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第4章#34 組織の原理

もくじRemake『ホワイトな学校へ』

(約2100字)



なべふた型組織の限界

学校は「なべぶた型組織」である、という言葉を、聞いたことがあると思う?
横から見ると、一番上になべのつまみがあるだけで、他はフラットな状態であるということ。

なべぶた型組織がなぜよろしくないのかというと、なべぶた型ではトップが社員全員を見ることになるので、成長に限界がある組織となりやすい。
社員の成長も遅くなる。トップからの指示、またはトップと担当社員とのやり取りで物事が決定していくので、トップが判断を誤れば、たちまち経営は行き詰ることになる。

ネットで検索して山ほど出てきた内容をまとめると、以上のような感じ。


学校は、本当になべぶた型組織なのか?

では、本当に、学校はなべぶた型組織なのだろうか?
確かに、私が教員になった頃は、学年主任とか教務主任とか、主任層はいても、皆同じ「教諭」という立場だった。

しかし、実質的には、経験年数によって、主任がきちんと中間層的な役割を果たしていた。各部会、委員会には長がいて、その人がイニシアチブをとって、学校を回していた。
ただし、「第1章#9 いよいよ会議を減らす」の最初の方で述べたように、教務主任等の必置主任は校長が決めていたが、その他の各部会、委員会の長は、集まったメンバーで決めていたわけだから、必ずしも育成を意識した組織とはなり得ていなかったと考えられる。
さらに昭和に遡れば、教務主任を選挙で決めていた学校もあったという。


名実ともに、ピラミッド型組織にする

私の所属する自治体では、平成15年度から主幹教諭制度、確か、平成21年度から主任教諭制度、そして平成25年度から指導教諭制度を導入した。
ピラミッド型組織としての制度は整った。

私は平成14年度にA選考を受験し、平成15年度からジョブローテーションの一環として主幹教諭になった。
私は、この仕事を続けながら、学校組織が変わっていく様子を目の当たりにしてきた。
このように、制度的に職層として形を整えることは、大切だと思う。
働く側である先生方にとっても、自分の特性や、ライフステージに合わせて、選択の幅も広がると思う。


そして、形は整ったのだから、管理職は、心してこのピラミッド型組織を活用したい。
自分が指示を出すとき、まずは、順番を守るところから始めよう。順番とは、「第1章#6 職員会議スリム化の副次的効果と留意点」の、「付け足し~各職層の意識向上」に書いたとおりである。

付け足し~各職層の意識向上
私は、新たな情報を伝える際や課題について相談する際など、できるだけ順番を飛ばさないようにしています。
順番とは、
教頭⇒主幹教諭⇒各主任⇒全職員
単純なことですが、飛ばして話をしないことで、各職層の意識が向上します。

ピラミッド型組織として回るようになると、効率的な学校経営が実現できるようになると考える。


もう一つの原理

「働きアリの法則」という言葉を、聞いたことがあるだろうか。
リンク先がオヤッと思われたかもしれないが、分かりやすいし、私の考えに近いので…⇊⇊

「2・6・2の法則」とも言われているように、例えば、最初の「2」ばかりの働きアリを集めたら、それはそれは素晴らしい働きをするのかと言えば、そんなことはなく、その中でもまた「2・6・2」に分かれてしまうのだそうだ。また、最後の「2」を排除したら、働かないアリはいなくなるかというとそうではなく、やはり最後の「2」に当たるアリが出てくる。
そして、なんと最後の「2」ばかりを集めた場合も、働くアリが登場するのだ!

何が言いたいかというと、原則、組織の中に、必要のないメンバーはいない、ということである。
校長先生の中には、地区の教育委員会から、自分が希望する「良い人材を配置してもらえなかった」ことを、学校経営がうまくいかない理由にする方がいるようだが、それは違うと思う。
このように書くと、反感を持つ方もいると思うが、私だって、いつも思うような人が配置されていたわけではない。

例えば、校長だけを集めても、組織として成り立たないように、今、自分の組織にいるメンバー全員に、それぞれ組織の一員としての存在意義があるのだから、まずは、全員を受け入れるところから始めるのだ。

自分の目の前にいる先生方、その先生方が受け持つ子供たち。大きく言うと、そのすべての人生が、私の肩にかかっているわけだ。
マイナス指向で文句を言っても何も変わらない。
状況をプラスに変えられるのは、校長である。
先生方を始めとする職員、それぞれの特性を見極め、その特性に合わせて仕事を任せて、どんどん育てていく。
校内の人材それぞれの力、パフォーマンスを最大限に発揮させ、組織を回していくのが、校長の仕事、腕の見せ所である。

実際どのようにしているかは、これまで述べてきたとおり。

子供たちはもとより、先生方の成長が感じられる場面を目の当たりにすると、こんなに嬉しいことはない。

これが、校長の醍醐味なのです。


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