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モネ展に行ってみた。

コロナに罹って一週間以上が経ち、症状は治まりテストも陰性になったのに、何だか脳内がボーッとしていて、心とお肌が乾燥しているなあ、身体もだるいなあ、と感じていた。

水曜日に大事なことが控えていたので、何とか気持ちに揺さぶりかけないといけない。本を読む集中力はまだ続かない。映画は大音量がしんどそう。

そうだ!モネの展覧会、中之島で確かまだやってたかな。行ってみよう!

月曜日は普段は閉館日だが、モネは大人気だから開館してくれていて良かった。思い立ったら吉日。いざ、ヨーロッパの世界へ。春の川沿いを深呼吸しながら丁寧に歩いてほんの30分。まだちょっとフワフワするけど咲き始めた桜に元気をもらう。

もう一人の女性の方と思わずカメラを向けて笑ってしまった。


モネといえば睡蓮。でも、今回のウリは連作だ。

以前、ピアノでドビュッシーかラベルを習っていた時に先生がニューヨークの美術館で撮ってきたモネの連作を見せて下さった事がある。全く同じアングル、同じ風景なのに、光の向きや量はもちろんの事、色彩、空気感、もやのかかり具合など全然違う2枚の絵が並んでいた。

今回はそれが観たかった。
もちろん音声ガイドは必須。

以前、展示作品について何の予備知識も無いまま倉敷の大原美術館に行ってしまった時、日本語オーディオもあると勧められて借りてみた。凄かった。

作品の前に立ち、その作品からの圧倒的な視覚的パワーを感じている時に、その作品の時代背景や成り立ち、作者の社会的立場や状況、作品の中に小さく表現されている部分(言われないと見逃してしまうような)が理解できると作者が何を思ってこれを描いたのかが、うっすら見えてくる。これが面白い。

今回のモネの連作も画家として売れないのに、展覧会でも評価されないのに、何度も何度も同じ場所へ通い、早朝だったり、夕日の沈む瞬間だったり、雨だったり、初夏の爽やかな日光だったり。その場所を何度も描く、描く、描く。。。

ウォータールー橋(曇り・夕暮れ・日没)

描くことが好きで好きで、呼吸するかの如く描かずにはいられない、しつこいくらいに粘り強く、納得いくまでその場に身を置き続ける。
五感を研ぎ澄ませながら。

そんなモネ爺さんの生き様や静かな熱い情熱が感じ取れるモネ展でした。
  敬服。

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