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聖学院高等学校のSTEAM教育実践レポート:色のかんかくストレッチ_03

SSの2023年度カタログ巻頭ページにて、聖学院高等学校(東京・北区)で2021年度より高校課程に開設された「Global Innovation Class(GIC)」でのSTEAM教育について、担当の先生方3名から伺ったお話を掲載しました。
記事の反響を受け、2023年度の聖学院高等学校のSTEAM教育の授業実践をレポートしていきます。

前回までの色のかんかくストレッチの記事は下記からお読みいただけます。

色のかんかくストレッチ_01はこちら▼

色のかんかくストレッチ_02はこちら▼

展示発表で見えた生徒の成長

聖学院高等学校のSTEAM教育は、展示発表にも注力しています。
生徒主体での展示の設営や記録の撮影、そして自分の言葉で発表する機会が多くあるため、生徒の皆さんはプレゼン力が高い!(というのが私の印象です。)
今回の色のかんかくストレッチの最後の授業では、完成した一冊と分析シートを2Fのホールで展示発表しました。この展示発表は、GICの1年生にとっては初めての大きな展示発表。自分たちでどう展示するかを話し合い、設置していきます。

次の授業への移動時間や休み時間に、他のクラスの生徒や聖学院中学校の生徒が展示やSTEAM教育の授業に興味津々。足を止めた生徒に、色のかんかくストレッチの内容や、自分が集めた色、感じたことを説明するGICの1年生たち。このワークを通して研鑽された自分の感性と言葉に対する自信で、ホールは生き生きとした空気に満ちていました。

また、展示発表の日は偶然にも聖学院中学校の学校説明会の日。多くの方が展示を見学されました。STEAM教育という言葉を知ってはいても、実際に学校現場でどんな授業が行われていのかを見ることができる機会は少ないため、生徒の説明に熱心に耳を傾けていました。

GICではこんな授業があるよ!

発表の合間に、クラスメイトの作品や分析を鑑賞することも忘れずに。
自分と同じ色を集めた一冊でも、違う視点でコレクションされた色は全く違う色に見えてきます。

色のかんかくストレッチを終えて、生徒からは

「色のかんかくストレッチを通して、自分の考えやこだわりなど、自分らしさが見えた気がした。今後の色々な制作活動に生かすべき、自分だけのオンリーワンを磨いていくことができるなという展望を得ることができた。色々なオンリーワンを見れたことで自分の価値観に彩りが増した気がした。」

という振り返りがありました。
「知識のインプット」「感覚をもみほぐし磨くこと」「手を動かして創り出すこと」、の3つがバランスよく絡み合い循環している、STEAM教育ならではの学びが展開している聖学院高等学校。

STEAM教育のスタートから担当されている山本先生と、今年からSTEAM教育の理科を担当されている諸橋先生に、このワークを取り組んだ前と後の生徒の姿にどんな変化があったのかお話を聞きました。

山本先生「通学路って楽しいんですね!聖学院4年目にして初めて知りました。」 まさに今まで気がつかなかった自然の豊さ、人工物の違和感や不思議、物事の本質や仕組み、新しい視点が自分の中から生まれてきた瞬間です。ささいな変化、誰も気に留めないようなものや瞬間、見えなかったもの、あるいは見ようとさえしなかったものは、日常にもまだまだあるはずですので、彼らの感情や感覚を揺さぶって問い続けます。 テクノロジーによって加速度的に変化していく現代、誰もがあらゆるものをデザインできる環境。その中で、「暫定的な正解」を模索し、実験や挑戦を経て、失敗から学ぶ姿勢を育む瞬間を創ります。またここから新たに始まる「五感を使った空間デザイン」が楽しみです。

諸橋先生 色というものは生徒や我々にとって最も身近な刺激でありながら、その刺激からは普段特に何かを感じることはありません。科学的には「見えて」いるものも感覚的には「みえて」いないものです。今回のストレッチやフィードバックを通して、生徒たちは少し世界が違ってみえるようになったような気がします。成果物をつくりながら、普段見逃していたものにこだわりや愛着がわいている背中をみて、こちらも思わず楽しくなってしまう、そんな活動でした。これからも、些細な刺激・現象をより感覚を研ぎ澄まして受け取り、自分たちのアウトプットにつなげてくれると嬉しいです。もちろん、理科の教員として科学的な視点も提供していきたいです。

1年生は、1年を通して感覚をもみほぐし自分の感性を磨いていきます。
生徒の皆さんがどう成長していくのか、次の授業はどんな内容なのか、楽しみで仕方ありません。

次回のレポートもお楽しみに!

聖学院高等学校のSTEAM教育レポートはこちらから▼

聖学院中学校・高等学校
中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。
2021年に高校課程に開設された「Global Innovation Class」では、「ものづくり」「ことづくり」を通して世界に貢献できるグローバルイノベーターを育成するため、Liberal Artsをベースに、STEAM、Immersion、Projectの3つを柱にした教育を展開。STEAMでは、教員が提供したものを生徒が受け取る提供型の授業ではなく、新しいデザインの手法や在り方、表現を模索するため、教員と生徒が一緒になって授業づくりをする共創型の授業を実践。

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