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【連続小説】 冒険ダイヤル

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おさななじみとの再会を願う、高校生たちの物語。 そこには小さな謎解きが待っています。
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#冒険

冒険ダイヤル 第1話 カニかまと幼馴染

「ねえ、ふかみ。あの子、なんて言ったっけ?望遠鏡が好きな男の子。野田マートの近くに住んで…

アイチャイム
8か月前
4

冒険ダイヤル 第2話 マーガレットとアプト式

「でさ、おお可愛い線ってどういうとこなの?」 「大井川鉄道井川線だよ、エマちゃん」 手元か…

アイチャイム
8か月前
7

冒険ダイヤル 第3話 ヘアゴムとバックル   

 《 フェイクニュース・ノート 》  ノートのおきて  ① うそのニュースだけ書くこと  …

アイチャイム
8か月前
4

冒険ダイヤル 第4話 フェイクニュースノート

「パソコンのパスワードにバーカバーカベロベロバーと入力すると爆発する、だって。はなまる十…

アイチャイム
8か月前
7

冒険ダイヤル 第5話 絶対に損しない恋 

それからふたりで一晩中おしゃべりをした。 絵馬はつい最近男の子につきあってほしいと告白さ…

アイチャイム
8か月前
6

冒険ダイヤル 第10話 借り物

さっきメモした文字をもう一度眺める。 並べ替えパズルの類は何度もやらされたことがある。な…

アイチャイム
8か月前
8

冒険ダイヤル 第11話 直線距離 

ところが、約束の時間になって171にダイヤルしても野田さんたちからの伝言はなかった。 「少し待ってからかけ直そう」 拍子抜けして自転車にまた寄りかかり、魁人はリュックから菓子パンを取り出して食べ始めた。 「お前いくつ食うんだよ。さっきおれのまで勝手に食べてたよな?」 「寒いとお腹が空くだろ。じっとしてると寒くないか?あったかいもんが飲みたいな。ホットのいちごミルクとか」 魁人の言葉に深海と駿は目を見開いた。 「そんな変わったものがあるの?」 「見たことないぞ」 「あるよ。あ

冒険ダイヤル 第12話 セブンティーンと長電話

百段まで登っても、ちっとも上が見えない。深海は本当に涙が出そうだったが、だから帰ればよか…

アイチャイム
8か月前
8

冒険ダイヤル 第13話 点と線のちょうちょ

「171に電話しよう。魁人がひとりで待ってる」 受話器を取り、最新のメッセージを聴くボタ…

アイチャイム
8か月前
15

冒険ダイヤル 第14話 こたつ授賞式

「あたし寒くなってきちゃった。亮君、この黄色いのずっと着ててもいい?」 奈々美はあんなに…

アイチャイム
8か月前
12

冒険ダイヤル 第15話 ゲームの始まり

みかんまんじゅうを食べたあと四人の高校生たちは夏休みの写真を見せ合うことにした。 静岡旅…

アイチャイム
7か月前
8

冒険ダイヤル 第16話 いちもんめ

「ふーちゃん何かあったの?」 放課後、顔を合わせるなり絵馬にそう言われて深海はドキッとし…

アイチャイム
7か月前
8

冒険ダイヤル 第17話 ( )

その日はいくら待っても魁人からの電話は来なかった。 しかし念のため翌日の朝一番に171を…

アイチャイム
7か月前
10

冒険ダイヤル 第18話 (( ))

翌日の昼休み、学食のすみっこのテーブルを挟んで駿と絵馬は口喧嘩をしていた。 「ふーちゃんの問題はあたしの問題でもあるの。黙ってられないよ」 「お前は魁人のこと知らないだろ?あいつひねくれた所があるんだ。勝手に啖呵切ってあいつを怒らせないでくれよ」 「じゃあ駿ちゃんは魁人くんがどういうつもりかわかってるの?」 「ただのいたずらじゃないってことくらいはな」 駿は怒りながらもしっかりたぬきうどんを食べていた。 最後まで汁を飲み干して荒っぽく丼を置き、絵馬をにらみつけた。 彼は