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ホワイトな学校へ#24 寄り道④ なぜ、N=^_^=なのか…トラくんへの贖罪

なぜ、私は「N=^_^=(ねこ)」なのか…ねこのキャラクターがかわいらしくて好きだから…もちろん、それもあるが。
理由は、この写真の飼いねこ「トラくん」への贖罪である。

私は、子供の頃からいろいろな動物を飼ってきたが、すべて、天寿を全うさせてきた。飼い始めたら、最後まで飼う。これは、飼い主の責任である。(詳しくは、次回に)

その中で、唯一、最後を看取ることができなかったのが、このトラくん。

トラくんは、冬の寒い日に道で拾った。体重からすると、生後半年くらいだと思われた。
ねこは、家に付くというが、トラくんは、暖かければ何でもいいらしく、すぐに炬燵にもぐりこみ、自分の家であるかのようにくつろいだ。母が、ねこ嫌いなので、私の部屋の中で飼うことになった。
ねこのいいところは、手間がかからないところである。必ず自分のトイレで用を足すし、散歩に連れていく必要もない。というか、トラくんは、外に出るのが大嫌いで、うっかり一歩でも外に出てしまおうものなら、その場で固まり、誰かが家に入れてくれるのを待つという有様だ。寒い日に外で彷徨ったことが、トラウマになっているらしい(トラくんだけに…)。

私が仕事から帰って家の近くまで来ると、道路まで「ニャーニャー」という声が聞こえてくる。他の動物もそうだったが、飼い主の足音を聞き分けるところが愛おしい。
ところが、私が部屋のドアを開けた途端、トラくんは部屋から飛び出し、一目散に台所へ向かう。そして、母の叫び声が聞こえる。「こら、降りなさい!」
どうも、テーブルに乗って、悪さをしているようだ。私が着替え終わって階段をおりていくと、その足音を聞いてトラくんはテーブルからさっとおりる。
母は、「本当に嫌なねこ!」と益々怒る。
動物は、自分を嫌っている人のことも、よくわかっている。

トラくんのエピソードは、山ほどある。
例えば、妹の部屋の布団の上で眠っていたときのこと。急に起きたと思ったら、ドアに体当たり。妹がドアを開けてあげたら、一目散に私の部屋へ。でも、私の部屋のドアは閉まっている。家中を走り回り、最後に妹の部屋の布団の上に飛び乗るやいなや、もう限界とばかりに、オシッコをジャーッと漏らした!妹が慌てて下ろそうとしたが、出し終わるまでビクともしなかったそうだ。トラくんにしてみれば、ちゃんと自分のトイレに行こうとしたのに、私の部屋のドアが閉まっていて入れず、パニックになっただけのこと。気の毒に、トラくんは、妹の部屋も出禁になった。

その後私は結婚して、3回ほど引越しをしたが、トラくんはすぐに引っ越し先の家になじんだ。お気に入りの爪とぎマット(普通の台所用マットで、ボロボロ)と、いつものトイレがあって、私がいれば平気だった。
彼は、それなりにいい働きもした。ゴキブリはもちろん、ぼろい家に住んでいた時は、冷蔵庫の裏に隠れたねずみを、三日三晩、冷蔵庫の前で寝ずの番をした(ねずみだけに…)。成果物はその都度、必ず私に見せに来る。朝早く起こされて、口にくわえたねずみを見せられた時は、悲鳴を上げた。

トラくんは、留守番もできた。2泊3日程度なら、ご飯をたっぷりあげておけば、自分で少しずつ食べていられた。その代わり、私が帰って来るやいなやガ―ッと飛びついてきて、顔中をなめまわす。嬉しさの表現が一とおり終わる頃に、腹立たしさがよみがえってくるようで、最後は必ず、私の耳に噛みつく。

私が妊娠して、お腹が大きくなってきたときは、トラくんをお腹に乗せて、赤ちゃんが生まれることを教えた。母は、ねこが赤ちゃんに嚙みついたり、引っかいたりしたら大変だから、どこかにやってしまった方がいいと言ったが、私は、トラくんはきっと、そんなことはしないと思った。だから、トラくんをお腹に乗せて、赤ちゃんが生まれてくることを一緒に楽しみにした。

思った通り、トラくんは、長男に全く悪さをしなかった。つかず離れず、いつも一緒にいて、見守っているかのようだった。長男が寝ている時は、隣で寝ていて、起きてぐずり始めると、自分のせいではないよ、とばかりに飛び起きて、その場を離れた。

手を出していない証拠として、おしりを向けている。

長男をお風呂に入れるときが、最も滑稽だった。トラくんは、水に濡れるのが大嫌いで、もちろんお風呂も大嫌い。だから、自分が体を洗われて嫌な思いしかないお風呂場に、自分から近づくことはなかった。しかし、長男をお風呂に入れるとなると、こんな危険な場所に彼だけを行かせることはできない、という使命感に駆られるのか、トラくんは必ず、風呂の蓋の上で待機するのだ。

蓋の上の足跡に注目!風呂場の中を、自分で歩いてきた証拠

しかし、トラくんの我慢もここまで。シャワーが始まると耐えきれずに逃げ出すのだった。

この写真でわかるように、生後数か月で長男の乳児湿疹がひどくなってきた。一時は、顔中が腫れ上がるほどひどくなった。いくつも、医者を回り、やっといい先生を見つけた。
長男は、卵アレルギーで、私が卵を食べるのをやめたら、みるみるうちに回復していった。

ある日病院に行ったとき、担当医が、「なんか、ピリッとしないんだよな。」と言う。担当医の予測では、もっとすっきりときれいに治るはずが、長男の顔にはまだ少々の湿疹が残っている。
担当医「お母さん、卵食べていませんよね。」
私「はい、一切食べていません!」
担当医「・・・まさか、ねこなんか飼っていませんよね。」
私「飼っています!」
担当医「ねこは、何歳ですか?」
私「10歳です…」
担当医「じゃあ、もう、ぼろぼろですね。すぐにどこかにやってください。」
えー!
長男は、ねこアレルギーでもあったのだ。長男の症状が良くなるまで、一時的にどこかに預ければいいかと確認したら、食べ物は自分で食べなければ大丈夫だが、ねこのふけ等の場合、吸い込んでしまうからダメなんだそうだ。

どこかにやるっていったって、10歳の老猫の貰い手なんか、すぐに見つかるわけがない。
ねこ嫌いの母に預けることもできない。というか、母に預けたら、母が長男に会えなくなってしまう。

貰い手が見つかるまで、とりあえず、トラくんは1階の部屋に隔離することにした。トイレもお気に入りの爪とぎマットも運んだが、私も長男も入ることはできない。トラくんは、1日中「アオーンアオーン」と泣いていた。

夜は、夫がトラくんと寝た。素っ裸になって、1階の部屋に行き、トラくんの部屋用の服に着替える。朝になると、また素っ裸になって、風呂場に直行し、シャワーを浴びてから、服を着る。そんな生活が1か月余り続いた頃、夫の遠い親戚がトラくんをもらってくれるという。

車で連れて行かれる日、私は、申し訳なくて、トラくんを見ることができなかった。
長男を抱っこして、ただ、泣いていた。



今、思い出しても泣けてきます。私がねこグッズを集めたり、何かと言えば=^_^=を使ったりするのは、トラくんへの想いが完結していないからだと思います。
トラくんは、引き取られたその日から、そのお家になじんでいたと聞いています。

次回は、寄り道⑤ 子供たちは本当のお話が好き です=^_^=

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