逍遥軒(技術士/建設)のみちくさ紀行

技術士(建設・機械)の筆者。ゼネラリスト的なエンジニアです。仕事を離れての随筆的ブログ…

逍遥軒(技術士/建設)のみちくさ紀行

技術士(建設・機械)の筆者。ゼネラリスト的なエンジニアです。仕事を離れての随筆的ブログ(1〜2本/週を目安)。楽な現場はないけど、終わらない現場もない。間違いあらば、優しくご指摘ください。「気は長く、心は丸く、腹立てず、人は大きく、己は小さく。」

最近の記事

栃木県 県道38号線 中橋~歴史のある3連アーチ橋を拝見

 足利駅から渡良瀬橋に進む途中に中橋があります。中橋の読みは「なかばし」のようです。  駅から進んでいくと何やら工事中で、工事看板を見ると新しく架けるようです。古い橋の宿命でもあり、経年劣化や交通条件などで・・・・と思ってあとから栃木県足利市のWEBサイトを見てみると、「現在の中橋の3連アーチ部分を下流側にスライドし、歩行者・自転車の通行空間として再利用」となっています。残すことも大変ですが、横に新しい橋を架けて道路をシフトさせるのではなく、現橋をスライドさせて残しながらとい

    • 栃木県 県道5号線 渡良瀬橋(下路トラス橋)を拝見

       年代によっては、歌でこの橋をご存じの方も多いでしょう。  歌詞の情景にはまったくそぐわないブログなので、技術系の方以外は読まずにほかのページに移っていただくことをお勧めします。時として技術的な話を持ち出すと雰囲気が壊れるんです。(言い方の問題も大きいかも)  さて、本題に。  耐震補強を拝見と思いつつ、正直なところとしては、近寄ってみるまでは補強されているとは思えないようなすっきりとした印象でした。トラス橋の場合には、部材が増えたり、支点周りに取り付くものがあったりと、目立

      • 国道41号(岐阜)吉ヶ原橋 耐震補強を拝見

         国道41号を富山から岐阜方面に進むと、カーブの先に青いトラス橋が見えてきました。吉ヶ原橋です。  側径間は鈑桁のようでして、なんとなく鉄道橋の配置の雰囲気を感じます。(これは個人的な印象です)  それにしても上路トラスの支点部について、①支点から斜材が伸びる場合と、②吉ヶ原橋のように支点部には垂直材と下限材のみ(斜材は端支点の上弦材から次の格点へ)となっているパターンがあります。①のケースでは端支点の垂直材の断面積が小さく、また材質が1ランク下がっている場合があり、補強・補

        • 富山県南砺市 利賀大橋、とにかく美しい

           国道156号を北上しながら既設橋梁の耐震補強を見学し、さらに北上します。アーチ橋の情報を検索していた時に情報を見かけて気になっていた橋です。  土木学会のデザイン賞とのこと。  どうしてここまですっきりと美しいのか?は現地で見ていた時には受け止め切れていなかったのですが、デザイン賞の講評にあるように、部材の構成に配慮しながらシンプルさと力強さを実現でしているようです。  せっかくなので、望遠レンズ越しに構造を把握し始める悪いクセは始まります。  どの部分を見ても、美し

        栃木県 県道38号線 中橋~歴史のある3連アーチ橋を拝見

          富山県 国道156号 湯出島橋 アーチ橋の耐震補強

           耐震補強の文献を探していた時に知った橋です。興味をひかれたのはアーチ支承部の補強です。  詳しくは川田工業さんの技報に乗っていますのでご覧ください。建設も川田工業さんですね。リンク先に建設時のお話が書かれていました。山に沿った道路ではなく、対岸に一度渡ってすぐに戻っている理由がわかりました。 https://www.kawada.co.jp/technology/gihou/pdf/vol35/3501_04_06p.pdf  国道156号を五箇地域から北上し、国道から

          富山県 国道156号 湯出島橋 アーチ橋の耐震補強

          富山県 国道156号 南砺市 大渡橋

           ダムの水の上にかかる橋。吊り橋というと水面から高い位置にある印象を持っていますが、こちらは水面に近い大渡橋。  私は携わったことがないのですが、地震時の橋軸直角方向の揺れ対策ってどんなものなんですかね?橋軸方向にはダンパーが取り付けられていました。補剛桁(トラス)の下側にダンパーの取り付け部がありますが、どんな接合方法なんだろうか?接合の面の取り方や吊材の合成の設定には設計者の味が出るところです。  次に主塔を見に行きました。昭和33年竣功・・・・そう、「竣工」ではなく

          富山県 国道156号 南砺市 大渡橋

          富山県 国道156号 南砺市 小原橋(上路アーチ)耐震補強を拝見

           五箇地域から北上していた時に、「???」と思った橋です。「???」というのはアーチリブの間になにやら色濃いものがあり、でも重たさがある感じでもなく、何だろうと思っての見学でした。  歩道へと進み、桁下をのぞき込むと珍しい形状のものが視界に飛び込んできました。左右のアーチリブの間を面でつないでいるんですよ。横構などでつなぐといったものではなく、面ですよ。面。  アーチ基部はコンクリートで固めているのかな?情報を探してみましたが判然とせず。でも、たぶん。  こちらの耐震補

          富山県 国道156号 南砺市 小原橋(上路アーチ)耐震補強を拝見

          富山県 国道156号 南砺市 駈足谷橋(πラーメン) 耐震補強を拝見

           谷の名前の読みは「かけあしだに(たに)」で良いのかな?富山の旅の途中で見かけた橋です。  さっとネットで検索した限りでは地名の由来はわかりませんでしたが、古くからの名前とすると、もしかしたら急峻さとか落石とか、谷越えの道で急ぐ必要性があったところなのかもしれませんね。  さて、駈足谷橋はπラーメン(パイラーメン)橋です。そして、どんなふうに耐震補強されているのかな?と興味津々です。  πラーメン橋の耐震補強で気になるのは、脚の支承部と隅角部周辺です。  まずは脚の支点部を見

          富山県 国道156号 南砺市 駈足谷橋(πラーメン) 耐震補強を拝見

          技術士第二次試験の受験記 6/n キーワード学習と論文作成のつながり

           たぶん、「知っているよ!」という内容なので、ほどよく読み飛ばしてください。私が社内で指導するといった機会も出てくるので、その準備的なメモとして書いています。  キーワードを学習する段階で、意味を知ることは大事なのですが、最終的には論文作成につながることから、どのように頭の中を整理するのかが大事です。これはいろいろな書籍やセミナーで言われていることだと思います。  私は、キーワードを300個集め(セミナーでの取り組み)、どの問題で出題されていたのか?(専門的知識(技術的な知識

          技術士第二次試験の受験記 6/n キーワード学習と論文作成のつながり

          技術士第二次試験の受験記 5/n 建設部門の口頭試験

           筆記試験の合格を受けて、12月の口頭試験への準備が始まります。  筆記試験直後には再現論文を進めておらず、試験問題用紙のメモ書きから復元論文の作成にあたりました。  選択科目Ⅲの成績はBでした。(全体ではAABで合格でした)そこで、選択問題Ⅲでできていないことの確認と対策文章の作成を行いました。  現行制度での口頭試験での質問はネット上にそれなりに出ています。質問の実績があるものや、想定質問です。これらについて自分なりの回答を作成しました。  口頭試験の際にはコンピテンシー

          技術士第二次試験の受験記 5/n 建設部門の口頭試験

          技術士第二次試験の受験記 4/n 2部門目の建設部門への挑戦

           転職を経て、建設関係の仕事をするようになりました。  転職して3年目になり、そろそろ建設部門を受験するモチベーションになってきました。  選択する科目は「鋼構造及びコンクリート」で、専門とする事項は「鋼構造」です。  転職してからは橋梁保全の設計に従事しており、鋼構造もコンクリートも両方とも対応していました。2年目の申請段階では業務経歴として書けるほどに業務がクローズできていなかったことや、経歴として専門とする事項を「鋼構造」としたいものの、実務ではコンクリート関係の業務が

          技術士第二次試験の受験記 4/n 2部門目の建設部門への挑戦

          技術士第二次試験の受験記 3/n 機械部門での口頭試験

          口頭試験の準備(以前の試験制度での体験です)  筆記試験に合格したら、次は口頭試験の準備です。  10月末だったか?合格発表から口頭試験は12月中旬と、準備には十分な時間だったと思います。  以前にお世話になったセミナーに申し込んで、口頭試験での質疑応答の整理を行いました。  復元論文についても特段の問題もないような感じだったと思います。ちょっと記憶はあいまいですが。  セミナーのノウハウ部分もあるのでこちらでは記載しませんが、回答の方法のコツや業務経歴の説明でのアピールポ

          技術士第二次試験の受験記 3/n 機械部門での口頭試験

          技術士第二次試験の受験記 2/n 合格した年の受験申請~筆記試験

          合格した年の受験申請~筆記試験 前年度の体調不良は仕方がないとして、翌年度には再度受験となりました。  受験の申請については、業務経歴にしても他の項目にしても前年度と同じでしたので、申請時の3~4月のドタバタ感はなく、穏やかに過ぎました。  キーワード学習などは振り返ればよいので焦りはないのですが、むしろモチベーションというか、危機感というか、試験に向けての緊張感が下がってきたのは事実です。  このあたりの解決は、無理に気持ちを変えるというよりは、実際に回答論文を書いてみる

          技術士第二次試験の受験記 2/n 合格した年の受験申請~筆記試験

          技術士第二次試験の受験記 1/n 1年目の敗退から再挑戦へ

          1年目(1回目) 最初に機械部門を受験したとき、必須科目Ⅰは択一問題でした。  結果は必須科目Ⅰは22/30、一方で選択科目ⅡはB、ⅢもBで不合格でした。  製造業に勤めていた時の受験で、部門は機械部門でした。もともと建設関係の学科の出身なので、この択一式の範囲の広さに圧倒されながらも60%をとれたのは良かったです。  肝心の選択科目は全く勉強せず。言い訳なのはわかっていますが、海外拠点の仕事と国内の仕事の両方を受け持っていたので、たとえて言うなら1日に2×8時間労働の日々

          技術士第二次試験の受験記 1/n 1年目の敗退から再挑戦へ

          私が技術士を目指した理由

           技術士の資格は、大学の授業で先生が「将来、取得するように」とお話しされていたことで知りました。  専門の科目の授業でお二人くらい話されていたかな。簡単にまとめると「技術士はいいぞぉ!」みたいなお話でした。  ですので、取得するか、しないか、という選択ではなく「取るべきものだ」と普通に思っていました。この当時は難関資格ということはまったく感じていませんでした。  建設関係の会社に就職してからは、経営審査の点数に効果があるからと推奨していました。こういった流れの中で、技術士資

          富山県 国道156号 南砺市 平橋

           桁下を歩けるシリーズが組めるほど持ちネタは多くありませんが、天龍峡大橋に続いて。  上路トラスの上下弦材の間に歩道があります。検査路ではありません(もちろん検査路の役目も果たします)歩道橋を並行させて設置するケースは多々ありますが、スパンが長い場合にはこのアイディアもありだな、と感心して見ていました。建設当時には設置されていなかったようです。  国道156号は白川郷から五箇の地域を抜けて富山市内に向かう道路です。平橋はその途中で庄川をまたぐ橋で、赤い色が映えます。  景色

          富山県 国道156号 南砺市 平橋