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【連続小説】 冒険ダイヤル

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おさななじみとの再会を願う、高校生たちの物語。 そこには小さな謎解きが待っています。
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#小説

冒険ダイヤル 第1話 カニかまと幼馴染

「ねえ、ふかみ。あの子、なんて言ったっけ?望遠鏡が好きな男の子。野田マートの近くに住んで…

アイチャイム
8か月前
4

冒険ダイヤル 第2話 マーガレットとアプト式

「でさ、おお可愛い線ってどういうとこなの?」 「大井川鉄道井川線だよ、エマちゃん」 手元か…

アイチャイム
8か月前
7

冒険ダイヤル 第3話 ヘアゴムとバックル   

 《 フェイクニュース・ノート 》  ノートのおきて  ① うそのニュースだけ書くこと  …

アイチャイム
8か月前
4

冒険ダイヤル 第4話 フェイクニュースノート

「パソコンのパスワードにバーカバーカベロベロバーと入力すると爆発する、だって。はなまる十…

アイチャイム
8か月前
7

冒険ダイヤル 第5話 絶対に損しない恋 

それからふたりで一晩中おしゃべりをした。 絵馬はつい最近男の子につきあってほしいと告白さ…

アイチャイム
8か月前
6

冒険ダイヤル 第6話 みかんと先住民

チャイムが鳴ると生徒たちが教室の空気をかき混ぜ始めた。 みんなクリーニングしたての制服で…

アイチャイム
8か月前
16

冒険ダイヤル 第7話 公衆電話と謎解きゲーム

災害用伝言ダイヤルとは災害が発生したとき被災地域に電話がつながらない場合に使える声の伝言板で、171の番号に電話をかけてメッセージを録音したり再生したりできるというものだ。被災地域の公衆電話からは無料で利用できる。 「それって地震とかが起きてないと使えないんじゃないの?」 「毎月一日と十五日は体験利用ができるんだ。おれたち全員、携帯電話がないだろ?だから伝言ダイヤルを使おう」 魁人の計画はこうだ。 ある単語をひと文字ずつばらばらにして記したカードを準備する。 コース上のあち

冒険ダイヤル 第8話                   ドーナツのドにネッシー…

翌日は土曜日で学校は休みだった。 爽やかな快晴で十二月にしては暖かく、絶好のウォーキング…

アイチャイム
8か月前
7

冒険ダイヤル 第9話 ハイチュウと絆創膏

トイレ休憩の後、駿から伝言が入っていた。 「その六文字で全部だよ。だからヒントは無し。あ…

アイチャイム
8か月前
10

冒険ダイヤル 第10話 借り物

さっきメモした文字をもう一度眺める。 並べ替えパズルの類は何度もやらされたことがある。な…

アイチャイム
8か月前
8

冒険ダイヤル 第11話 直線距離 

ところが、約束の時間になって171にダイヤルしても野田さんたちからの伝言はなかった。 「…

アイチャイム
8か月前
13

冒険ダイヤル 第12話 セブンティーンと長電話

百段まで登っても、ちっとも上が見えない。深海は本当に涙が出そうだったが、だから帰ればよか…

アイチャイム
8か月前
8

冒険ダイヤル 第13話 点と線のちょうちょ

「171に電話しよう。魁人がひとりで待ってる」 受話器を取り、最新のメッセージを聴くボタ…

アイチャイム
7か月前
15

冒険ダイヤル 第14話 こたつ授賞式

「あたし寒くなってきちゃった。亮君、この黄色いのずっと着ててもいい?」 奈々美はあんなに恥ずかしがっていたビニールのベストの中に亀のように両腕を引っ込めていた。 「着て帰ってもいいよ。それ着て毎月うちのお父さんと環境保全活動に参加したらいいよ。僕もやるからさ」と亮は言った。 その姿を何気なく見ていたとき深海は急にひらめいた。 もう一度、野田さんのメモと新しいヒントの数字を確かめる。 そして魁人のそばへ行って耳打ちした。 「魁人、私わかった。最後の問題の答え」 「ほんとか?」