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伝わる近道は他者の気持ちを大切にすること──『プレスリリースはラブレター』ほか読書感想文

社内の情報(特に対外的に見る強み)をキャッチアップしていくには広報的観点も必要だと思い、「プレスリリースの書き方」をテーマにした本を二冊読了。
ガチ広報ではなく、そういう観点で本を読んだ時の気づきポイントをまとめます。


書籍データ

気になる観点まとめ

両者に共通する観点であり、私が特に重要だと思ったのは下記4点です。

  • メディア視聴者(将来のユーザー)にとって役立つ観点を大事にする

  • 嘘はつかない

  • 書き方にセオリーはない

  • メディア側の立場・状況・気持ちをきちんと理解したアプローチ・対応をする

メディア視聴者(将来のユーザー)にとって役立つ観点を大事にする 

膨大な量の情報に溢れる世の中、人は興味ない情報は見向きもしません(私もです)。
SNSにつきまとう広告・宣伝にも食傷気味です(私もです)。
情報発信する側が期待するほど、食いついてくれないのは当たり前ですよね。みんな忙しいし。
プロの発信者であるメディアの担当者は、そのことを肌で感じているのでとてもシビア。

プレスリリースは「有益な情報ネタ」。おもしろくないネタはゴミ箱に行くのは必然です。
おもしろさというのは、もちろん笑えるかとかどうとかいうことではなく、「メディア視聴者・読者の興味をひけるか」ということ。
※サービス・商品とメディアとの相性を見ておくことは大前提です。

だから、一工夫しなければいけないと著者は言います。

  • 開発までの経緯をストーリー化する

  • 話題性・季節性などタイミングを加味する

  • 万人が納得する裏付け用意する

などなど。

もちろんネタが優れていてもプレスリリースを読み解けなければ意味がないので、タイトルや文章構成も大事。とにかく伝える工夫を怠らないということですね。

嘘はつかない

当たり前なんですけど、めちゃくちゃ大事だと思ったので取り上げました。
嘘はすべての信用を失います。メディアからも社会からも。
「売りたい」「知らしめたい」気持ちだけで、短期的な成果だけ見てしまうなんてことを絶対にしないようにと常に自分の肝に銘じます。

書き方にセオリーはない

プレスリリースは文章にもある程度「型」があるものだと思っていました。
でも、実はメディアの種類、取り上げるネタ、相手との関係性などに応じて当然変化させるべきものだそうです。

リリースの目的は人の心を動かすこと。
自分(自社)がこのネタをどう訴求したいのかを明らかにし、一番その気持ちが伝わる内容や手段を採用すればいい。

これも確かに言われてみれば……なんですけど。
楽だから、やり方わからないから、とついついマニュアルを求めちゃいますよね。

あと、ただの破天荒にならないために下記はしなきゃだめ。

  • 受け取る人に対する礼儀を忘れない

  • あれもこれも詰め込まず、一番伝えたいことにフォーカスする

  • 効果の振り返りをする

メディア側の立場・状況・気持ちをきちんと理解したアプローチ・対応をする

仕事は忙しいものです。日夜問わず企画・制作に携わるメディアの担当者はなおさら。だから、ちゃんと準備する。ちゃんと対応する。

  • メディアからの想定質問や要望に対し、きちんとシミュレーションし、準備しておく。

  • 情報提供は持ちつ持たれつ(メディアからのお願いも快く受け入れる)。

  • 人と人との関係を大事に。お礼状など、自分がもらってうれしいことは当然行う。

*   *   *

以上の4点、どれも言葉にすると一般的な仕事のセオリーそのもので当たり前のような気がしますが、「このサービス・商品を訴求したい」と考えているとどうしても視界が狭くなりがちです(私はよくこの落とし穴にはまります)。
対象は、一体誰で、その人はどういう人で、どういうことに興味があって、だったらどういうアプローチが有効なのか。きちんと考え、計画し、準備するその地道な活動がとても大事。まさに恋する人を落とす方法ですね笑

一方で、売りたい気持ちを先走らせることなく、「このサービス・商品を受け取る人を幸せにしたい」。そういう風な気持ちで取り組むのが、気持ちの一番伝わるリリースになるのだろうなと思いました。

本当に恋するべきなのは、メディア(通過点)ではなくユーザー(最終到達地点)であることも忘れてはいけない観点ですね。

また、今回取り上げた観点は、リリースという用途だけでなく日常の提案や営業資料にも応用できる考え方ではないかと思いました。

ビジネスは他者の気持ちを大切にすることが一番大事。


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