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ー拾壱話ー 恐怖


ー2024年4月1日ー


麗奈さんから早急のお祓いを薦められ
俺は除霊師さんにお祓いの依頼すべく準備を進めていた。





麗奈「もしその除霊師さんにお祓いの依頼をするなら」

麗奈「私もボイスチャットで同席したいから、出来れば今週の水曜か金曜でお願いしてくれると助かる。」



俺はそれを了承した。



そして俺は、その日に除霊師さんに依頼の連絡をする事にした。






ー2024年4月1日ー 22時頃


この日、俺は出勤日で夜勤があった。


職場で仕事の休憩中
時間ができたタイミングで俺は除霊師さんに
依頼の連絡をしてみる事にした。





俺「こんばんわ。」
俺「先日、母親の件で相談させて頂いた神城です。夜分遅くにすいません。」

俺「除霊師さんに母親のお祓いの依頼をしたいのですが、可能でしょうか?
友人から、今回の件に関しては霊が強すぎて祓えないとの事を言われまして…」

俺「身勝手ではありますが、友人から早急に祓ってもらった方がいいとの事を言われたので...
出来れば一週間以内に...」






しばらく待つと、除霊師さんから返事が来た。






除霊師「こんばんわ。かしこまりました。」

除霊師「とりあえずこちらとしても商売ですので、霊視するとなればうちのサイトにアクセスしてもらい、依頼して頂く必要があります。」


除霊師「うちのサイトのURL貼っておきますね。」




俺「はい。分かりました。」

俺「今から確認致します。」




除霊師「ですが…」

除霊師「以前お話して頂いたお母様に憑いてる霊がどうもかなりタチが悪いみたいで…」

除霊師「恐らく我々の動向を察知して、霊が暴れ回っているのが目に余ります。」






母親に憑いている強大な霊が暴れ回っていて、何が起こるか分からない状況なのだと言う。


まだ‪”‬この人‪”‬には母親の姿を写真ですら見せていない…
なのに…そんな状況まで分かるというのか?






俺「そうなんですね...」

俺「自分は今職場にいて仕事中でして、家に居ないので家にいる母親の事が心配で...」



除霊師「それは…心配になりますね...」

 


俺「今URLにアクセスして確認してみたんですが、もしかして‪”‬遠隔で霊視が出来る‪”‬って事ですかね?」





除霊師「はい。出来ます。」


除霊師「お母様の写真等は不要です。」
除霊師「お名前とご住所さえ分かれば、霊視での現場確認から除霊まで可能です。」


除霊師「私の場合は、自分の霊体を依頼者様の所まで飛ばして除霊を行いますので。」



除霊師「普通の霊媒師であれば対面しなければ除霊までは無理だと思いますが、私であれば可能です。」


除霊師「胡散臭いの塊だとは思いますが。」






そんな事本当にできるのか...?
正直、俺はこの時疑っていた。



だが、麗奈さんの‪この人なら‪”‬絶対に大丈夫‪”‬という言葉を思い出した。






俺「分かりました。信じます。よろしくお願いします。」






俺は除霊師から紹介してもらったURLにアクセスして
住所と名前の記入、クレジットカードで霊視鑑定の送金を行った。




霊視鑑定と除霊依頼は別料金ではあったが
霊視鑑定の料金は比較的安い金額だった。






除霊師「これからお母様と神城さん、同時に霊視を行います。」

除霊師「ですが明らかに影響を受けるような存在です。」

除霊師「でなければ神城さんが私に依頼をする気になり、こうも霊が暴れ回っているのが
私の目につくはずが無い。」


除霊師「入金、ありがとうございます。早速霊視して来ます。」











その時だった











俺「うっ」




いきなり俺の‪”‬左足に激痛‪”‬が走った。
骨を鉄のハンマーで強く叩かれたような、そんな感覚だ。
そして同時に‪”‬激しい動悸‪”‬が俺を襲った。




なんだこれは…..意味がわからない。
足を痛めるような事はしていないのに。
動悸が激しすぎて息が切れそうだ…..











母親が危ない











‪”‬直感‪”‬だった。何の根拠もない直感。




──現在時刻夜の23時頃。




…..この時間帯なら、いつも母親は起きている
時間帯だ。すぐに返事も返ってくるだろう。


そう思い、心配になった俺は母親に安否確認のメッセージを送った。






........だがいつも起きている時間帯のはずなのに母親から一向に返事が返ってこない。






‪”‬何か‪”‬あったのか...?






俺はこの時、強い恐怖と‪”‬命の危険‪”‬を感じた…




俺の母親は、父親と離婚してから一人で俺の事を育ててきてくれた人だ。

こんな形で死なせたくはない。




俺はこの時、左足の激痛と激しい動悸、そして母親の事が心配でパニック状態になっていた。






やばい、やばい、母親に何かあったらどうしよう…













俺も…殺される...?











俺「なっちゃん...助けてくれ...」






俺は無意識に小声でそう呟いていた...






この時、何かと何かが戦っているような感覚があった…






こんなの一週間以内どころか
”‬今日中‪”‬に何とかしなければやばい





麗奈さん、ごめんなさい。
立ち会いの約束守れないかもしれない。






…..本当にごめんなさい。






俺はこの日、長年俺達家族を苦しめてきた悪霊と決着をつけることを決心した。


⇒(次話)ー拾弍話ー   決着

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