ホワイトな学校へ#56 寄り道⑯ きょうだい~妹C(U´・ェ・)のこと
同じご飯を食べて、同じように育てても、別物に育つ、きょうだい。
今回の寄り道は、これまでちょいちょい登場している。私の妹C(U´・ェ・)について。
まずは、妹C(U´・ェ・)の性格がわかるエピソードを一つ
火事
その日は、学校が早く終り、いつものように近所の子供たちと外で遊んでいた。そうしたら、長屋アパートの南隣の家の窓からモクモクと煙が出ているではないか!
「火事だ!」子供たちはそれぞれの家に走って帰り、親に伝えた。
この辺りは道が狭いので消防車が入れず、消火は難航し、私たちも、避難することになった。私はランドセルに勉強道具を詰め、妹は、幼稚園バッグに大事なものを詰めた。母に玄関で待つように言われ、待っていたら、妹がいなくなった!
私は母にすごく叱られた。探してくるから、Iおばあちゃんの家に行っているようにと言われた。Iおばあちゃんは、祖母の知り合いで、家から北に50メートルほどのところに住んでいた。
Iおばあちゃんの家に行くと、おばあちゃんは仏壇に向かって祈り続けていた。そして、私に一緒に祈れという。
私は、火事がおさまるまで、正座をしてIおばあちゃんと一緒に祈り続けなければならなかった。
方や妹はというと、何と一人で幼稚園に避難していた。避難訓練どおりにハンカチで口を押さえ、真剣な顔をして逃げてきたという。先生方に、偉い!と誉められたそうだ。
妹は、ことほど左様にまじめなのだ。
そして、火事がおさまるまで幼稚園で楽しく遊ばせてもらったんだそうだ。
なんということ!
私は叱られ、Iおばあちゃんの家でひたすら祈らされた。
妹は誉められ、幼稚園で楽しく過ごしていた。
私は妹に文句を言ったが、妹はけろっとして、誉められたことに鼻高々で、ますます腹が立った。
関係性が変わった
どこにでもついてくる妹であったが、都合が悪いときやいざというときは母につき、母の後ろに隠れて舌を出した。
私はそんな彼女に、もう少し大きくなったらどちらが正しいかわかるから、と言った。
C(U´・ェ・)との関係性が変わったのは、確か彼女が小学校高学年になった頃だと思う。
お姉ちゃんが言っていた意味がわかったと言って、私にわびを入れてきた。
そこから関係性が変わり、とても仲良くなった。
母が認知症になって、いろいろ決めなければならない時も、相談できてよかった。任意後見人の手続きをする時も、実家を片付ける時も、協力できたから心が折れずにやりきることができた。
自分のことは、パッパと決められるが、母のこととなると迷う。
妹とは、同じ感覚で、相談できるのがよい。
これからも、二人だけのきょうだい、仲良くしていきたい。
余談…妹への贖罪
おみその妹は、私が行くところ、どこへでもついてきた。そのエピソードは、これまでお話した通りであるが、ここでは、悪いことをしたなという記憶から。
小学校に入った私は、自転車を買ってもらった。妹の三輪車では追い付けないのに、妹は私の後をついてくるので、自転車に2人乗りして出掛けることにした(もう、50年以上前のことなので、時効ということで…)。
ある日、いつものように2人乗りをして出掛け、その帰り道、もう少しで家につくというところで、突然妹が自転車から落ちた。しかも、あろうことか、妹はつかまっていた荷台から手を離さなかった。
妹が落ちたと私が気づいてから、ブレーキをかけ、止まるまでには数メートルを要する。当然のことながら、妹はズルズルと引きずられることになった。通りかかった女性に、あらあらかわいそうに…と言われた。
当然のことながら、それ以降、2人乗りは禁止になった。
しかし、それでも私の行くところに一緒にいきたい妹は、今度は、自転車の後ろを走ってついて来るようになった。
そして、またまた、事件が起きた。
その日も、もう少しで家につくというところで、近所のおじさんが私たちを呼び止め、ファンタグレープを飲ませてくれた。当時の子供にとって、ファンタグレープはごちそうだ。私たちは、喜んでいただいた。
当然、私の方が飲むのが早い。今思えば、三つ下の幼稚園児には、ファンタグレープひと瓶を飲みきるのは、大変だったと思う。私が早々に飲み終わって、妹が飲み終わるのを待っていたので、妹は余計に急いで飲んだのだろう。
そして、妹が飲み終わるとすぐに、「ごちそうさま!」と言って、家に向かった。家までは100メートルほどだったが、もちろん妹は、私の自転車の後ろをついて走った。
そして、家についたとたん、妹は、吐いた。炭酸飲料を飲んですぐ吐いたことのある方ならお分かりいただけると思うが、相当苦しいものである。
私の記憶はここまでで、その後、出掛けるときにどうしていたのか覚えていない。しかし、妹にはかわいそうなことをした、と、今でも時々思い出す。
その後しばらく、妹はファンタグレープが飲めなかったそうだ…。
(妹、ゴメン…)
きょうだい
学校で子供たちの様子を見ていると、一人っ子はなんとなくそれとわかる。
きょうだいがいることで、子供たちは家の中でも四六時中、学び続けることになり、社会性を身につけやすくなる。
もちろん学校は、社会性を身につけるところである。しかし、家庭でのレディネスがあるのとないのでは、明らかな違いが見える。その違いは、成長するにつれ、どんどん目立たなくなっていくが、ふとしたときに垣間見えることがあるのだ。
どちらがいいとか悪いとかではなく、そういう違いがあることを、保護者が知っていることは大切だと思う。
次回は、その26 卒業生に向けて です=^_^=
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