Face myself❷(さよなら、イチさん)
前回の記事、
「さよならの向こう側」も、
かなり良い気づきができたと思うのですが、
その後、また別の気づきのあとのミラクルが、
とてつもなかったので、
記録に残したいと思います。
今回の気づきについてアクターは、
海遊商事のあーちゃんにお願いをしたいと思います。
こんにちは。
このお話は、まず、十五年以上も前のことを遡らなくてはなりません。
あーちゃんは、当時企画のお仕事をしていて、
美しい色のレースや、肌触りの良い身生地にかこまれて暮らしていました。
もとい、
仕事をしていました。
四月になり、
あーちゃんの課に新入社員が入ってきました。
大柄な、なかなか体力のありそう、
というのが第一印象の、はつらつとした女性でした。
イチさんは、あーちゃんのもとでさまざまなことを学ぶことになりました。
あーちゃんは最初は丁寧に、社会人の基礎から、
あーちゃんがしている仕事の補助的なことから、
あーちゃんなりに考え、イチさんに接していました。
しかし、あーちゃんはだんだん、イチさんに違和感を感じ始めます。
イチさんは、あーちゃんの指示に対して、
素直さに欠けているのです。
猫をかぶっていたのでしょう。
なんなら、「は?」みたいな表情はするし、
徐々に対抗意識を燃やしてくるかのように、
挑みかかってきます。
あーちゃんはだんだん、イチさんとお仕事するのがツラくなってきました。
どちらかといえば、怒りが増してきて、
イチさんとよくすったもんだの衝突をするようになりました。
水と油のような、あーちゃんとイチさんに見かねて、
チームリーダーは二人を引き離したのでした。
問題児のようなイチさんですが、
すべての人に対してわがままにふるまうわけでもなく、
あーちゃんの同僚やチームリーダーとは、
そこそこうまくやっているようでした。
いや、そこそこうまくやっていたのは、
同僚やチームリーダーが、
大人のたしなみで、呆れながらも、
うまく扱っていたのかもしれません。
彼女の良い部分も視野に入れながら。
あーちゃんは、粗野な新入社員に、
同レベルで真っ向から立ち向かい、
良い部分に目を向けれなかった、ということです。
その後、あーちゃんは異動となり、
イチさんと顔を合わすこともほとんどなくなり、
彼女に対する想いも、するすると、
昔話のように風化していっていたのでした。
それがこの六月から、
部署は違えどイチさんと同じフロアでまた働くことになったのです。
最初は気にならなかったあーちゃんなのですが、
なぜかしらイチさんがあーちゃんのテリトリーに入ってくる事件があり、
また、彼女を疎ましいと思う心が復活して、
ぐいんとストレスがせり上がってきたのでした。
あーちゃんは異動後、
偶然の重なりで知り得た知識(ワーク)を、
イチさんにあてはめてみようと様々検証してみます。
そこそこ、納得できるワークができて、
彼女の存在感もあーちゃんの中で徐々に薄まってきたとき、
さらに決定的な気づきがありました。
noterさんでakaiki_shiromiさんのブログ。
エッセイは、涙しながら読んで共感するのですが、
その日読んだ記事は違いました。
確か「前職で、わたしを嫌っている人がいた」という内容だったと思います。
共感というよりも、真逆の内容にあーちゃんは胸がきゅっとなりました。
そうだ、わたしはイチさんをずっと嫌っていた。
逆に、イチさんの気持ちを考えたことがあるか?
何か課題を突き付けられたような気持ちのまま数時間後、
夜、YouTubeでコンサルの賢太郎さんのショートを、
たまたま見ていたときのこと。
「あなたを本当に大切に思っている人」
というタイトル。
゛頭ごなしにアドバイスしてくる人は、あなたを見くびっています”
゛支配しようとしています”
さきほどのakaiki_shiromiさんの記事と、
賢太郎さんにのショート画像の点と点が、
線としてつながった結果でした。
同じ日に!
あーちゃんは、イチさんを支配しようとしたのです。
なぜなら、彼女は後輩だから、新入社員だから、何も知らないから、
教育係の言うことを聞かなければならない。
なぜなら、わたしはずっとそうしてきたから。
なぜなら、わたしはタテ社会で、先輩に尽くしてきたから。
「支配」については、
イチさんだけでなく、いろいろな過去のこと(人)が頭をかすめます。
わたしはイチさんをまったく尊重していなかった。
認めなかった。
彼女は認めてほしくて、
一生懸命、不器用に、
存在を誇示していただけかもしれないのに。
なんて愚かな。
あーちゃんは、その夜、涙をしばらく流したのでした。
その翌日のこと。
あーちゃんは会社のボックス席といわれるソファーシートで
作業をしていました。
その数分後、イチさんとあーちゃんの同僚がやって来て、
もうひとつのボックス席に座りました。
二人はあーちゃんに気づいていないようです。
すると、イチさんは、
「今月で会社辞めます。先に○○さんには言っておきたくて」
と言いました。
あーちゃんは衝撃的に驚きました。
あーちゃんがお世話になっている先生も、
また、バイロンケイティの書籍も、
同じことを言われています。
「その課題について、゛終わった”とき、その人物はいなくなるか、まったく気にならなくなります」
あーちゃんは、ああ、長らく続いたわたしの「支配」についてのお勉強は、終わったのだ、と、気が抜けるような思いがしたのでした。
そして、
イチさんは、家族(子供)のために仕事を辞めるようです。
これまで、「ネガティブ」な印象でしかなかったイチさんですが、
彼女の母性、愛情深さ、潔さ、に、あーちゃんは初めて、
リスペクトし、心の中でエールを送ったのでした。
イチさん、ありがとう!
気づかせてくれてありがとう!
きっと、次の後輩は問題児であっても、
もう少しゆるやかに見守れる気がします。
イチさん、きっとこれからも仲良くはなれないと思う。
でも、最後の最後に素敵なギフトをありがとう!
気づかせてくれてありがとう。
仕事をしながら、あーちゃんは涙がなかなか止まらず、
困ったのでした。
<スピンオフ>
最後までご覧いただきありがとうございました☺
2024年7月、しんどかったけれど、
様々なことに気づけてありがたいとしか言いようがありません。
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