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出雲国放浪記【第1話】備後落合駅、出会いと温もりの無人駅

ども、ゆさっちです。
ふとしたことで上りのサンライズ出雲のA個室のチケットをGetしたゆさっち、何かに招かれるようにふらっと出雲に行ってまいりました。
✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
まずは予告編で謎というコメントをいただいた今回の出雲への到達ルート、備後落合駅に朝8時台に着くという、時刻表トリック(?)の答え合わせから。

٩(ˊᗜˋ*)وゆさっちサスペンス劇場 はじまりはじまり〜٩(ˊᗜˋ*)و
ちゃーちゃーちゃー♪ ちゃーちゃーちゃー♪
ああっ閉じないで!(´∀`; )

中国山地の山あいの無人の終着駅、ようやく朝が明けた頃、山霧を裂いて列車が静かに到着する。
列車からたったひとり、男がホームに降り立つ。
男は何かを確かめるように辺りを見回して、そしてひとり、快哉を叫んだ。

ゆさっち「俺は勝った!誰も知らない、今、俺がここにいることを!」
十津川警部「そいつはどうかな?」
ゆさっち「なにっ!?」
十津川警部「昨日、東京発の最終広島行のぞみ109号にのったあなたは、福山で降りて、福塩線の最終府中行に乗った。そして今日、府中から三次(みよし)行の初発に乗って、塩町で芸備線の備後落合行に乗り継げば、この備後落合駅に8:16に着ける。ゆさっちさん、あなたのアリバイは崩れてるんですよ!」
ゆさっち「ぐ・・ぐぬう」
亀井刑事「ゆさっち!これ以上罪を重ねるな!今なら間に合う、罪を償うんだ!」

ァハハハハハハ( ゚∀゚)八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

;y=ー( ゚д゚)д゚)д゚)д゚)д゚)・∵. ターン

十津川警部「ああっ!」
亀井刑事「なんてことを!」

♪さあ、ねむりぃなさい つかれきぃった♪(他局)

十津川警部:三橋達也
亀井刑事:愛川欽也
ゆさっち:ディーンフジオカv(´∀`*v)

♪こぉのぉ まちわー せんじょおぉ だからー♪(他局)

              終
            制作・著作
            ━━━━━
            ⓃⒽⓀ福島

えーと、お目汚しですみません(´∀`; )
はい、いますぐ片付けますから(´∀`; )

まとめましょう。
今は2020年12月5日の朝、ゆさっちは広島・島根県境にある備後落合(びんごおちあい)駅にいます。

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ここは寂しい無人駅でありながら、広島と新見(にいみ)を結ぶ芸備線、そしてこの備後落合と山陰本線の宍道(しんじ)を結ぶ木次(きすき)線が乗り入れるジャンクションです。
芸備線の列車はこの駅をまたいで運行されることはなく、この駅で折り返していくので、見かけ3つの路線が集まっているように見えます。

さっきの茶番(?)でお話したルートでこの駅にやってきました。
ここに来るのは4年ぶり。
この駅を今回の旅のスタートに選んだのは、単純に出雲に至る木次線の起点というだけでなく、この駅のもつ栄枯盛衰の歴史とその歴史が醸し出す魅力にひかれたからなんです。(´∀`)
その辺はおいおいとお話ししましょう。

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さて駅舎の中をみてみましょうか。
中はこの駅の資料や地域の情報がきれいに展示され、地元の方によって大事に整備されている印象です。

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表に出てみましょう。
山懐に抱かれた駅周辺は行き交う人もなく、シンと静まっています。
この深閑とした空間を独り占めしているようで爽快な気分です。(´∀`)

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備後落合駅は今でこそ無人駅ですが、芸備線から木次線へ続く路線が山陽と山陰を結ぶメインルートだったころ、この駅には延べ100人を超える駅員さんが勤務し、深夜にも急行列車が発着し、駅弁が売られ、ホームのスタンドでは駅そばならぬ名物の「おでんうどん」が売られていました。

高速道路が整備され、鉄道の陰陽連絡も伯備(はくび)線に集約されると、この駅は幹線のジャンクションとしての役目を終え、人は消え、訪れる列車も激減し、全てはうたかたの夢といった感があります。

駅舎の中のベンチで、感慨にひたっていると、ひとりの男性がやってきて、仕舞っていた電気ストーブを取り出し、灯をつけてくださいました。
冷え切った駅舎に温もりが通い出します。

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気さくに話しかけていただき、お話させていただくうちに、かつてのこの駅やこの路線のお話を聞かせていただくことができました。
うかがえば、この方は国鉄・JR西日本の元運転士の永橋さん(後から、検索してお名前を知りました。)
かつてこの沿線で列車を運転し、現在はリタイアしてこの駅の近くにお住まいだそうです。
今は、この駅で備後落合や芸備線、木次線の歴史を訪問者にボランティアでお話しているのだとか。

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永橋さんのお話は、この沿線がかつて賑わっていたころの話から始まります。
駅前に国鉄職員の官舎があり、多くの家族が住んでいたこと。
豪雪で運行が止まってしまった時は、職員のみならず地域住民総出で復旧作業にあたったことなど。
この駅や路線が賑わい、住民の方に深く根付いていたこと、そして様々な苦難を一丸となって乗り越えてきたことを聞かせてくださいました。

そして、話はこの駅の現在・未来にも及びます。
この沿線のトンネルや橋梁はどれも建設から80年以上が経過し、耐用年数が迫っていることに触れ、「これらのトンネルや橋が更新される見込みはほぼないでしょう」と少し遠くを見てお話される姿が印象的でした。

その後は、かつての物品庫?が簡易の資料館の様になっていて、ジオラマで昔の備後落合駅の全容を説明していただいたり、運転士用の時刻表や通票(タブレット)に触らせていただいたりと、貴重な体験をさせていただきました。

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楽しいひとときを過ごしているうち乗り継ぎの木次線の発車時刻が迫ってきました。
この駅を出る木次線の列車は1日3本しかありません。

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「大丈夫ですよ、自分がいいっていうまであの列車出ませんから」(´∀`)
ナイスジョークを受けながら(あながちジョークではないのかも、そんなオーラのある永橋さん)、次にお会いするまでのお別れをします。

木次に向かう後輩の運転士さんに
「このお客さん、福島からきたの。(出雲)横田で降りるからよろしくねっ」
と、引き継いでくださいました。(´∀`)

やがて発車時間となり、ドアが閉まり、列車はゆっくりと動き出します。
永橋さんはホームで見えなくなるまで手を振ってくださいました。
ゆさっちも頭を下げ、そして手を振って応えます。

「ありがとう、また来ます。それまでお元気で、そして備後落合駅も」
心で願っているうちに、まもなく列車は県境を越え、島根県に入りました。

いよいよ今回の目的地、神々の住む処、出雲国に入っていきます。

(つづきます)

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