運動を毎日の習慣にして5ヵ月が経ちました
小学生の頃、毎日男の子の中に混じり泥だらけになってサッカーをするのが放課後の過ごし方だった。楽しかった。当時はサッカー選手になるのが夢だった。
5年生の時に「お前サッカー上手やな。南アフリカって呼んだるわ。」と上級生に言ってもらえた。「うわ、なんか強そう…」と思ってすごく嬉しかったが、南アフリカは世界ランクでそんなに上位の国ではないことを後から知って何とも言えない気持ちになった。
中学生になっても高校生になっても、新体力テストでは成績がAで毎年表彰されていた。運動神経には自信があった。
しかし大学生になり、いつの間にか酒を覚えていた。実家に常備されていたビールを毎日当たり前のように飲んでいた。卒業して一人暮らしを始めると、コストパフォーマンスを考えて安いウイスキーを常備しておき、割ったり割らなかったりしながら毎日チビチビと飲むのが楽しみになった。これは20代前半女性の話である。
お世話になっている仕事関係の飲み会も、わたしにとって仕事の一つだったので無条件で参加した。
するとどうだろう。こんな生活を数年続けていると、いつのまにか全力疾走ができない体になっていた。
いやいや、まさかな…。と思って別の日。本気で走ってみよう、と思い立ち人目のつかない一本道を選んで走った。…やはり思うように足が動いてくれない。
とてもショックだった。えええ…って思った。悲しかった。
このままではまずい。そう思って毎日運動をすることにしたのである。
具体的には筋トレ動画とウォーキングを続けることにした。
しかし毎日できるようになるのが大変だった。
よし、やるか。と思う日もあれば、ま、いっかと思って諦める日もあった。
原因の一つに、目的がはっきりしていないことがあった。全力で走れるようになること、という目標はあまりにも漠然としている。痩せたいとも思っていたが、毎日続ける理由になるほど自分の中でモチベーションが上がらなかった。全くうぬぼれている。
それに久しぶりの運動は次の日にこたえた。楽器を演奏するのに筋肉痛であることはその日のコンディションに影響するんじゃないだろうか、という心配もあった。
そうこうしているうちにやってきた自粛期間。完全に仕事ができなくなってしまった。
未来への恐怖で食べる量もお酒の量も増えた。リモート飲みにも参加させてもらい、久しぶりに会う友の顔を見ると楽しくて、しかも家の中だと割り勘の心配もなく、自分の好きな分だけ飲めた。
そして気づいた。リモートに映る自分の顔がまん丸になっていることに。
毎日運動する必然性ができた。自粛があけたとき怠惰な生活を送っていたことがわかる体より、むしろ垢抜けた印象をもってもらえたら、みんなに感心してもらえるかも、というなんとも幼くて淡い期待もあった。
毎日動画で20~30分筋トレをし、30分~1時間ウォーキングをするようになった。何度も自分に負けそうになったが、「あとちょっと。終わりはくる…!」と自分を励ましながらなんとか続けられた。体重計はわたしの努力を数字で物語ってくれた。これまで運動が習慣になっていなかったのだから、体重が数キロ減るのは当然である。
でもそれに励まされて毎日続けられた。昔は得意だったんだからという変なプライドもあったのかもしれない。筋肉痛でひどいときは無理にやっても仕方ないので、ヨガやストレッチを重点的にして何かしら体を動かすことを心掛けた。
運動しても体重が減らない時期や、むしろ増えてる日もあった。女性の体はそういうものらしい。でもその時にはすでに運動の別の効果を感じていた。
運動を続けると悩んでる暇がなくなった。
この先の未来への不安という漠然とした悩みで眠れない夜もあったが、運動をすると頭がスッキリして気持ちが前向きになった。
筋トレでくじけそうになっても、「こんちきしょー!」とダメ押しの+1ができたとき、ああ自分もまだやれるのだと小さな達成感が生まれる。
それにわたしは何年も接骨院に通うほどのひどい猫背だったが、運動の定着で気づくと無意識うちに胸を張って歩けるようになった。これは一番の収穫だった。今まで眠っていた肩甲骨が姿を現し始めると、それだけで自分が生まれ変わったみたいだった。自信になった。そうしていくうちにお酒も別にいらなくなってきた。
運動は科学的にもメンタルケアの効果があると言われている。専門的に学んだ訳ではないが、実体験を通して本当にその通りだなと思った。ただただ後ろ向きな自分にも幸福感を与えてくれた。
周りからの印象は案外変わらないようだったが、運動後は頭がクリアになり集中力が増したので、仕事や日々の時間効率が上がった実感がある。何故今までやらなかったんだろう。本当にいいことしかない。
ひとつ注意点をあげるなら、頑張った自分へのご褒美を与えすぎないことである。運動直後は食欲が増すので時間を置いて落ち着かせてから食べるほうが良い。それでも食べたいときは、食べたい分だけ走る。食べた分だけ走る。これもモチベーションの一つになるのならそれはそれでいいかもしれない。
お酒の習慣から運動の習慣へ。こんな自分に5ヵ月で変われるとは思っていなかった。
小さな達成感と日々のスキルアップのためにこの生活を続けていきたい。何よりも自分らしくいられるために。
それでは今日も、いってきます。
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