えている。無論、皆途中で召喚ボンバーに気づき、シーモア終異体に負けるというのがセットなのだが……。

『バイオハザード』も、ⅡもⅢもⅠを洗練というかよりエンタメ化したものであり、ⅤやⅥもⅣの亜流である。後続が脱構築出来ないのが優れたシステムであり、優れたゲームクリエイターはそれを自ら破壊し、過去のものにしてしまう。それは、映画にも、小説にも、漫画にも言えることだ。
同じことをしていても尻すぼみなのである。

そういえば、『FFⅨ』において、ATE(アクティブタイムイベント)というシステムがあった。ボタンを押すと、その時他の場所で行われている他の人のイベントを見られるというシステムだが、これは、中学生だった私にも意味不明のシステムであり、今持ってなお、あれは何だったんだと思わざるを得ないほど、やはり意味不明のシステムである……。

『FFⅩ』は歌舞伎の演目になるのだという。

世の中は、私の想像を遥かに超えている。今年はあまりにも多くのことがおきて、その上、Ⅹが歌舞伎……。もはや、私の脳みそはこれらのことに追いついていない。

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