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【連続小説】 冒険ダイヤル

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おさななじみとの再会を願う、高校生たちの物語。 そこには小さな謎解きが待っています。
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#幼馴染み

冒険ダイヤル 第6話 みかんと先住民

チャイムが鳴ると生徒たちが教室の空気をかき混ぜ始めた。 みんなクリーニングしたての制服で…

アイチャイム
8か月前
16

冒険ダイヤル 第7話 公衆電話と謎解きゲーム

災害用伝言ダイヤルとは災害が発生したとき被災地域に電話がつながらない場合に使える声の伝言…

アイチャイム
8か月前
6

冒険ダイヤル 第11話 直線距離 

ところが、約束の時間になって171にダイヤルしても野田さんたちからの伝言はなかった。 「…

アイチャイム
8か月前
13

冒険ダイヤル 第12話 セブンティーンと長電話

百段まで登っても、ちっとも上が見えない。深海は本当に涙が出そうだったが、だから帰ればよか…

アイチャイム
8か月前
8

冒険ダイヤル 第14話 こたつ授賞式

「あたし寒くなってきちゃった。亮君、この黄色いのずっと着ててもいい?」 奈々美はあんなに…

アイチャイム
8か月前
12

冒険ダイヤル 第15話 ゲームの始まり

みかんまんじゅうを食べたあと四人の高校生たちは夏休みの写真を見せ合うことにした。 静岡旅…

アイチャイム
7か月前
8

冒険ダイヤル 第16話 いちもんめ

「ふーちゃん何かあったの?」 放課後、顔を合わせるなり絵馬にそう言われて深海はドキッとした。 待ち合わせのファーストフード店は三時をまわって混みだしており、カウンター席しか残っていなかった。 後から来る駿たちのためにかばんを置いて座席を確保しておくことにした。 絵馬の前にはマンゴーシェイク、深海の前にはアイスティーとフライドポテトが並んでいる。 「実は例のフェイク・ニュース・ノートを作った男の子がね…」 魁人の考えた謎解きウォークラリーと災害用伝言ダイヤルのこと、彼がいな

冒険ダイヤル 第17話 ( )

その日はいくら待っても魁人からの電話は来なかった。 しかし念のため翌日の朝一番に171を…

アイチャイム
7か月前
10

冒険ダイヤル 第20話 ソフトクリーム集め

ホームで突っ立っていた駿に魁人から電話がかかってきた。 何の前置きもなく『バスロータリー…

アイチャイム
7か月前
9

あたい、和菓子たべたい【短編小説】

「ABCっていう新しい和菓子屋ができたんだ」 休み時間、いつものように魁人は私の机に座った。…

アイチャイム
7か月前
21

冒険ダイヤル 第21話 友情と食欲 

カフェを出ると深海たちは国道の上を渡るデッキの直前で足を止めた。 すぐそばにロータリーへ…

アイチャイム
7か月前
12

冒険ダイヤル 第22話 すみれの花のような

思えば魁人はいつも深海をからかっていた。素直な深海はいちいちそれに反応して面白がられてい…

アイチャイム
7か月前
7

冒険ダイヤル 第23話 迷子のおみやげ

歩道橋を渡った駿と絵馬はぶらぶらと看板を探して歩いていた。 途中でソフトクリームが売って…

アイチャイム
7か月前
8

冒険ダイヤル 第24話 蜂蜜とハート

絵馬は蕎麦湯をたっぷりとそば猪口に注ぎ、唇をすぼめて息を吹きかけながらちびちびと飲んだ。駿はもう食べ終わっていたが外の暑さを思うとすぐに腰を上げる気になれず頬杖をついていた。お盆の上で手のひら大のルイくんが可愛らしくポーズをとってたたずんでいる。もちろん蕎麦と一緒に撮影済みだ。 「どうしてあの子に自分で声かけなかったの?」 「子供から見たら、おれよりエマの方が安心できるだろ」 「意外と繊細な気配りするんだね」 見知らぬ男に急に話しかけられたら怖がられるかもしれない。 親に見