練習ができてないから怖い【日本人は「やめる練習」がたりてない】
タイトルに惹かれてしまい、野本響子さんの「日本人は「やめる練習」がたりてない」を読んだ。
日本人は「やめる練習」がたりてない
確かに何かを始めて、何かをやめるとき、なぜ私たちは深刻に悩んでしまうのか。
自分で始めたことが、自分でやめれない。
著者の息子さんは保育園ではのびのびと楽しく育っていたが、小学生に入った瞬間、元気を失って、口数が減り、不登校になったそうだ。
のびのびした保育園生活とは反対に自由に質問できない、よくわからないルールに縛られる学校に耐えられなかったらしい。
元々著者の野本さんはマレーシア人の方との交流が盛んな方だった。
きっかけもありマレーシア人のインターナショナルスクールに息子さんを通わせることにした。
そこでお子さんはみるみる元気になったそうだ。
「やめる」ことから話は逸れるが、マレーシアの学校は面白い。
学校では分からないことは即質問してオッケー。
先生がひとりひとりの疑問点に丁寧に返してくれる。
正解を答えてくれることもあれば、子ども本人に考えを促すような考える力を身に着けさせようとしてくれる。
ちょっとしたことですぐに子どもたちと褒めてくれる。
良いことばかりではなく、準備不足で学校行事が延期になったり、先生が突然やめてしまったり、日本ではあまり考えられないことも多々起きる。
そこをどう思うかは人それぞれだが、自由な雰囲気らしい。
マレーシアは子どもが「この学校が合わない!」と思ったらやめて、合う学校にすぐに転校することができる。
むしろ子どもが合う学校をこちらから探しにいく文化。
自分がハッピーじゃなければ居場所を変える。
この考え方がとても素敵だなぁと羨ましく感じた。
学校の進級条件は厳しくテストの点数で容赦なく留年。
逆にできる子は飛び級。
ゆっくり学習したい子はゆっくりで良い。
周りに合わせるというよりはそれぞれの個性を尊重してくれる。
勉強がわかってないままに進級させて、授業についていけず、学校に行きたくないという状況は防せぐことができる。
これに対しては同じ学年でも年齢がバラバラで、一緒に入学して一緒に卒業するという概念がないからこそ、できる技だとは思うが。
スポーツ大会や遠足などの行事も参加の是非を聞かれる。
出ますか?出ませんか?と毎回聞かれるそうだ。
全員強制参加ではなくて、自分の意志で「参加する」「参加しない」を選択できる
個人的にはこれがとても羨ましいと思った!!
毎年同じクラブ活動を続けるのを推奨されない。
私はこれも衝撃だった。
ひとつのことを続けるのが正しいと思っていたから。
子どもからしたら新しいことを自分の興味とは関係なく学べて、面白かったら面白い方を取り組めばオッケー!
私は中学生のとき、仲の良い友達が吹奏楽部に入ったから私もノリで一緒に入ったら、しんどすぎてやめたくてたまらなかったとき、とっとと「合わねぇ!!」と言ってやめれば良かったなぁと未だに後悔している。
美術部に行きたかった!!
著者の息子さんは小学校高学年で「プログラミングを学びたい!」と学校を変えたらしい。
あまりポンポンやめすぎても、やめグセがつくのではないか?と心配されるかもしれないが、そもそも、マレーシア人は仕事が合わないと思ったらすぐやめるらしい。
やめなければ新しいことを始められないし、辞めることがデメリットにもならない。
このあたりは日本と比べると羨ましい環境だなと思う。
確かに日本の学校は周りの空気を読んで行動することと、我慢をひたらすら教えてくれているような気がする。
小学校はそこまで感じなかったが、中学校はその空気を感じて苦しかった。
「日本人はなんだかんだ言って同調圧力が好き」って話がそうだよなぁと思う。
やっぱりレールから外れるのは怖い。
でもその敷かれたレールの上で生きるのが難しい人間もいる。
別の著者の本でレールから外れた道を歩き続けた息子さんが高校生ぐらいのときに「レールの上を歩く方が楽だよねぇ」という旨の発言をしたらしい。
その年齢でそのことが分かっていることが著者は嬉しかったそうだ。
私自身は、その時の興味関心であっちこっち寄り道しまくって、ひとつのことが長く続かないことに罪悪感を感じていた。
そういう生き方も良いのではないかと感じさせてくれる本だった。
やめるにしても変なやめた方だめだが、無理して続ける必要もない。
もう少しやめることを気軽に考えても良いのではないかと言ってもらえたような気がして嬉しかった。
日本の学校のシステムがこの本で紹介されていたようなシステムなら良いなぁと思った。
だが親は大変だろう。
子どもに合う学校をこちらから探しに行く労力が必要になるから。
その代わり不登校は減りそうな気がする。
あくまで素人の考えだが、救われる人たちは多いと思う。
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