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科学的に最高の勉強法


はじめに

自身の備忘録として、安川康介さん著「科学的に正しい最高の勉強法」を読んで学んだことをまとめます。

非効率的な勉強法

学習には脳への負荷が必要

学習して記憶を脳に定着させるには適度な負荷が必要。
一般的な学習方法である「繰り返し読む」「ノートに書き写す」「重要な箇所にマーカーを引く」などは脳に負荷をかけることなく実行できてしまうため、記憶の定着率が低く学習効率が悪い。

流暢性の勘違い

再読を繰り返していくことで、文章がスラスラ読めるようになるため、体感的には知識が身についているように感じるが、長期間立った際の記憶への定着率に優位な違いは見られない。

効果的な勉強法

アクティブリコール

アクティブリコールとは、学習した内容を思い出して活用すること。
脳は記憶を活用することで「この情報は必要だ!」と感じるようになり、長期記憶として保存しようとする。
アクティブリコールを行う時はヒントが少ないほど高い効果を発揮する。
体感では効果を実感しにくいが、通常の学習と比較して知識が脳に定着しやすいことが研究で証明されている。
人に説明するように学習すると学習効果が高まるというプロティジェ効果や声に出すことで学習効果が高まるというプロダクション効果と併用するとでより効果的になる。

分散学習

1度の機会にまとめて学習した場合と、複数回に分割して学習した場合だと、学習時間が同じであった場合でも分割した方が記憶に定着する。
同じ情報が繰り返し出てくることにより脳が「この情報は必要だ!」と感じるようになり、長期記憶として保存しようとする。
特に分割学習にアクティブリコールを活用すると、高い効果を発揮する。(連続的再学習)
分散学習の観点からも、スキマ時間に少し勉強するというのは理にかなっている。

難易度設定

学習する際は自分の能力でギリギリ達成できるレベルの仕事や学習に取り組むと、最もモチベーションや学習効率を高くできる。(ゴルディックスの原理)

精緻的質問と自己説明

精緻的質問とは、学習する内容に対して、なぜ(why)やどうして(how)を用いて内容の深掘りをしていくことで学習分野への理解を深めること。
また、知識は積み重ねにより形成されていくため、深掘りしていく中で自分の背景知識との関連性が見えてくると、学習分野に対して体系的に理解できるようになる。
日常生活の中でもちょっとした疑問を大切にしていくと良い。
(子供がなぜ?どうして?と好奇心が強いのは、その方が学習効率が良いと本能的にわかっているから?などと考えると面白い)

自己説明とは、精緻的質問の延長線上で、質問に対する回答を自分に説明するように学習していくこと。より知識が脳に定着しやすくなる。
学習に対する理解度を数値化することも自己説明の一部で、これらは理解度に対するメタ認知となり、理解が不足している部分を精緻的質問でさらに深ぼっていったり、学習スケジュールの作成に活用することができる。

総じて、「分野に対する根本理解を目指すことが必要」という前提で、根本理解を得るために精緻的質問で知識を深掘りしていき、自己説明で理解度のメタ認知を得て、また精緻的質問につなげていくことが重要と考える。

インターリービング

同じ学習内容の別の問題を連続して解くようなブロック学習よりも、似た分野の別の問題をランダムに解くランダム学習の方がその後のテストでの成績が高くなるという研究結果が出ている。
 (それぞれ解法を思い出そうとすることによるアクティブリコールと、他の問題を挟むことによる分割学習の効果が発揮されている?)
ブロック学習を行なった方が正答率が高くなるため、主観的な学習効率はブロック学習の方が高く感じられるが、実際はランダム学習の方が成績が高くなるという研究成果が発表されている。
しかし、背景知識がない状態で初めて勉強する場合はブロック学習の方が効率が良い場合があることや、ランダムにする内容が全く別の分野だと効果が見られないという例外もある。
このことから、初回学習時は書籍で体系的に学習を行い、練習問題は分野をごちゃ混ぜにして解くのが良いのではないかと考える。

勉強へのモチベーション

自己関連付け

学習内容が自分自身にどう関係していて、身につけることで自分にどのようなメリットがあるのかを知ることがモチベーションに直結する。

自己効力感

自分にはできるという気持ち。
自己効力感が高いとより高い目標を設定して学習に取り組める。
自己効力感を高めるには以下の要素がある。

  1. 成功体験

  2. 他者の成功体験

  3. 他社からの勇気付け

自己効力感を高める方法として、大きな目標の中に小さな目標を設定して、日々小さな目標を達成することで成功体験を積むというものがある。
成功体験と自己効力感の向上でフィードバックループが生まれる。
また、自身の学習状況を数値化して自分に見えるようにすることも効果的。(セルフモニタリング)

自己決定理論

モチベーションの動機づけが自身の内的なものと外部からどの程度影響を受けているかを説明する理論。
より内的であるほどモチベーションは高くなる。
自己決定理論の度合いは主に以下の3つから測ることができる。

  1. 自律性:他者の指示ではなく自分の意志でコントロールできている。

  2. 有能感:活動を通してより高い有能感を得られるようになる。

  3. 他者との関連性:他者とのつながりを生み出す。

これらを満たすような活動はより内的な動機づけがなされ、高いモチベーションで取り組むことができる。

その他のtips

好奇心のまま学習してみる

好奇心は学習の一番の原動力。
好奇心がある状態で学習すると集中力や記憶力が向上する。
あと単に楽しい。
日常の中でのちょっとした疑問を大切にしよう。

場所を変える

知識はそれを覚えた場所で思い出すのが最も簡単。
次点で場所を切り替えながら覚えることで思い出しやすくなる。
気分転換の点でも◎。

睡眠

記憶は睡眠中に整理され定着するため、寝る直前の夜に学習したものの方が覚えている確率が高い。

睡眠の質を高める方法

  • 毎日の睡眠リズムを一定にする

  • ベッドは睡眠とSEX以外に使わない

  • 20分以上眠れない場合は一度ベッドから出る

  • 睡眠の30分前から電子機器を見ない

  • 睡眠前は食事や過度な水分補給を避ける

運動

海馬などの脳の一部は、運動や学習により脳神経細胞を増やすことができる。
また運動することにより脳神経回路同士の結合(シナプス)を強化するBDNFというタンパク質の生成が強化される。

ジャーナリング

不安に駆られた時は以下のようなジャーナリングが効果的。

  1. 自分が直面している事態について書き出す

  2. その事態に対して自分が取れる行動をすべて書き出す

  3. どの行動を取るかを決定する

  4. すぐに決定した行動に移す

自分が考えていることをただ書き出すだけでも気持ちの整理になる。

アクションプラン

以上の学習を通して、アクティブリコール、分散学習、プロティジェ効果、プロダクション効果を取り入れ、自分なりのアクションプランを作成した。

  1. 本を読む時は章ごとに区切って読み、読み終わったらアクティブリコールで内容を白紙の紙にノーヒントで声に出しながら書き出す。
    その後章を読み返して不足知識を追記する。

  2. 本全体が読み終わったら、アクティブリコールで内容を白紙の紙にノーヒントで書き出す。

  3. 本で学んだ内容について何も見ずにブログの記事を作成する。

  4. 記事の内容を本、1、2のアクティブリコールの内容を確認してブラッシュアップする。

  5. 記事を作成した1 週間後に再度アクティブリコールを行う。

本記事も上記アクションプランに則って作成したものだが、アクティブリコールの際に思った以上に読んだ内容が思い出せず、脳に負荷をかけずただ読んでいただけだったことを痛感させられた。
また、試しに昔読んだ本の内容をアクティブリコールで書き出そうとするとペンが全く動かず絶望した。
現在はまだ本を読んだ直後なので分からないが、普段より内容が脳に定着していることを期待する。
今後もアクションプランを継続して読書内容を実りのあるものにしたい。

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