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悪口を言わない人になりたい

子供の頃、残業を終えた父親の帰宅を待って、
ようやく家族団欒で夕食にありつくと、
両親はいつも互いの仕事の愚痴をこぼし合っていた。

何故…?と思っていた。

私が今日テストで100点を取ったことや、
最近見つけたアーティストが結構良い感じとか、
そういう話を2人に聞いてもらいたかった。

大人になって、結婚して、
私は今、
夕食のたびに夫に仕事の愚痴をこぼしてしまっている。

聞いてもらって感謝している。
ストレス発散になっている。

だけどたまに、不意に思うことがある。

「私って、なんて性格が悪いんだろう…」

疲れて仕事から帰ってきたら、
妻の愚痴を聞かされるなんて、
絶対に疲れると思う。
夫に対する申し訳なさもある。

だがそれ以上に、人の悪いところにばかり目を向ける自分の性悪さに自己嫌悪に陥る。

どうやったら、そんな聖人君主になれるのだろう。
いや、聖人君主ではないのかもしれない。
それが普通のことなのかもしれない。

仕事のストレスというのは本当に厄介で、
普段の人間関係ならこんなことでは怒らない、
というようなことでも頭に来る。
チリツモってやつなのかもしれない。

私がムカついている相手にも事情があって、
家族があって、
その人なりの主義思考やプライドがあることもわかる。

それに、「じゃあ自分はどうなんだ?」と言われると、
私も別に仕事ができる方ではない。

誰かには陰で私と同じように、
私の愚痴をこぼされているかもしれない。

だから優しく在りたい、と思う、

思うけれども、ムカつくことはムカつく。

そんな中、評価面談があった。
先輩からは事前に「僕の評価面談の時に◯◯さんのこといい感じに伝えておくので、自信持って話してきてくださいね!」というフォローのチャットをもらっていた。

実際の評価面談では、
上司から「自己評価低過ぎじゃない?もっとできてるよ。一旦全部ポジティブに捉え直してみて、自己評価×にしてるところも◯に修正しようよ」と言われた。

人の優しさに触れた気がした。

そうしたらなんとなく心が温かくなって、
いつもムカつくあいつにも優しく挨拶することができた。

善悪種別いろいろあるけれど、
人の優しさこそ人を優しくするのだと思った。

悪口を言う自分ではなく、その分誰かに優しくなれる自分で在りたい。

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