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アーチ橋の補強を拝見

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アーチ橋の補強関係の記事のマガジンです。補強されたアーチ橋について、写真を交えてご紹介しています。
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長野県 四徳大橋~風疲労対策を拝見(大鹿村への道 長野県道59号 松川インター大鹿線)

長野県 四徳大橋~風疲労対策を拝見(大鹿村への道 長野県道59号 松川インター大鹿線)

 四徳大橋は中央道松川インターチェンジから大鹿村に向かう県道59号線の橋で、支間長150mのトラスドランガー橋です。美しい秘境の村として知られる大鹿村へのアクセス道路に架かっています。そして近年の中央新幹線の工事にともない道路も整備されている路線のようです。
 さて四徳大橋で特徴的に感じたのは、吊材に巻き付けられたワイヤです。大鹿村や中川村は長野県の標高が少し高くなる地域ではありますが、雪対策なら

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雑感 トラス・アーチ橋の支点 ピン結合とピンの位置

雑感 トラス・アーチ橋の支点 ピン結合とピンの位置

 古いトラス橋・アーチ橋についてブログを書くたびに、その支承部分のみをピックアップして、このページの内容は増えていきます。トラス橋・アーチ橋の支点の格点となる部分と支承の位置関係について、ただただ写真を載せて、キャプション以外はほとんど書かないという変なページです。
 並べてみると、時代が進とともに部材の結合点はピンではなくなり、そしてヒンジ部(回転部)は支承になりますね。

出島橋 (1890

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長崎県 荒川橋の耐震補強を拝見(トラスドランガー 国道202号)

長崎県 荒川橋の耐震補強を拝見(トラスドランガー 国道202号)

 長崎旅行で見かけた橋のお話。
 西海橋を見たあと、せっかくなので外海(長崎県の五島列島に面した側)をドライブしました。
 海の景色を楽しみつつも、橋が現れるとみてしまうのは職業病ですね。
 荒川橋の補強はいろいろな要素が盛り込まれており、感心してみてしまいました。
 個人的には仕事で対策案を考えるときの参考(先行事例)になっています。
 設計された方、施工された方のご苦労が伝わってきます。

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群馬県 上越橋~世代交代した新旧の橋が並ぶ

群馬県 上越橋~世代交代した新旧の橋が並ぶ

 関越道を通り、新潟との道を往復する機会がありました。
 時間に余裕があったので、帰路は湯沢ICから国道17号を南下して、群馬に戻るルートにしました。GoogleMapを見ていると「クロソイド曲線記念碑」という一般の方には馴染みがなさそうな、いや建設関係の方には親しみのある名前があったからです。

 線形計算をすると必ず登場するクロソイド曲線ですが、まさか石碑でお目にかかるとは考えてもいなかったの

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長野県 三峰川橋~ランガー桁の耐震補強を拝見(長野県伊那市 国道152号)

長野県 三峰川橋~ランガー桁の耐震補強を拝見(長野県伊那市 国道152号)

 国道152号は分断国道としても知られており、いわゆる酷道でもあります。酷いかどうかは別として、1車線の山道をしばらく走れるので、新緑や紅葉の時期は景色が楽しめます。
 三峰川橋(みぶがわばし)は伊那市(旧長谷村)にあり、橋の名前の通り、三峰川を渡っています。この橋のたもとから南アルプススーパー林道が東へと伸びています。形式は下路式トラスドランガーです。

 リベット接合の部材添接部もあり、どのよ

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富山県 小原橋(上路アーチ)耐震補強を拝見(国道156号 南砺市)

富山県 小原橋(上路アーチ)耐震補強を拝見(国道156号 南砺市)

 五箇地域から北上していた時に、「???」と思った橋です。「???」というのはアーチリブの間になにやら色濃いものがあり、でも重たさがある感じでもなく、何だろうと思っての見学でした。

 歩道へと進み、桁下をのぞき込むと珍しい形状のものが視界に飛び込んできました。左右のアーチリブの間を面でつないでいるんですよ。横構などでつなぐといったものではなく、面ですよ。面。

 アーチ基部はコンクリートで固めて

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富山県 湯出島橋 アーチ橋の耐震補強を拝見(国道156号)

富山県 湯出島橋 アーチ橋の耐震補強を拝見(国道156号)

 耐震補強の文献を探していた時に知った橋です。興味をひかれたのはアーチ支承部の補強です。
 詳しくは川田工業さんの技報に乗っていますのでご覧ください。建設も川田工業さんですね。リンク先に建設時のお話が書かれていました。山に沿った道路ではなく、対岸に一度渡ってすぐに戻っている理由がわかりました。

https://www.kawada.co.jp/technology/gihou/pdf/vol35

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長野県 半の沢橋~上路ローゼ橋のTL20への移ろい(大鹿村への道 長野県道59号 松川インター大鹿線)

長野県 半の沢橋~上路ローゼ橋のTL20への移ろい(大鹿村への道 長野県道59号 松川インター大鹿線)

 県道を大鹿村に向かう途中に半の沢橋はあります。「半ノ沢橋」の表記の場合もあるようですが、「全国道路施設点検データベース~損傷マップ~」に合わせました。
 四徳大橋と同じ路線にある橋です。「アーチ橋だな」「沢が深いのかな?」と思いつつ、何かが気になり、少し見てみることにしました。下から眺めたい好奇心(悪い癖)なのですが、廃道側からはあまり見ることができず、橋の手前の退避スペースから拝見しました。

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長野県 常盤橋 横支材のない中路アーチ橋を拝見(長野県道20号 開田三岳福島線)

長野県 常盤橋 横支材のない中路アーチ橋を拝見(長野県道20号 開田三岳福島線)

 長野県道20号を上流に向かっていくと、御岳百草丸で有名な長野県製薬があります。木曽福島駅周辺でも売っている百草丸を、メーカーの直売所へ!というルートです。

 さて、本題の常盤橋は、そのルートの半ばにあります。
 ときどき横支材のないアーチを見かけますし、こちらも同じ感じかな?と思いながら、橋を渡らず川沿いの道路側から眺めます。建築限界を考えると、このライズでは横支材の配置は難しそうですね。それ

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栃木県 中橋~歴史のある3連アーチ橋を拝見(県道38号線)

栃木県 中橋~歴史のある3連アーチ橋を拝見(県道38号線)

 足利駅から渡良瀬橋に進む途中に中橋があります。中橋の読みは「なかばし」のようです。
 駅から進んでいくと何やら工事中で、工事看板を見ると新しく架けるようです。古い橋の宿命でもあり、経年劣化や交通条件などで・・・・と思ってあとから栃木県足利市のWEBサイトを見てみると、「現在の中橋の3連アーチ部分を下流側にスライドし、歩行者・自転車の通行空間として再利用」となっています。残すことも大変ですが、横に

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