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小説の新人賞への投稿を10年間続けられた理由

小説の新人賞に投稿して、初めての賞をいただくまで10年かかりました。それが初めて最終選考通過した作品なので、それまでは落選続きでした。
1回の投稿で受賞する人もいるのに、ずいぶん時間がかかりましたねえ。
その間、一年に何作も書いて投稿しているので、投稿した数は膨大です。

そこまで続ける前に、辞めてしまう人が多いと思います。受賞履歴がわかる「文学賞の世界」でも、そこまで長く何度も投稿している人は稀です。どうして、こんなに長く続けてこられたのでしょうか。
受賞できなかったから続けていたわけなので、何の自慢にもなりませんが、僕が10年間継続して投稿できたのは、いくつか理由があります。

ひとつは「しつこい」ということです。
才能があるかどうかはわかりませんが、なんでもしつこくやり続けることは得意です。毎日のように20年間走り続けていますし、このnoteも200日以上連続して投稿しています。かつては他のブログを2000記事書いたこともありますし、140文字のツイッター小説を2000個近く作ったこともあります。
基本的に怠惰な人間なのですが、一度決めたことを続ける能力には長けているようです。
投稿するために、毎年二作は書こうと決めて受賞するまで続けてきました。
僕にとっては、ルール決めることが大事なように思います。

もうひとつは、「読者」です。投稿生活中は、受賞するまで落選が続くので、気持ちが落ち込んでいきます。
それは、誰も読んでくれないからです。多くの賞では、落選作には選評がありません(中には、全作品の講評がもらえる賞もあります)。
書いても書いても誰か読んでくれているかわからないのは寂しいですし、どこが悪くてどこを修正すれば受賞するのかわかりません。

そこで、落選した小説をAmazon Kindleにアップするようにしました。Kindleには無料で誰でも出版でき、人気になれば多くの人に読んでもらえます。何ページ読まれたかレポートで確認できますので、どういう作品が他人に読まれるのかわかりますし、もらえるレビューも参考になります。
落選作品を「なろう」や「カクヨム」、このnoteにあげる人もいますよね。読んでもらい、さらに感想をもらえたことで、読者がいることが実感でき、執筆を継続することができたと思います。

人はなんの成果もないと続けられないようです。
まとめると、

  • ルールを決める

  • 読者をもうける

ですかね。
投稿生活は苦しいですが、書き続けることで前進することはあっても、後退することはありません(きっと)。
10年やり続けて、初の単行本を刊行できる人もいるので。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より7月18日に刊行されます。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら予約してください。善い物語です!


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