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眼鏡をつくる ~第三回 眼鏡職人とカシメ加工~

圧力を加えて、つなぎ目を固く密着させ、結合させることを「カシメる」といいます。

あまり耳慣れない言葉ですが、眼鏡の場合、正面にくる「フロント」と、両サイドにかかる「テンプル」をつなげる為に使う丁番を、テンプルに留める加工のことを指します。

一般的なメガネの製造では、カシメ加工は行わず、丁番を熱で直接テンプルに埋め込んでしまう作り方がほとんどです。大量生産をするには熱で埋め込むタイプの方が向いていますが、私たちの手掛ける眼鏡は、代々受け継がれてきた伝統的な留め方であるカシメ加工を全モデルに施しています。当然ながら大量生産はできませんし、時間もかかりますが、出来上がりや見栄え、また強度が格段に違います。
機能性を上げ、丈夫な眼鏡に仕上げるために、カシメ加工は必須だと私たちは考えています。

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丁番をカシメるためだけに使用する専用の器具を使って、一本一本、手作業で慎重に作業をします。
金具をプラスチックに貫通させ、飛び出た部分に圧力をかけ、潰し留めるようなイメージで、一瞬の間に施されるその瞬間は、とても大きな音と、職人の真剣な表情が印象的です。

繊細な作業なことはもちろん、手の感覚や音の感じすべてを感じ取って一点に集中する瞬間を何回も何回も繰り返し行うことは、想像以上に労力が必要で大変な工程です。

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また、失敗が許されないので、この作業は特に慎重に取り掛かると職人は言います。

しかし万が一、少しでも感覚的にズレが生じたり、違和感を覚えた場合は、直ぐにNG(破棄)の判断をします。一見ではわからないような微妙なズレであっても、見過ごしたり妥協はしません。カシメた後の表面に残る部分は、とても存在感があり、良くも悪くも目立つ部分です。そのことを念頭に置きながら、カシメ作業と向き合うのです。

一切の妥協をしない、プロの魂が宿る職人の手はとても力強くたくましく見えます。その手にかかることで、その一本には命が宿り、生涯残るモノが生まれるのです。

ちなみに、私たちのブレないモノづくりの象徴「北極星」がモチーフの、BROS JAPANのシンボル、星の形のカシメピンには、デザイン性だけでなく、星の突起を生地にかませることにより、がっちりと丁番を固定させる意味があります。

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カシメ加工を経た眼鏡は、一気に引き締まり、深みが出ます。
そしてこの後、フロントの枠にBJ CLASSIC COLLECTIONのトレードマーク、白頭鷲の翼をモチーフにした鋲が左右対称に埋め込まれ、製品としての完成形にぐっと近づきます。

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次回はいよいよクライマックス。
重要な仕上げの工程の裏側をご紹介します。
お楽しみに!

つづく


BROS JAPAN(ブロスジャパン)株式会社

〈取り扱いブランド〉
■BJ CLASSIC COLLECTION(ビージェークラシックコレクション)
■SUNSHIFT(サンシフト)
■American Optical(アメリカンオプティカル)







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