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ー伍話ー 参拝


ー2024年2月後半ー




既婚者の友人の生霊の件と、友人宅の除霊の件があってから
幽霊という存在に確信を得た俺は
以前からずっと行きたいと思っていた神社の事を思い出す。 






‪”‬朱天神社‪”‬のことだ。






ここの神社では、年に5〜6回だけまわってくる天赦日(てんしゃにち)限定で開催されるイベントがあった。



俺は単純に、来月開催されるそのイベントの日に行きたかったのもあった。

俺の職場はシフト制で、月の後半になってから来月の勤務表が従業員に配られる。
だが来月の事を考えると、状況的に
仕事のシフトも合わなさそうだった為
朱天神社に行く事をまた保留にしようと考えていた。



俺(どうせ行くならイベントの日に行きたいけど…)
俺(ん〜やっぱり行くのやめておこう。)
俺(また今度だな〜...)











───そして2月の後半になった頃
職場の上司から3月分の仕事の勤務表が渡された。




上司「はい。神城君。これ3月の勤務表。」


俺「ありがとうございます。」







勤務表を手に取り、日程の内容を見てみると… 





なんと‪天赦日‪の‪”‬前後の日‪”‬と‪”‬天赦日‪”‬、合わせて三連休になっていたのだ。






(は!?いやいや…..)

…たまたまだろう、とは思っていたが






(もしかしたら俺、ここの神社に呼ばれているのでは?)



なんて淡い期待もしていた。
その反面、そんな事なんてあるはずが無いだろう、そんな気持ちもあった。






だがこれは好機であり、仕事の事を考えると
朱天神社に行くのは距離的にも時間的にもこのタイミングしかない。





普段は滅多に外出をしないインドア派の俺だが

今回に限っては重い腰を上げて
3月の天赦日の日に朱天神社に行く事を決めた。











ー2024年3月天赦日当日ー




───ついに朱天神社に参拝する日を迎えた。




俺は電車の始発時間で出発し
途中で新幹線に乗り換えて現地へ向かう。



この日は平日だからか、思ったよりも人は少なく感じた。
新幹線の中では、高速で過ぎ行く風景を見ながら適当に時間を過ごした。






──現地の駅に到着し、スマホでルート検索を試みる。





俺「うわ〜。ここから歩きだとかなり時間かかるなぁ」





そう思った俺は
駅前で待機していたタクシーにお願いをして
タクシーで朱天神社へ向かう事にした。











ー参拝ー



───俺は念願の朱天神社に到着した。

電車と新幹線、タクシーで乗り継いでも
片道5時間以上はかかっただろう。



まだ2月というのもあり
雪が染みついたような冷たいそよ風が吹いていた。







俺は鳥居をくぐる前に住所と氏名を5回伝えてから鳥居をくぐった。






天気はやや曇り空で、まだ雪が残ってはいたが





神社自体の雰囲気は明るく賑やかで
まるで夏祭りの屋台に来ているような気分になった。




自分の気分が落ちている時も
応援してくれて前向きにさせてくれるような、そんな力を感じた。





そして動画で見た時よりも、やはり実際に見た方が綺麗だ。
まさに美しいとはこの事だろう。そう思った。

神社に来て「美しい景色だ」なんて思ったのは生まれて初めてだと思う。





…..思い込みかもしれないが、神社から歓迎されている気もした。




俺はここの拝殿に手を合わせた後
神社のイベントに参加してしばらく時を過ごし

家族と職場へのお土産を買って
現地の名産物を食してから朱天神社を後にした。







──それから新幹線と電車を乗り継いで
俺は自宅に帰宅した。











俺「ここの地域の名産物も美味しかったし、
神社は綺麗だったし最高だったな〜。」

俺「久しぶりにこんな遠いところまで来て観光できたな〜。」

俺「最高に充実できてたし、本当に来てよかった。」

俺「また来年あたりに行きたいな。」






俺は念願の朱天神社に行けて満足していた。







───そして数日後
俺は朱天神社に参拝した事を
霊能者の麗奈さんに話してみる事にした。



⇒(次話)ー陸話ー   神の使いの子

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