学級全体への指導方法論〜失敗から学んだこと〜
みなさんこんにちは、けーた先生です。
ルール守ってないから指導したのに保護者からクレームがきた。
正しいこと言ったのに反発されて学級がうまくいかない。
そんな経験ありませんか?
私も若い頃たくさんの失敗をしました。そんな失敗から学んだことをお話しします。
1.「失敗談」
《エピソード1「シャツ出し注意からの保護者激怒」》
シャツ出し問題。
みなさんの学校でもありますか?
これは私が小学校講師として初めて担任をした時のお話です。
担任をして1ヵ月も経たない頃、シャツを出している女子児童がいたので何回も注意をしていました。
初めの頃は「シャツ出てるから入れなー」程度で優しく声をかけていました。
その時は「わかりました」とすぐにシャツを入れました。
しかし、それが1日何回も、そして数日間毎日続きました。
何度も声をかけてるのにシャツを出すことにイライラしてしまった私はある時大きなミスを犯しました。
その日も朝から注意していた私は、給食の準備をしている時にまたシャツを出している女子児童をみんなの前で大きな声で叱りました。
「シャツ出てるよ。何回言ったらわかるんだよ。あなただけだよこんなに言われてるの」
イライラしてしまった私はかなり強めに叱りました。
その日その児童がシャツを出すことはありませんでした。
さて、放課後です。ある一本の電話が。
「どうしてうちの子だけ怒られるんですか。
いつからそんなルールあるんですか。
前の担任には言われなかった。
納得いきません。
先生と話したいので今から学校に行きます。」
女子児童の母親からでした。
電話口では相当怒鳴っていて興奮状態です。
私は「他の子もシャツを出していれば注意してます。
「うちの学校はずっと同じルールでやってます。」
と言いましたが、全く聞く耳を持ってくれませんでした。
その後保護者が来校し、怒り心頭の様子で散々罵られました。
「来たばっかりだから知らないだけです。
若くて経験ない先生だから指導できてないんじゃないですか。
だから周りを見られないでうちの子だけ注意するんじゃないですか。
そんな人に担任してほしくないです。
みんなの前で怒られるようなら今後学校に行かせたくないし、娘も行きたくないって言ってます。」
20代前半の私にはかなりのダメージでした。
何度もそんなことないと説明しましたが、私の声が届くことはありませんでした。
事態を収めてくれたのは同席してくれていた学年主任でした。
「うちの学校では同じルールでしたし、どのクラスでも同じように説明しています。
ただし、指導の仕方で不信感を持たせたことは申し訳ありませんでした。
今後は私も注意深く見ていきます。」
この言葉で徐々にトーンダウンしていき、最終的には私がみんなの前で叱ったことに対して謝罪をしてその日は終わりました。
翌日、児童が無事に登校してきたため、不快な思いをしたことを謝罪しました。本人は大丈夫ですという感じで、特に何事もなく終わりました。
放課後そのことを母親に電話で報告すると、前日とは打って変わりトーンダウン。
事なきを得ましたが、その後授業参観のたびに怯えてたのは言うまでもありませんでした。
《エピソード2「学級全体に厳しいことを言って気持ちが離れる」》
これも20代のお話です。
人数も多く、学級のルールが確立されていないクラスでした。
熱血だった私は、何かある度に全体に厳しいお話をしていました。
しかし、よくなるどころかどんどん収拾がつかない状態に。
時間は守れない、おしゃべりは増える、授業に集中できない。
本当に悪循環でした。
そんな状態で2学期が終わり、3学期からはベテランの先生がT2で入ってくだあさることが増え、少しずつ落ち着きはじめ、なんとか1年間を乗り切りました。
トラブルも絶えず、何度保護者と電話したかもわかりません。
とにかく大変な1年でした。
2.「失敗した理由」
では、なぜ失敗してしまったかを分析します。
《エピソード1の分析》
まず、ここでの問題点が二つあります。
1つ目は、みんなの前で1人を指導してしまったことです。
みんなの前でやってしまうと、注意された内容よりも、みんなの前で注意されたことによって自尊心が傷ついたことが思考の中心になってしまいます。
その結果、家に帰ってからその自尊心を回復するために保護者を使ったわけです。
2つ目は感情的になってしまったことです。
私たちにも感情があるわけで、仕方がないことかもしれませんが、みんなの前で、しかも男性教員が女子を感情的に指導してしまうのは関係性を崩しても仕方ないですよね。
これが2つ目のミスです。
《エピソード2の分析》
ここではたくさんの問題点があるのですが、特に2つ上げます。
1つ目が個別で生徒指導しなかったこと。
そもそも学級が落ち着いてないこともあり、教室を空けて個別で指導するのが難しい状況もあったのですが、全体で指導してばかりだと真面目にやっている子どもから不満が出てしまいます。
その結果、不満がたまり、学級全体がうまく機能しなくなってしまいました。いわゆる負の連鎖状態でした。
2つ目は、全体で指導したことです。
時には声を荒げることもありました。
これが大きな失敗でした。
女子の中には、大人の男性の大きな声が苦手な人が一定数います。
これは大人の女性でも同じです。
これをやってしまうと、何を言ってようが苦手な人というレッテルを貼られてしまいます。
男性が一度女性からNGを食らうとそれをひっくり返すのは至難の業です。
これをやってしまったので、大人しい真面目な子たちにも嫌な印象を与えてしまいました。
3.「学んだこと」
この経験から私は次のことに気を付けて指導しています。
《全体では叱責しない》
基本的に全体で強い口調で指導することはなくなりました。
全体で指導しなければいけないときは、丁寧な言葉で、みんなが困るよというスタンスで諭すように話しています。
特に女子がいるところで怒鳴ることはしません。
感情的にならないよう、とにかくみんなに損をしてほしくないからみんなで声かけあってよくしていこうという話をするようにしています。
《指導は個別が基本》
指導が必要な時には基本的に個別で行います。
感情的にならないよう、気を付けています。
個別で話を聞く、時間はかかりますが、これを基本としています。
何人か話を聞く場合、うそをつくとつじつまが合わなくなるので、最終的には突き合せますが、最初は個別で聞くようにしています。
《感情的にならによう気を付ける》
これ、すごく難しいんですけどね。
ですから、私はいつも「先生も人間だから感情はあるから、失礼なことをされたら怒る」という話をしています。
目上の人に失礼なことをしないというのは日本では常識ですので、それをきちんと話すようにしています。
もちろん全く怒らないというわけでもありません。
以上のことが私が失敗から学んだことです。
若いころの自分を思い出すだけでも恥ずかしいですね。
でもある意味若さが武器でもあったので、失敗もいい経験に変えられたと思っています。
このお話はあくまでも一例ですので、みなさんも自分のキャラにあったやり方を試行錯誤して手に入れてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に、YouTubeでも発信していますので、こちらもご参考にしてください。
けーた先生@若手教員お悩み相談 - YouTube
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